4話 王都到着
ゼノとミリアは、運転手のマルコに別れを告げ、学園を目指して歩いていたが--
「それにしても……スゴいね。」
「ああ、ものすごい広いな。……で、ここは何処だろう?」
--さっそく道に迷っていた。
ここ「王都アトランド」は、大国アトモスの南部にあるこの国最大の都市である。
都市内は北、南、東、西、そして中央の五つの地区で成り立っている。
ちなみに第一魔法学園が在るのは西である。
ゼノ達は、北の城門から王都入りしたため、現在北地区にいるのだが
「えっと、向こう側が西地区のはずなんだけど……建物が邪魔で進めないし」
彼等がいる北地区は、商人や冒険者がよく訪れるため、あらゆる店や宿が密集しており、迷宮と化していた。
ちなみに冒険者ギルドもここ北地区に居を構えている。
「ゼノにぃ…お腹すいた……」
「そういえば、昼飯はまだだったか?
しょうがない、そこの食堂でメシにしよう。」
ゼノは近くに在った、少し大きめのキレイな食堂を指差したて言った。
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カランコロン♪
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
店に入ると同時に、ポニーテールの女の店員が笑顔で訪ねてきた。
「え、え~と に、二名です…「ただいまカウンター席しか空いてませんがよろしいですか!」
「ハ、ハイ「それではこちらの席へどうぞ!!」……」
二人は店員の勢いにおされながらもあとに続いた。
「いらっしゃいませ。ご注文が決まったらこちらへお声をおかけください。」
カウンター席に座ると、正面からダンディな男の店員が声をかけてきた。
「すいません、その前に少し聞きたいことがあるんですが良いですか?」
「ええ、かまいませんよ。」
ダンディな男は渋い声で答えた。
「えっと、第一魔法学園に行きたいんですけど道に迷ってしまって……。よろしければ道をききたいのですが……。」
「なるほど。王都に来たのは始めてですか?それなら「あれ!君達魔法学園の生徒なの!?」
ゼノとダンディが会話をしてると、先ほどの店員が勢いよく割り込んできた。
「ええ。 先ほど王都に到着したので学園に報告に行こうと思っていて……あなたも第一魔法学園の生徒なんですか?」
「もちろん! 明後日から高等部の2年になるのよ!」
ゼノの問いに店員は元気に答えた。
「それならスズカさん、 もう少しで今日のバイトは終わりですし、彼等を学園まで案内してあげてはどうですか?」
ダンディはエエ声芸人並の渋い声色でそう提案した。
「そんな! さすがにもうしわ「それはいい考えね!そうしましょう!」け…な…い?」
スズカと呼ばれた店員は即断した。
「いえ、でも「いけない!注文が入ったんだった! それじゃまた後で!!」…いっちゃったよ。」
「お腹すいた……。」
さっきからまったく会話に参加してなかったミリアが呟いた。
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「「ごちそうさまでした!!」」
「それではお会計は合計1000Gです。」
ゼノは財布から500と書かれた金貨を二枚取り出した。
「それでは、ちょうど1000Gいただきます。 ありがとうございました。またのご来店をお待ちしておりま「さあ!それじゃ行きましょう!! お疲れさまでしたバイトリーダー!!」…お疲れさまでしたスズカさん。」
「言わせてあげよう!!あと一文字ぐらい言わせてあげよう!!」
ゼノは腹の底から声を張上げてツッコミをいれた。
「…あのおじさん、バイトだったんだ…。」
ミリアはボソッと呟いた。