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砕牙~白銀の破壊者~  作者: 伊東 無田
空白の物語 上
52/76

49話 闇の中に響く声

今日は二話投稿します

~side:ゼノ~


 此所は何処だ?

 暗いな、何も見えない……

 

 どう成っちまったんだ俺?



『--るか?』


 何だ……?


『聞こえるか?』


 誰だ? 何処に居るんだ?


『うむ、どうやら聞こえているようだな』


 だから何処に居る、ちゃんと人前に出て話してくれ。


『やれやれ、五月蝿い奴だ。

 姿を見せろと言うが無理な話だ。今お主には何も見えていないのだろう?』


 ……じゃあせめて名前ぐらい教えてくれよ。


『我は"記憶を統べる者"だ。

 名前は特に無いな、いっそのこと"神"でも良いぞ』


 悪いけど俺、そう言う胡散臭い物は信じて無いんだ。


『そうか。では"クロニクル"とでも呼ぶがいい。』


 じゃあクロニクル、此所はどこ?


『何処と言えば何処でもない。お主は今夢を見ているようなものだ。

 もっとも、正確には夢でな無いがな』


 じゃあ俺はまだ生きているのか?


『うむ、死んではおらん。それとも死にたかったのか?』


 別に死にたい訳じゃないよ。ただ、生きていける自信が無いだけさ。


『自信が無いとはどういう事だ?』


 ……いやあんたさっき"記憶を統べる者"って言ってたよな?何でも知ってるんじゃないの?


『何でもは知らぬよ。特に他者の心中などはな。

 それで、何故生きる自信が無いのだ?』


 怖いんだよ……。


『何を怖れておるのだ?』


 きっとこの先、誰もが俺を拒絶すると思う……。また一人になる……。


『何故皆が拒絶すると思うのだ?』


 ……一番最初に俺の側に居てくれた人が俺を拒絶した。きっと他の皆だって俺を拒絶する……。


『………』


 これ以上拒絶される……それがとても怖いんだ。


『………まったく、愚か者めが。

 あの程度でお主の大切な者達が、本当にお主を拒絶すると思っているのか?』


 ……わからない。

 ……もう何もわからないんだ。


『ならば、今一度見るがいい。

 お主の過去を、お主自身の物語を』


 俺の物語?


『その後に今一度考えてみることだ。

 では、始めようか』


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