28話 再会は灼熱と共に
ひさびさの投稿です。
でも最近忙しいから執筆する暇が無いっす。
次の更新は何時になるやら……
ゴウッ!!
炎の奔流がゼノに迫る。ゼノは横っ飛びでそれを回避する。
「マジかよ…あの野郎」
ゼノは静に悪態をついた。
「面倒なことになったなクソ!」
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話は昨日の夜まで遡る。
ゼノが自分の部屋でくつろいでいると突然ドアがノックされた。
「はいは~い、新聞は買わねーぞ。」
「何馬鹿なこと言ってんだ…」
「なんだシグかよ…じゃあなお休みまた明日」
「まてコラ」
ゼノの頭を鷲掴みにするシグマ。
「こんばんはシグマ先輩」
「ああ、こんばんは… マグリット「今悩みましたね?」」
「それで用件は?わざわざこんな時間に尋ねてきたんだから何かあるんだろ?」
「ロランのヤツが明日の朝6:00ぐらいに東の平原にクエストを手伝いに来いとのことだ。詳しくは明日本人から聞け。」
「ロランが?あいつが伝言頼むなんて珍しいな、普段は自分で来るのに。」
「まあ、そういうことだ。じゃあな」
それだけ伝えるとシグマは帰って行った。
「なーんか怪しいな?」
「どうしてだい?」
「いや、ただの勘なんだが… 嫌な予感がな」
そして翌朝、ゼノは仕度を整えて東の城門に向かった。東地区はほとんどが住宅街のためこの城門は普段からあまり使われてない。そのため城門には門番以外誰もいなかった。とりあえずゼノはロランがすでに来てるか確めるために門番に聞くことにした。
「あの、すいません。今日門の外に出た学生って居ますか?」
「既に何人か門を潜って行ったよ。何か特徴はあるかな?」
「デカイ剣を背負った黄土色の髪の男子生徒なんですけど。」
「ああハイハイあの子か。さっき可愛い女の子と一緒に出て行ったよ。」
「分かりました、ありがとうございます。(女の子?)」
門番にお礼を言ってゼノは門の外に駆けていった。
王都アトランドから東に広がる平原がある。その広さは王都の面積以上でさらに遮蔽物も無く日中は魔物も一切出現しないため、よく学生や冒険者、さらには王宮騎士までもが訓練に使われている。
ゼノが平原に着いた頃には既に何人かの学生が組手や魔法の練習をしに来ていた。
「さてと、何処にいるのやら…」
辺りを見渡してみると見知った人物がゼノに向かって手を振っていた。
「おーい!こっちだー!」
「そんなに大声出さなくても聞こえてるよ」
声の主であるロランに近づいてゼノが答えた。
「あれ?お前一人なのか?門番の人が女連れだったとか言ってたけど。」
「え、ああ… 実はお前を呼び出したのには理由があってな。」
「クエストの手伝いじゃないのか?」
「まあ聞け。それでよの理由なんだが…先に謝っておく、本当にすまない!!」
突然深い角度で頭を下げるロラン。ゼノは何故か嫌な予感がしてきたがロランに続きを話すように促した。
「お前を呼び出した本当の理由はな………アイツに会わせるためだ」
ダダダダダダッ!!
『ゼノはわりと本気で逃げ出した』
「悪いが逃がさん。『アースブレード』そんで『硬化』」
ロランが地面にクレイモアを突き立てるとゼノを包囲するように地面から石柱が隙間無くビッシリと生えてきた。更にロランはその石柱全てに魔法をかけて頑丈さを増した。
ゼノは直径10メートル、高さ7メートルの円柱に閉じ込められてしまった。
「ロランてめぇ!!」
「悪いなゼノ、だけどさすがにこれ以上アイツの機嫌が悪くなったら俺も巻き添えなんだよ。」
ゼノは周りを見渡してみた、すると一ヵ所だけ通れそうな隙間があった。そこに向かってゼノは駆け出した。
しかし既に手遅れだった。外から隙間を通って誰かが入ってきた。
紫色のショートヘアーと青く光る眼、顔立ちはどこかシグマに似ているが体格はそれより少し小さめ、見覚えのあるその人物が徐に口を開いた。
「やっと見つけた……このっ、バカゼノ」
「お、お前は……タイ・ラムネー「誰が平ら胸だー!!!!」危なっ!!」
炎の奔流がゼノに迫る。ゼノは横っ飛びでそれを回避する。
「マジかよ…あの野郎」
「避けるなー!!」
シグマの妹であるアリシア・ラゲイルは怒鳴り声を上げてゼノに攻撃してきた。
「面倒なことになったなクソ!」
自業自得である。