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砕牙~白銀の破壊者~  作者: 伊東 無田
再会の物語
22/76

19話 一難去って…

「困ったわね…」


職員室の自分の机で1-Dの担任のマオは一人呟いた。

原因は先週末に出した課題の結果についてである。


「まさかあの無茶な課題をクリアする生徒がいるなんて……しかも二組も」


本来なら、今回の課題は一年生に高等部の厳しさを実感させるための'洗礼'でありクリア出来ないのが前提であったのだが


「初日から討伐クエストなんて受けないでしょ普通…」


ゼノの無茶によって初日にクエストを4つこなした二組は、翌日に楽々とクエストをこなして、みごと課題をクリアしていた。


「仕方ない……こうなったら……」




ーーーーーーーーーーーーー




~side:ゼノ~


気まずい……昨日から三人共眼を合わせてくれない


「あの~そろそろ機嫌治して欲しいんですけど…」

「……」


シカトですか…


「ほら、無事に課題も終わったんだから」


「ねぇゼノ」

「何でしょうかサラさん……いや、サラ様」

「何で自分が怒られたのか理解はしているのかしら?」


「…初日から難易度高めの依頼を受けたから?」

「その通りよ! 何であんなセオリー無視をしたの!?」


やっぱ普通じゃなかったのか……


「いや、その俺の時も最初に大猪の討伐を受けたから…つい」

「それでどうなったんだっけ?」


「……大猪に撥ね飛ばされました。」

「何でそんな危険な任務受けたの!」


…そんなこと言ったって


「いや、でも修行時代はもっと危険なクエストをガンガン受けてたから」

「だから?」


「感覚が麻痺してました…」

だってあの頃は毎日死ぬ寸前までシゴカレてたからな~…リアルに


「サラちゃん、そろそろ許してあげなよ。」

「そうだよ、結果的には問題なかったんだから。」


サラがジト眼で俺を睨んでたら横から二人が庇ってくれた。


「ハァ~…まぁ二人がそう言うなら今回は……」


あれ?そこで悩むの?


「今日の放課後に買い物に付き合ってくれたら許してあげる。」

「わ、わかった付き合うよ!」

よくわからんけど機嫌が治るならお安いご用だ。


「……付き合う……………えへへ………」

「何か言った?」

「別に、何も!!」


まぁいいや

「じゃあ今日の放課後に---」

「そこの四名ちょっといいかしら?」


せっかく話が纏まりかけたのに横から年増が割り込んできた。


「今何か失礼なこと思ってなかったかしら?」

「イイエ、ZENZEN思ってないですよ先生。」


勘のいい独身だな…


「何か腹立つけどまいいわ。 あなた達四人には放課後に生徒会室に集まってもらいます。」


はい?


「理由はその時に直接お話しします、では!」


それだけ告げると年増は何処かに去っていった


俺はそーっと横を見てみた

『ジーーー………』


そこにはせっかく治りかけた機嫌を害したサラが俺を睨んでいた……勘弁してくれ!


~side out~


-----------



放課後、四人は言われた通り生徒会室の前に来ていた。


「てか、生徒会って何?」

予備知識の無いゼノが呟く


「簡単に説明すると、生徒による学園の管理組織よ。」

「管理って具体的には何してんの?」

サラの説明に新たに疑問を口にするゼノ


「主に規則違反者の取締りですよ。」

今度はナズナが答えた


「なるほど、つまり規則馬鹿の巣窟ってわけか。」

「規則馬鹿て…」

「三人共、そろそろ入ろう」


マルクに急かされて生徒会室に入る一行、部屋の中には担任のマオと生徒会の役員らしき生徒が一人いた


「よく来たわね…それじゃあ早速何故あなた達を呼び出したかなんだけど………あなた達には補習の代わりに生徒会の仕事を手伝ってもらいます!」

「「「「はぁ!?」」」」


「実はこの前の課題は不合格が前提の物だったのよ。」

「いや、意味がわからないんですけど!」


「チッ……要するに今他の生徒が行っている補習は本来一年生全員が受けなければいけない必修内容なのよ♪」

「だから?」


「カッ、ペッ!……つまりあなた達にも受けてもらわないといけない内容なの♪

でもせっかくクリアしたのに補習じゃ他の生徒も騙されたと思うじゃない?

だから代わりに別の物を受けて貰うってわけ♪」

「『ってわけ♪』じゃねえだろ!てかチョイチョイ態度が悪くなるのは何なの!?」

たまらずツッコミを入れるゼノ


「じゃあ詳しい内容はそこの人に聞いてね。先生はこれから用事があるから、じゃあね!………キャッホー♪」

そう言い残してマオは去っていった


「……あのアマ、絶対合コンに行く気だ…」

「うん…」

「でしょうね…」

「だね…」


「コホン、 それでは君達には実際に生徒会の仕事をてつだってもらいます。」


「具体的に何をすればいいんですか?」

「今日のところは仕事の見学です。

実際に仕事を手伝ってもらうのは明日からになります。

それでは、まずは自己紹介から 私は三年のトレア・ホン、副会長よ」

役員が挨拶してきたので四人もそれぞれかえした。


「あら、貴方が噂のアルフレイン?」

「…どんな噂ですか?」

ゼノは例によって嫌な予感がしていた


「そうねぇ、新学期早々に決闘を行ったとか--」

「それは相手にも原因が--」

「ギルドで酔っぱらいと喧嘩したとか--」

「それは不可抗力で--」

「あとは、ルームメイトと愛人関係になって「初耳だよ!!ってか誰だそんな噂流したヤツ!」…それは残念ね。」


「ゼェゼェ…ほ、他には?」

ツッコミ過ぎて息切れするゼノ


「あとは、後輩からよく話を聞くわね。」

「後輩?」

「ええ、二年生の男子よ。生徒会に所属してるからいずれ会えると思うわ。」


「それでは改めて今日の予定を説明させていただきます。」

仕事モードに戻ったトレア


「もうすぐ見回りから役員が一旦戻ると思うので、その人達に着いていってください。その後は終わりしだいその場で解散となります。」

坦々と説明を終えるトレア、そこへ--


ガチャ--


ちょうど役員が入って来た


~side:???~


やれやれ、フェイ先生にも困ったものだ…

最初から補習なんて言わずに素直に必修だと言っていれば、こんなややこしい事には成らなかったのに。


でも、おかげであの大馬鹿に説教出来るのだがな


ガチャ--


いた、間違いなくあいつだ…


「只今戻りました副会長」

「ご苦労様です。」


「それから--」

変わってないな、あいかわらず灰色髪だな


「久しぶりだな、大馬鹿野郎ゼノ


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