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砕牙~白銀の破壊者~  作者: 伊東 無田
再会の物語
14/76

11話 波乱のクラス分け

更新が遅れました。

今回は、2話あります。


学園の校門前には次々に生徒が集まり、教師がそれを誘導していた。


「中等部の生徒は左側、高等部の生徒は右側の校舎に向かってください!」


学園の敷地の総面積は西地区の4割を占めていおり、敷地の中央付近に2つの校舎が並んでいる。校舎の高さはどちらも4階建てとなっている。

そして、その校舎を囲む様にさまざまな施設が敷地内にある。



「それから、入口で自分のクラスを確認してください!」



ついでに学園に通う生徒の人数について説明すると、まず中等部の1年生が200人、この200人が通称入学組と言われている。学園では1学年5クラスになっており、15歳未満の編入生は1クラス辺り5人、つまり25人ずつ2年生と3年生に加わることになる。よって中等部から進級するのは250人である。

そして、15歳以上の編入生は全員高等部の1年生として加わるのだが、高等部では毎年クラス辺り50人、つまり250人が編入するため、最終的に一学年500人になるのである。

学園では、入学組以外の250人のことを編入組と呼称しているのである。



そしてマルク・マグリットもその内の一人であった。


(はぁ~、王都に着いてすぐ気絶したり、ルームメイトはちょっと変な人だったり……ついてないな)


どうやら彼のゼノへの第一印象は「変な人」だったようだ。

第一声がアレなので無理もないが。


「次の人、名前は?」

「マルク・マグリットです。」

「えっと、マルク…あった、Dクラスへどうぞ。」


そのままマルクは教室へ向かった。




-----------




「繰り返します!中等部の生徒は左側、高等部の生徒は右側の校舎に向かってください!」


「それにしても、王都の人は何でも大きくすればいいと思ってんのかな?」


「いや、人が多いからだと思うよ」


ゼノとナズナは結局あれから会話も無く学園に到着した。


「いや、それでも大きすぎだって。学園は王立とか言ってるくせにしっかり税金で運営されてるのに。」


ゼノは愚痴をこぼした。


「だいたい、お偉いさんは税金を無駄使いしすぎなんだよ!!子供手当てなんかすぐに廃止するべきだ!!」

「何の話!?」

「さぁ?」


(……ゼノくんもサラちゃんみたいに突然ボケるんだ。)


ナズナの悩みの種が一つ増えた。




「次の人、名前は?」


「ゼノ・アルフレイン」

「ナズナ・イスルギです。」


「えーと、お約束どおり二人共Dクラスよ。」



(……また増えた)


ナズナの気苦労は続く


「クラスに着いたら担任の指示に従って席に着いてください。」


二人は教室に向かった。




一方、教室では。



「おやおや、『紅嵐』のルミールさんではないですか。」


サラは窓側の列の中程の席に座って、外を眺めていた。


「どうやら貴女もDクラスのようですね。」



(不安にならずに、昔みたいに……)


サラは耳に入ってくる雑音を無視して今後のことを考えていた。


「それにしても、高等部からこんな大勢の編入組なんかと同じクラスに居なくてはならないとは…生粋の入学組である僕達にはふさわしく無いとは思わないかね。」


「用件が無いなら話しかけないでくれないかしら、シムジウ・ハング」


サラはいい加減ウザくなったので、雑音の発生源をフルネームで拒絶した。


と、そこへ


「いた!よかった、サラちゃんも同じクラスだったんだ。」


ナズナが到着した。


「これで3年連続ね!」


と、二人が盛り上ったので


「ふん、編入組ごときが。」


シムジウはそう捨て台詞を吐いて席に戻っていった。


「何のアイツ!」


「気にしないでいいよ…。それより、ゼノくんも同じクラスだよ!」


それを聞いたサラは


「そうなんだ。(よし!)」


周りに見られないようにガッツポーズを決めた。



一方、そんなサラの気持ちに気付いていないゼノは



(どうやらサラも同じクラスみたいだな。)

「さてと、俺の席は……特に決まりもないし、廊下側の一番後ろでいいか。」


はからずもサラから遠くの席に座ろうとした。



その時--

「バカな!何故貴様がこの第一魔法学園にいるんだ!!」


偶然目があったシムジウが叫んだ。


「その灰色の髪、貴様は落ちこぼれのアルフレインだな!!」


周りの生徒が突然喚き出したシムジウと、その矛先が向いているゼノに交互に視線を向ける。


「いくら編入組でも貴様のような無能が学園に入れるはずがない!さては何か卑怯な手段でも使ったな!」

と、どんどんヒートアップして行くシムジウに対してゼノは--


(いや、誰こいつ?)


まったく彼のことを覚えていなかった。


「てか、‘初対面’の相手にいったい何なのあんた?」


考えてみたがまったく思い出せなかったのでゼノは質問することにしたようだ。


「貴様!まさかこの僕のことを覚えていないのか!? このハング村の村長の孫の僕のことを!」


そこまで言われてようやくゼノは思い出した。


「ああ!あの9歳までオネショしてた奴か!?」「な!?」


クラスの生徒達は爆笑した


「貴様ーーーーー!」


シムジウはゼノに殴りかかろうとした、そこへ


「はーい!全員席に着きなさい!」


担任がやって来た。


「ほら、とっとと座って!」



『覚えていろ、この--能無しが!』


シムジウはゼノに向かって小声でそう吐き捨てた。


~side:ナズナ~



あ、危なかった!……先生の到着が少しでも遅かったら、きっとサラちゃんは彼に魔法を放ってた…。


『サラちゃん!落ち着いて!ゼノくんなら平気だから!』


『何なのアイツ!ゼノに何の恨みがあるってのよ!!』


『たしかに酷いけど今は堪えて!』


私だってさっきのは許せないけど……でも何でゼノくんは平然としてるんだろう?


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