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陳宮異文伝─汚辱にまみれて生き残る─  作者: Katty


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9/16

戦の準備

「陳宮、先行して露払いをしてくれ。」

軍議を始めるといきなり曹操から言われる。

「露払いか、行けと言われれば行くが軍将は誰を付けてもらえる?」

「旧呂布軍、張遼と高順をつけよう。」

曹操の傍らで郭嘉が嫌らしい笑みを浮かべていた。

俺達呂布残党はまだ信頼されていない、今回の命令も本隊を温存して我々を削る目的もあるのだろう。

だが、俺に断る事は出来ない。


「承りました、張遼、高順なら気心もしれておりますれば、手柄を立てる事になりましょう。」

「うむ、任せたぞ、すまんな陳宮、我らは北に袁紹がいるので本隊を減らす訳にはいかんのだ。」

曹操は俺が気付いたことに気付いている。

先に吐露して反抗心を下げるのだろう。

それに今曹操の敵は袁紹である。

曹操より大軍を持ち、領内も安定している。

少しでも戦力を落とせばなすすべもなく敗れるだろう。


「お任せあれ、露払いしかと努めましょう。

曹操、兵は拙速を尊ぶという、これよりすぐに準備し、向かいましょう。」

「任せた。」

俺はそのまま軍議を出て、張遼、高順の所に向かう。


「俺達が劉備とか。」

張遼、高順両者とも渋い顔をする。

俺達呂布軍は敗戦によりかなり数も減らしている、一方劉備軍は立て直しが済んでおり、張飛、関羽両者の武勇も尋常ではない、簡単に倒せる相手ではないのだ。


「簡単な相手ではない、そこで俺は臧覇に味方になってもらおうと思っている。」

「臧覇か、あいつが簡単に味方になるか?」

「難しいかも知れんが、可能性はあるはずだ、そこで張遼、高順は軍の準備をして琅邪に来てくれ。俺は先に行って臧覇を説得してくる。」

「陳宮危険だ!もし臧覇が劉備についていれば君も危険になる。」

「張遼、心配はありがたいが安全策を取れる状態でもない、説得出来ないようなら俺はそこまでの漢ということだ。」

「呂希様はどうするつもりだ。」

「その時は高順、張遼二人に任せる。」

「・・・わかった。お前程の漢が決めたのだ行ってこい。」

高順は俺の気持ちを汲み取り、先行することを許してくれた。


出陣にあたり、俺は屋敷に戻り説明をする。

「大丈夫なのですか?」

厳氏は心配そうに聞いてくる。

「大丈夫です、私に何かあれば高順、張遼が私の後を引き継いでくれるように手配は出来ています。」

「そうですか。」

厳氏から安堵のため息がもれる。


この様子から心配しているのが俺のことではなく自分の生活なのだと理解した。


「厳氏様、それはあまりに陳宮に失礼です。

陳宮、無理をしてはなりませんよ。」

貂蝉は厳氏をたしなめ俺に気を遣う。

言葉だけとはいえ、言い方一つで救われるものもあるのだと実感ができた。


「あの呂希様は?」

出陣の説明をしているのに姿を見せない呂希が少し気になりたずねるが・・・

「あの子は今出かけているのです。他の諸将のご家族と仲良くなることで陳宮の助けになると思っての行動だと思いますが・・・」

厳氏の歯切れは悪いが俺に時間は無かった、一刻も早く臧覇を説得に向かわねばならない。


「それでは呂希様によろしくお伝えください。」

俺は厳氏と貂蝉に言伝を頼み、臧覇がいる琅邪に向けて出発するのだった。

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