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陳宮異文伝─汚辱にまみれて生き残る─  作者: Katty


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小競り合い

俺達が駆けつけた時には既に襲われ、僅かな兵が命懸けで護っているようだった。


「両軍、手を引け!我らは曹操軍である!」

張遼が声を上げると追撃していた軍が足を止める。

「曹操軍が何故出てくる!」

「そこにいる劉勲から救援要請が入った!これ以上やると言うなら我らが相手になる、返答はいかに!」

張遼の益荒男振りに敵は恐れおののいている。

「我らは孫策軍である、曹操軍は我らとやるつもりか!」

「必要とあらば、やろうではないか!

それは宣戦布告ととっても良いのか!」

「待て!我らに曹操と戦うつもりは無い、だが劉勲が廬江に戻る事を認めるわけにはいかない!」


向こうが少し引いた為、俺は対話に参加する。


「この軍を指揮する陳宮である、戦にならぬ為にも少々話し合いを行いたい、軍の指揮官はどなたか?」

「私は程普、孫策様にお仕えする者である!」

一人の老将が前に出てくる。

程普は孫策の父、孫堅の頃から仕える孫策軍の中でも古参の将であった。


「程普殿、劉勲殿の身柄をお引渡し願いたい。」

「陳宮殿、君命を受けたものが違えるわけにはいかん事はご存知であろう。」

「貴殿の君命は廬江を得ることに違いは無いか?」

「如何にも、廬江は既に孫家の物である。」

「ならば、廬江には手を出さん、だが主君の知人を見殺しには出来ない、劉勲の妻子、家臣達を引き取りたい。」

「曹操が約束を守る保証はあるのか!」

「孫家としても今曹操と戦う意志は無かろう、曹操としても今孫策と戦うつもりは無い。

だが、懐に逃げてきた窮鳥を見殺しにも出来ん!この話を受けないようなら私の一存で戦端を開かせてもらうが返答は如何に!」

張遼以下、騎兵達が突撃の構えを取る。


「待たれよ、ならば劉勲共を引き渡すのは構わない、だが、廬江に手を出さん、約定をもらいたい。」

「曹操に連絡を入れるには時間がかかるがそれまではどうする?」

「お主で構わん、一軍を任せられているのだ、それなりに信用されているのだろう。

それに曹操に貰った所で裏切る時は裏切る、我らとしては目の前の将が攻めて来ぬ事を希望する。」

「わかった、俺の名で約定を結ぶ、孫家が攻めて来るまで廬江に手を出さんと約束しよう。」

俺は程普と書簡を交わし、停戦の約定とした。


「陳宮殿、何故廬江を取り返してくれんのだ!」

命が助かるまで震えていた、劉勲は程普の軍の姿が見えなくなると声をあげ始める。

「曹操の命令もなく攻める理由が無い、劉勲殿が曹操の友人と申されるなら曹操に頼んでもらいたい。」

「ぐぬぬ・・・」

劉勲は悔しそうにしてはいるが逆らう事も出来ず、不機嫌そうに離れていく。


「申し訳ない、我が殿も城を失い混乱しているのです、どうか広い心でお見逃しを。」

救援を求めてきた橋公は申し訳無さそうに頭を下げてくる。

「大丈夫です、曹操がいる許昌までは護衛もつけますので、援軍を求められるなら曹操にお願いするといい。」

「誠にありがとうございます。陳宮殿は命の恩人なのに何から何までお世話になって。」

「構わない、さて、全軍帰還する、これ以上孫策を刺激するのは危険だからな。」

俺は全軍を寿春へ引き返すのだった。

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