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陳宮異文伝─汚辱にまみれて生き残る─  作者: Katty


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二つの宝

「下邳がもぬけの殻だと?」

小沛に夏侯惇からの報告が届く。

「関羽は劉備と合流するために青州の袁紹軍に向かった模様にございます。」

俺が劉備を倒してから下邳に向かうまで時間がかかってしまっていた。

本軍が敗れた以上、無理に立て籠もらず、再起をはかることにしたのだろう。


「関羽が逃げたか、くそっ、勧誘のチャンスだったのだがな。」

曹操は少し悔しそうにする。

「すまん曹操、俺が手間取ったばかりに。」

「いや、その件は俺に非がある。謝罪は無用だ。」

謝る俺を曹操は静止する。


「陳宮、予定通り徐州は任せた、青州に逃げた劉備が南下して徐州を狙うかも知れん、警戒しておいてくれ。」

「わかった、すぐに体制を整える。」

「おっと、忘れるところだった、俺からの謝罪として、呂布の持っていた方天画戟と赤兎馬をお前に渡そう。」

「方天画戟と赤兎馬をくれるのか!」

「せめてもの詫びだ、受け取ってくれ。」

「ありがたい!」

俺は喜んで受け取る。

呂布の遺品ともいえる2つの品に俺は喜びを覚えていた。


曹操は徐州を俺に任せて、すぐさま兗州に向っていった。


俺は徐州を任されたことにより、各所に指示を出す。

戦乱により荒廃した土地を建て直さなければ、戦をすることもできない。



「下邳は高順に小沛は張遼に任せる、軍の編成をしてくれ。

臧覇には徐州の賊を退治か傘下に収めるように動いてもらおう。」

「わかった、編成を急ぐ。」

ここにいた張遼が答える、下邳にいる高順、臧覇には書状を準備する。


「魏越は街道の整備を頼む、孫観、尹礼は田畑の開墾、昌豨、呉敦は治安維持を頼む。」

俺は指示を出したあと、張遼を呼ぶ。


「張遼、お前に赤兎馬を渡す。」

「赤兎馬をか!しかし、これはお前が貰ったものではないか。」

「俺に赤兎馬は乗りこなせん、それに乗れたとしても宝の持ち腐れだ、赤兎馬が戦場を駆ける事を殿も望まれよう。」

俺は呂布の遺品の一つを張遼に贈る、惜しい気持ちもあるが赤兎馬は戦場を駆けてこその名馬である。

俺は自身の気持ちを押し殺し、張遼へとわたすのだった。


「わかった、だが預かるだけだ。殿もお前が持つことを望まれよう。」

張遼も俺の気持ちを理解してくれたようだ、俺の気持ちを汲み取り所有者としての名を残せと言ってくれる。

「張遼、ありがとう。」

「いや、俺の方こそ、ありがたい、呂将軍に、そして陳宮お前の覚悟に恥じぬ武勇を見せようではないか。」

この日より赤兎馬を駆る張遼の姿があった。


そして、下邳にいる高順へ方天画戟を送る。

「なんと、俺にこれを使えと。」

陳宮からの手紙には方天画戟を取り返せたので使ってほしいと書かれている。

そこには直接渡せないことへの詫びから始まり、呂布軍の武の象徴として高順に活躍してもらいたいと・・・


「殿・・・」

高順は方天画戟を手にして呂布の武勇に思いを馳せる。

そして、陳宮が方天画戟を手放すとは、どれほど惜しかったであろうか。

高順の瞳に涙が浮かぶ。

「陳宮、たしかに受け取ったぞ。」

高順は陳宮がいる小沛の方角に礼をするのであった。


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