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陳宮異文伝─汚辱にまみれて生き残る─  作者: Katty


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17/31

混乱

陳宮が倒れた為に下邳攻めが停滞する。


そして、知らせは曹操の元にも届く。

「陳宮が倒れただと、どういうことだ。」

曹操は報告書を見るが信じられない事だった。

「郎中、典満が陳宮様に襲いかかり陳宮様は重傷を負われました、現在典満は捕らえてこちらに護送しております。」

報告書を持ってきていた魏越からは言葉の節々から明らかな敵意を感じる。


「有り得ぬ、なぜ典満が陳宮を襲う?」

「わかりませぬ、近衛の話によると典満の言葉を無視した事が原因との事でしたが、総大将たる陳宮が護衛の言葉を無視する事に何の問題があるのか、理解に苦しみます。」

「わかった、典満に事情を聞いたのち処分をくだす。陳宮には下邳攻めはかまわん、ゆっくり休めと伝えてくれ。」

「はっ!」

魏越は怒りを隠す事なく曹操の前から退出するのだった。


「典満、なぜ陳宮を襲った?」

「あの者が曹操様の命を軽んじ、劉備を逃したからにございます。」

「陳宮が劉備を逃しただと、詳しく話してみよ。」

典満は逃げる劉備の追撃に入らなかった事を曹操に告げる、陳宮が説明していた徐州制圧の事は話すことなく、自身の考えばかりを伝えていた。


「つまり、陳宮は劉備を撃破した後、追撃をしなかったと、それだけの話だな。」

曹操は典満が色々付け足した部分を見抜き切り捨てていた。

「陳宮には思惑があったのだろう、それを護衛のお前に話す必要はない、それより総大将の陳宮を襲った事の方が問題だ・・・

典満、沙汰が決まるまで謹慎を命じる。」

「曹操様!」

「連れて行け。」

曹操は典韋の息子である、典満に死罪を言いたくは無い。

だが行った事は許されざる蛮行、曹操にとって頭の痛い話だった・・・



典満が陳宮を襲った事はすぐさま曹操陣営に広まっていく。

「典韋殿のご子息が意味なく襲うとは思えん、陳宮に何かあったのではないか?」

「陳宮は裏切り者だからな、新たな裏切りを未然に防いだだけではないのか?」

父親典韋の名声もあり、典満に同情的な声が大きくなっていく。


「殿、典韋殿の忠節を思えば、息子典満に罪を問うのはどうかと思われますが?」

夏侯惇の甥、夏侯尚が若手を代表して曹操に意見をしていた。

彼ら若手は皆が親の代から曹操に仕えているもの達であり、同じ境遇の典満とは長年の仲でもあった。

友を見捨てる気になれない夏侯尚は同じ二世達の署名と共に曹操に意見をしていたのだ。

「夏侯尚、典満のしたことは許される物ではない。ましてやロクに戦場も知らぬお前達が意見することは許さぬ、夏侯惇の顔に免じて今回は見逃す、この件に関わるならお前達も処分を覚悟せよ。」

曹操は厳しい言葉で夏侯尚を追い返す。


日が経つに連れ、曹操の悩みは拡大の一途をたどる。

「えっ・・・いま、なんと言いましたか?

典満が陳宮様をおそった・・・」

曹清の元に信じられない報告が届く、自身が頼んで護衛についてもらったはずなのに、その護衛が陳宮を傷つけるなど・・・


曹清はあまりの事に目眩を起こす。

「曹清様!!」

侍女達が慌てて曹清に駆け寄る。

「だ、大丈夫です、それで陳宮様のご容態は?」


「そちらの情報はあまり・・・噂ですと、死線を彷徨っているとか、既に亡くなられたとか。」

一人の侍女が聞いた噂をそのまま曹清に伝える。

言葉を聞いた曹清の表情は青を通り越し、真っ白になっていく・・・


「ちょ!アンタ何を言ってるの!曹清様、ただの噂にございます。

それほど重いなら何かしらの連絡があるはずにございます。」

もう一人の侍女は曹清の気持ちを察して言葉を遮る。


許昌には噂しか届いていない、しかも夏侯尚達が自分達に都合のいい噂を流していたのだ。


「今すぐ旅支度を・・・」

「えっ?」

「聞こえませんか?旅支度をしなさい。」

曹清は倒れそうな自分を必死に堪え、侍女に命じる。

今、苦しいのは陳宮なのだ、自分が典満に護衛を頼んだばかりに陳宮は襲われ、死の淵を彷徨っている。

ここで倒れている場合ではない。


「ど、どちらまで・・・」

「小沛に向かいます、腕のいい医師も連れて行きます、すぐに用意しなさい。」

「曹清様、お待ちを!曹操様の許可が必要になります!」

「ならば今からもらってきます!それまでに準備を進めてください。」

曹清は曹操の元に向かうのだった。

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