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詩小説へのはるかな道 第41話 果てまでの峰を越えて

作者: 水谷れい

原詩:果てまでの峰 ー 日英からみあった詩


果てまでの峰

Hate made no mine

憎しみは私の物は何も作らなかった


でも地雷は作ったよ


ーーーーーーー


詩小説:果てまでの峰を越えて


「この山の向こうに、何があると思う?」

少年が訊いた。

少女は答えなかった。風が吹いて、彼女の髪が揺れた。


ふたりは、かつて戦場だった山の尾根を歩いていた。

地図には載っていない。けれど、祖父の遺した手記には、こう書かれていた。

「果てまでの峰を越えた先に、憎しみのない村がある」

それを信じて、ふたりは歩いていた。

背中には水筒と、祖父の手記と、そして――地雷探知機。


「憎しみは、何も作らないんだって」

少女がぽつりと言った。

「でも、地雷は作ったよ。ほとんど人の通らないこんな山道に埋めるほど」

少年が笑った。乾いた笑いだった。


足元の土を、慎重に踏みしめながら進む。

ピッ、ピッ、と探知機が鳴るたびに、ふたりは立ち止まり、息を呑む。


「ねえ、もしこの先に何もなかったら、どうする?」

「それでも、ここよりはマシだと思う」

「どうして?」

「ここには、地雷があるから」


ふたりはまた歩き出す。

憎しみの残骸を避けながら、

果てまでの峰を、越えていく。


=====


わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。


連作短歌:果てまでの峰を越えて


風に揺れ

答えを持たぬ

髪の影

山の向こうを

少年は問う


地図なくて

祖父の手記を

頼り行く

果てまでの峰

憎しみなき村


乾き笑う

地雷の音に

息を呑み

憎しみの跡

踏みしめて進む


「何もない」

その先さえも

望む声

ここには地雷

ここよりはマシ


残骸を

避けて歩めば

かすかな灯

果てまでの峰

越えてゆくふたり

詩をショートショートにする試みです。

詩小説と呼ぶことにしました。

その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。

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