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第96話 ーー名付けーー

「ふー。すっきりしたね〜」


「ドッドラ!」


 僕と竜の子は一緒にお風呂に入っていた。丁度上がった頃に玄関のドアが開く音が聞こえた。バク達が帰ってきたのかと思ったが足音がドスドス言ってるからケルトさんだろう。どこに行っていたのかとか色々聞きたかったしドライヤーをかけてすぐに向かった。


「ケルトさん!どこ行ってたんですか?」


「んあ?……….ちょっとな」


「???」


「ドラっ!」


「愛しき我が子よ。利口に出来ておったか?」


「ドラ!ドララドララド…」


 相変わらず仕草が可愛い。そもそもこの子の言葉を分かっているのだろうか。とりあえずリュウガさんには聞きたいことがある。


「それでリュウガさん。色々聞きたいことが山積みなんですが」


 リュウガさん。珍しいと言われる竜の一族。実力は底知れないがケルトさんと同じくらいとは聞いている。


「良いよ。何でも答えようぞ。君には償わなければいけないことが多いからな」


「それは助かります」


「お前は好奇心旺盛だからな」


 僕の質問には何でも答えると言ってくれたので遠慮なく質問することに。


「まずどうしてこの世界に居るのかって話です。ドラゴンにとって希少生物ハンターって言うのは危ないって言ってましたよね?元の世界に帰れば良いのでは?」


「私やこの子が産まれた世界では対立が起こっておる。簡潔に言えば炎竜と氷竜の対立だ。互いに敵視し合っていたのだがついに争いへと発展してしまった。その為、少しばかり間を置くことにしたんだ」

「そうですか…リュウガさんってあの時のドラゴンさんって言ってましたが今は獣人に近い姿ですよね。どうやって変わってるんですか?」


「これは私の世界での魔法と言うものだ。擬人化と言ってな、人との友好関係を築くために作られた魔法だ」


「…?。人に近いって…その世界って獣人とか居るんですか?」


「あぁ、そうだったな。もう少し見せてやろう」


 リュウガさんは椅子から立ち上がってキラキラしてる光に包まれる。少しだけ経って出てきたのは、紳士的なおじさんみたいな姿の人だった。


「これでどうだい?ローディアでは獣人の割合が多いからそっちに合わせていたんだ。人間の多い世界だとこうすることがほとんどだよ」


「すごいです!魔法ってそんなことも出来るんですね!」


 ボワっと煙が出て元の姿に戻った。一応限りなく人間に近い姿になれることはわかった。


「それと、聞いて良いのか分かんないんですが…この子の名前ってなんですか?ずっと名前を呼んでる様子がなくて…」


「………」


 考えている様子だ。口を止めるなんて初めてだ。さっきまで少しも間を置かずに答えていたのに。


「その子は…私と妻の子だ」


「奥さんはどこに?」


「さぁな。今どうしているんだろうな」


「?????」


 曖昧な返答に困惑する。聞いちゃいけないこと聞いちゃった?ケルトさんと目を合わせるが何も言ってくれなそう。


「私は妻を置いて行った。争いの最中、私達は子供を守るために必死だった。子供はこの子だけじゃない、何人もいたさ。その中でもこの子は特別だった。赤い鱗に氷の吐息、どちらにも着かない完全中立な存在。どっちの対象にもなる存在」


(思ったより壮大な話になりそうです…)


 この子は僕の手の上で寝ちゃった。身体は暖かいけど吐く息は冷たい。


「私は大して強くなかった。竜の力も上手く使えず無駄にでかい身体で攻撃を受けることしか出来なかった。だが妻は違う。優秀で、立派で、勇気ある者だった。そんな妻に言われたんだ、『その子を連れて別の世界に逃げて。大丈夫、あなたなら平気。やる時はやる漢ですもの』とね。そう言われ妻の作った異世界への扉(ホール)へ入れられた」


「な、なるほど…」


 話はだいぶ脱線してしまっているがこの過去話は大事になってきそうだ。


「あ、そうそう。その子の名前の話だったね。名前は妻が付けるものという文化があってね。私は付けれないんだ」


「なるほど……」


「そこでだ。君に付けてもらうことは出来ないかい?」


「え?……ええええ???」


 僕の声にこの子が起きてしまった。どうしたのかと周りをキョロキョロしているが何も無くて安心した様子だ。


「この子がここまで懐く人間なんて珍しいなんてものじゃない。頼む。この子に名前を付けてやってくれ」


「そんなこと言われても…」


「ドラ!ドラ!」


「ほら、この子も付けてもらいたいらしいぞ」


 こんな時に限ってケルトさんはうたた寝を始めている。


「ちょっとだけ、時間を下さい」


 僕はひたすらこの子を眺める。少しアホっぽい行動が多いが愛おしい。僕と目が合うと笑顔でドラ!と声を出す。僕たちの真似をして二足歩行で歩こうとしてみたり羽を使って飛んでみたりなど色々している。リュウガさんは竜だからリュウガって名前なんですかね。じゃあこの子にもそういう名前を…。


「ドォラ…ドラドラ!ドラ…ル?」


「ドラル?」


 リュウガさんが目を輝かせた。


「ドラル…ドラルとな!素晴らしい!」


「ドラル…で良いかな」


 僕はドラルをゆっくり持ち上げて顔の前まで近付ける。


「ドラル、君の名前はドラルだよ」


「ドラ…ル?ドラル!ドラル!」


 嬉しそうにピョンピョン跳ねている。この様子にケルトさんも目を覚ましたようだ。新しい名前が決まってリュウガさんも満足な様子だ。


「んあ?質問タイムは終了したか?」


「一応は…」


「そんじゃ本題だな。約束は守れよ?リュウガ」


「分かっている。イリウス君に修行をつけろという話だろ?当然引き受けさせてもらう」


「え…嘘でしょう??????」


 また修行の話…僕はどうなっちゃうんだ…


「ドーラル!ドーラル!ドラ!!」


ーーーーーーーーーー次回予告ーーーーーーーーー

「無理無理無理ですー!」


 突如として行われる修行。リュウガの強さは想定以上でとてつもなくボコボコにやられてしまう。でもケルトさんより的確なアドバイスと指示により僕はもっと強くなる。

 我々の出番がどんどん無くなっていくの…不遇キャラとはこういうものか…


             次回「ーー龍玉ーー」

ちょっとでも先が気になる!おもしろい!と思いましたらブクマ、感想などしてもらうとモチベになりますm(__)m

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