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第95話  ーー竜の子 後編ーー

「あ、あの…その子…」


 トカゲみたいな小さな子がリュウガさんと話している。何語か分からないし全く話についていけない。床にひれ伏してる僕に対して心配したケルトさんが手を伸ばしてくれる。僕はその手を取ってゆっくり立ち上がるがリュウガさんの目が怖い。


「大丈夫か?お前が無罪なことは分かってるからな」


「何が起こってるか分かんないです…僕はその子を拾っただけです…」


「拾った?どこで?」


 僕は僕でケルトさんに一部始終を説明する。怖い人達に追いかけられたことも。丁度話が広がってきた所、顔が真っ青になっていくリュウガさんが横目に見えた。僕がそれに何か言うよりも先にリュウガさんがその場で土下座した。


「本当にすまなかった!!!」


「うぉ、びっくりした!急に大声出すんじゃ…」


「とんだ勘違いしてしまった!!あなたは我が子を救ってくれたと言うのに…私はなんてことを…」


 トカゲの子は何かを成し遂げたかのように胸を張って僕を見ている。


「えっと…気にしてませんから…」


「そういう訳にはいかない!!どうか償わせてくれ!!」


「え、えぇ…」


 僕が困惑している中ケルトさんはリュウガさんの前まで行く。慰めてあげるのかな?とか思っていたがケルトさんがそんなことするわけない。リュウガさんの頭を踏みつけてこう言った。


「おうおううちの子に手出しといて謝るだけで許されるわけねーだろうがよ。それに教わらなかったのか?土下座する時は、こうやって!頭から血が出るくらい地面に叩きつけるもんなんだよ」


「ケルトさん!!!!!!」


「良いんだ…私の犯した罪はその程度ではない…」


「ドドラ…キュー…」


 大声でケルトさんに注意するが止める気も止めさせる気も無さそうだ。こんな所この子にも見せてられない…


「はぁー…頭上げてください。確かに急でびっくりしましたけど、解決したならそれで良いです」


「でも…」


「でもじゃないです。ケルトさんも足どけてください。座って話したほうがいいです。行きましょ」


「ドラ!」


 僕はその場を仕切ってリビングに移動する。トカゲの子は僕の肩に飛んできた。みんなが移動しきって話が始まる。


「一旦落ち着けました。改めて謝罪をさせていただきます…本当に申し訳ございませんでした」


「その謝罪はしっかり受け取って頂きます。何があったかは聞けたってことですよね?」


「はい…この子から全て聞きました」


「そんじゃその話してくれよ。俺が聞いたのはイリウスが拾ってきたってとこだけだ。その前の話は知らねー」


 ひとまずリュウガさんが殺そうとしてきたことは許した。次はこの子についてだ。リュウガさんは一呼吸置いて話し始める。


「この子は私の子…竜の子だ。竜と言うのは珍しい種族でな、竜が存在する世界は指で数えるほどと言われている。そうなると竜の価値、つまり売値が上がるわけだ。希少生物を捕らえて売りに出す希少生物ハンターと言われる者共が竜の子をしつこく探しているんだ。そこで、たまたまこの子が捕まってしまった。そこからこの子は厳重な警戒の中何とか抜け出して君と出会った。こんな所だ」


 竜の子…ドラゴンって事ですね。僕の事を追いかけてきた人は希少生物ハンターってやつなのか…酷い人もいるもんだ。


「なるほどね〜。つまりは連れ去られたのもお前のせいってわけだな」


「ちょっとケルトさん!」


「良いんだ。その通り、私の警戒不足だ。今日ここに来たのもケルトの力を借りるためだった。裏社会に通ずる者なら希少生物ハンターについても何か知っていると思ったからな」


「なるほど…」


 とりあえず話はまとまった。ここからどうするかはこの人達次第だが…


「そういえば、僕のことどこかで見たって言ってましたけど、どこで見たんですか?」


「あぁ、きっと君で合ってると思うんだが恐竜の世界に居たのではないか?」


「え?確かに居ましたけど…リュウガさんの事見ませんでしたけどね…」


「ん?見たではないか。ありがとうございますだなんて初めて言われて記憶に焼きついてしまった」


「え…えぇ!?もしかしてあの時のドラゴン!?」


 恐竜の世界にて、僕は様々な肉食恐竜に追われていた。そんな時ドラゴンがやってきてみんな倒してくれたんだ。あの時は不思議だと思っていたが…


「あの世界に人間が来るのは珍しかったからな。襲われている君を助けなきゃと思ったのだ。森に入ってしまった時はどうしようか迷ったがな」


「あれってリュウガさんだったんですか…」


「お前らも変なとこで出会ってんだな。運命ってやつか?」


「とにかく我が子を助けてくれて本当にありがとうイリウス君…」


 また頭を下げている。もしかしてすごい謙虚な人なのかな?ケルトさんの知り合いにしては珍しい。


「そんなそんな…僕も困ってる人は見捨てられないのでちょうど…」


「イリウス、風呂入ってこい。」


「え?」


 僕が話終わるより先にケルトさんが変なことを言い出す。2人の姿を見ていると何かを警戒してるみたいだ。


「その子も一緒で頼む。君となら平気だろう」


「ドラ!」


「はい…」


 何か分からなかったがとにかくお風呂だ。臭ってるかな?と自分の匂いを嗅いでみるが分からない。たしかにちょっと汚れてたから丁度良かったかも。


「まさか君がドラゴンだったなんてね〜。そういえば、君のお父さんは炎を吐くけど君は違うの?」


「ドラ!カァァァ…」


「すごい!タオルがこんなカチカチに!」


 この子が白い息を濡れたタオルに吐くとカチカチに凍ってしまった。恐らく冷気を吐くんだろう。


「見た目赤いのに冷気を吐くの?普通青とかなんじゃ?」


「ドラ?」


 ぴちゃぴちゃと浴槽を泳いでいる様は可愛いその物だ。

 一方外では、


「家まで押しかけるなんてしつこい奴らなんだな」


「希少生物ハンターというのはそういうものだ。仕方ない」


「「………」」


「イリウスも殺す気で来たんだろうな。返り討ちにしてやる。絶対ぶっ殺す」

「我が子を売ろうと誘拐するとは…自らの身を捧げにきてくれて助かるな。殺す」


 俺らは何の準備もしないで外に出る。人数で言うなら30人と行ったところか。俺もリュウガもブチギレてるから1人も生きて帰れないだろうな。


「おい、出てきたぞ。お?あれって竜人じゃねーか?うっそだろwあいつ捕まえれば何億とか余裕で行くじゃねーか!鴨がネギ背負ってくるってこういうことだな!」


「流石っすね兄貴!仲間を呼んだ甲斐があります!」


「遺言はそれだけか?」


「竜の力、見せてくれよう」






「ちぇ、血まみれになっちまった。家の前がこんななの嫌なんだが」


「安心しろ。竜玉で全て片付ける」


「何だそれ掃除機みたいなこと出来んのか。俺の血も吸い取れるか?イリウスにバレねーようにしないとな」


「拷問に時間がかかってしまったな…最後まで本拠地を吐かないとは良い度胸をしている」


 結局全部潰すのは無理そうだ。イリウス達、長風呂しててくれてると良いんだがな。


ーーーーーーーーーー次回予告ーーーーーーーーー

「この子の名前…?僕が!?」


 謎の人物リュウガとその子供。どこから来たのかとか何でローディアにとか色々聞くことに。リュウガはケルトと肩を並べるほど強いそうだが本当なのか?

 マジマジ。こいつ馬鹿みたいに強いぞ。俺1回負けてるしな。


            次回「ーー名付けーー」

ちょっとでも、先が気になる!おもしろい!と思いましたらブクマ、感想などしてもらうとモチベになりますm(__)m

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