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第8話 ーークリスマス!ーー

「おっはようございますなのですー!」


「うお、急に飛びかかってきてどうした。おはよう」


 朝っぱらからケルトさんに飛びかかった僕。それに諸共せず抱きかかえて落ちないようにする。


「?12月25日ってクリスマスじゃないんですか?」


「クリスマス?あぁそんなのあったな」


「毎年やってないんですか!?」


「うちじゃあな。世間は毎年クリスマスだが俺らにとっちゃ100回目くらいのクリスマスだからな。楽しむやつも居ないし」


「そうなんですか…」


「だ〜が。今年はお前が居るからな!」


 そう言ってテーブルの上を見ると美味しそうな料理がいっぱい!いつもと違ってクリスマスっぽい料理だ。家の中の装飾もツリーがあったり風船があったりとにかくすごい!


「ハッピークリスマスだ!イリウス!」


「お前のために用意したんだ。楽しんでくれるとありがたい」


 僕は嬉しくて泣きそうだった。


「ほんっっっとにありがとうございま…」


 記憶が蘇った。何の記憶だろう…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

???「メリークリスマス!優斗!」


 周りにはクリスマスツリーやプレゼントがある。テーブルにはケーキが乗っていて蝋燭が刺してある。僕の目の前には顔だけ見えない人…


「やったーケーキだー」


 僕?喜んでる。


???「優斗はお利口さんだからきっとサンタさんも来るだろうな!」


「ほんと!?!?サンタさん来るかな!?お父さん!お母さん!」


 お父さんとお母さん………

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「イリウス?」


「あ、どうかしました?ケルトさん…」


 どうやらぼーっとしてたみたいだ。何の記憶か、不思議なことに特に思い出せない。


「いや、なんか顔色悪いぞ?大丈夫か?」


「はい、平気です…」(サンタさんって何だ?)


「平気なら良いが…」


 食べ始めようとしたケルトさんを止めて再度聞く。どうでも良いことかもしれないけど、これが手掛かりになるかもしれない。


「ケルトさん!その…サンタさんって…何ですか?」


「サンタさんか…えっと何だったかな」


「人間界にいる人間だな。神話と同じようなもので実際には居ない。クリスマスの夜に赤い鼻のトナカイにソリを引かせて子供にプレゼントを配ってるんだ」


「夢の無いことを…」


 トラさんが自信満々に説明してその様子にバクが引く。「もう少し夢をだな…」と叱り出した。ああなったら長い。


「何で急にサンタなんか?」


「いや…何でもないです」


 僕は蘇った記憶を纏めるので大変だった。何の記憶か分からないしお父さんとお母さんって…?


「さっきから変だぞ。そんなに嬉しくなかったか?」


「ううん。すごい嬉しいよ!みなさんありがとうございます!」


「良いってことよ!お前が喜んでくれて俺も嬉しいぜ!」


 僕らは置いてあった朝食をいただきますしてみんなで食べた。すごい量だったけど全部ちゃんと食べれた。僕はお腹がパンパンで動けなかった。


「あ、今日夕方出かけような。イリウス」


「ゲプッ。ふぁい」


 その後はお昼ご飯を食べ(少しだけ)、いつも通り勉強しておくと約束の夕方となり外に出る。


「やっぱり寒いですね!人がいっぱいです!」


「お前ら人間は寒いだろうな〜。ほれ」


 ケルトさんが自分がしていたマフラーを渡してくれるが僕は首に巻けない。だってケルトさんから貰った首輪があるんだから。仕方ないから首輪の下にねじ込む。


「お、ほら色々あるぞ?この時期は装飾はもちろん商品もクリスマスのやつ多いからな」


「ほんとです!良い匂いがいっぱいで〜す」


「晩飯食えるくらいなら食ってっても良いぞ」


「やったー!じゃあ、あれとあれとあれと…」


「おいおい食えんのか…?」


 僕はある程度我慢しつつクレープやらパンやらを立ち食い。お腹の容量を開けておくためにも少し食べてケルトさんに渡していた。


「寒いけど色々あって楽しいです!あ、」


 僕はあるケーキ屋さんを見る。ケーキが食べたかった訳じゃない。そのケーキの上には赤い服と帽子を被った白い髭のおじさんが居る。きっとチョコレートか何かで出来てるんだろう。それを見てサンタさんだと分かった。


「ん?どうした?ケーキ食いてーのか?」


「いえ、違います。これ、サンタさんじゃないですか?」


「んー?あーそうそう!こいつだこいつ」


(僕の記憶…何だったんだろう…)


「………もう帰るか?」


「はい!」


 僕は考え事を後にして家に帰ることを決める。


「たーだいまなのでーす!うわー!!!」


 僕が手洗いうがいを済ませてリビングに行くと大きなケーキがあった。天井に届いちゃうんじゃないかと思うくらい大きい。他にもチキンだったりピザだったりが置いてある。


「どうしたんですかこれ!すごい豪勢です!」


「全部手作りだ。ケーキは朝から仕込んどいた」


「へっへーん。トラと一緒に作ったんだぜ?絶対うめーからほっぺた落ちるぜ?」


「ほんとに美味しそうです!いっただっきまーす!」


 帰ってきて早々夜ご飯を食べた。どれもこれもとんでもなく美味しくて例えようが無い。ケーキも食べたがお店どうこうのレベルじゃなかった。


「ひゅい〜お腹いっぱいなのでふ〜」


「はっはっは!よく食ったな!美味かったか?」


「はい!すごく美味しかったです!ご馳走様です!」


 お腹いっぱいに食べた後はいつも通りお風呂に入り歯を磨いて寝る。今日は幸せだったな〜。いや、毎日幸せだな〜。明日も良いことあると良い…な〜。たくさん食べたせいかすぐ寝てしまった。

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