第80話 ーー能力の無駄遣いーー
第77、78話を見ればこの作品の設定とかを見れるのでおすすめしておきます!
「ふー快適快適。筋トレ後も涼しくて良いな〜」
「うにゅ〜…脳のキャパシティがオーバーヒートです…」
「んなに気にすることかよ。2つの部屋で同じ力を使ってるだけだろ?」
前回、僕は大量にある野菜を保存するため1つの部屋を涼しくすることになってしまった。それにプラスしてみんなのいるリビングにも同じ事をしなければいけない。1番面倒なのは、
「それだけなら全然…ではないですけど出来ます。問題は2つの部屋で温度が違うことなんです!」
「温度が違うって?」
「野菜達は冷蔵庫くらいの温度、僕は8度にしてます。一方リビングは26度です。ちょっとでも気を抜くとリビングが8度になりますからね!」
「そりゃあ勘弁だな…ってかそれならここの部屋の温度下げて良いぞ!まだちょっと暑いしな」
「そりゃあ暑いでしょうね。前まで24度だったので」
「ん?何で変えてんだ?」
「昨日言ったでしょう?神力が持たないのでリビングの方を調節するって」
「うげっ!そういう意味かよ…」
何かがっかりした表情を見せるケルトさんだが文句は言えないようだ。だが、問題なのはここからだ。僕は冷房になってしまっているので能力をろくに使えない。無駄遣いなんてしたら怒られてしまう。つまり……見所がない!!大問題だ。せっかくの魔法系バトルを描写する場なのに家でのんびりしてる話なんて誰が見たがる。どうにかしなくてはいけない。
「ケルトさん。僕思ったんです。こんな事に能力使ってるのって僕くらいじゃないかと」
「イリウス。俺思うんだ。こんなのでヒーヒー言ってんのってお前の神力増強修行不足なんじゃないかって」
「うっ……」
痛い所を突かれた。確かに最近修行をしていない。神力量も増えない。
「お前なら神力の増えもはえーはずだ。ちょいとやるだけでOKなんだぜ?」
「そんな暇ないですよ。みんなの冷房になってるんでね!!!」
「そんなに怒んなよ…」
プライベートの時間もないレベルだ。全くけしからないです!
「あ、さっきの質問だがな。能力の使い方って意外と変なやつ多いぞ」
「どんな人が居るんですか?」
「そうだな。例えば…シャーガとかだな」
「シャーガさんが?そんなわけないでしょ…ケルトさんよりずっとしっかり者なんですから」
「マジだぞ。あいつ海水使って部屋中囲ってんだ。水の部屋みたいなん作って冷やしてるらしいぞ」
「なるほど…でもそれって家に誰か来た時対処できるじゃないですか。あの人海水操るんですし…」
そんな会話でぐちゃぐちゃ言い合っていた。結局の所こうなった。
「おし分かった!流石にお前のプライベートまで侵害する気はねー!だから!全員居る時以外は我慢してやる!だが野菜の部屋だけはずっとやっててくれ!」
「…分かりました。それで良いです」
基本的に冷房代わりの能力は朝ごはん昼ごはん晩ご飯と午後や午前の時間だけとなった。まぁ1日中使ってた時よりは楽になるだろう。何とか戦闘シーン撮れそうだよ!
「じゃあ散歩行ってきます」
「おう、早めに帰ってこいよ。最近物騒な事件が多いらしいからな」
「はい!」
僕はそう言って散歩に出かけた。いつも通りの道だ。ケルトさんが言った通りなのかいつもより出歩いてる人が少ない。物騒ってどんな事件なんだろ?
「そこの君…こんな時間に出歩くなんて危ないよ」
「分かってるです!でも散歩しないと気が済まないんです!」
不気味なおばあさんが話しかけてきた。神力は見えないし能力者じゃなさそう。
「本当に気をつけるんだよ。最近ここら辺で変な遺体が見つかったんだ」
「変?」
僕は興味津々だ。ケルトさんから詳しい話を聞けなかったし丁度良い。
「そうさ。目ん玉だけが無かったんだ。生きたまま無理矢理目ん玉をくり抜いた噂まで立ってるほどさ」
「そ、そんなエグいことしてるんですね…目が…無い…?」
記憶。遠い記憶。忘れていた、いいや。忘れたかった記憶。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おとうさん!おかあさん!」
これは…僕?泣いてる。立ち尽くしてる。ここは、あの道路だ。お母さんとお父さんが死んじゃったあの道路。誰も乗ってない車に轢かれたあの事件。
「おかあ……さん………おとう…さん……」
あぁ、可哀想に。目の前で大切なものを失ったんだ。見たくない。でも見なきゃ。僕が思い出した意味を探って。
「目が…無い?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「坊や!!!」
「っは!え、えっと。何でしたっけ?」
「くれぐれも気を付けなさいってことじゃ!分かったら早く帰った方が良い!」
「わ、分かりました…」
あの記憶は何だろう。記憶を改ざんしちゃったのかな。でも、でも、
「もし犯人が能力者なら、辻褄が合う」
この時の僕は、恨みにかられていた。
ーーーーーーーーーー次回予告ーーーーーーーーー
「これは…僕だけの問題です」
突如として思い出した記憶。自分の両親を殺した犯人に迫る時。僕はひたすら恨みにかられて自分を保てなくなってしまう。そんな中救ってくれるのは一体誰?
僕だって…憎んでないわけじゃないんです。
次回「ーー過去の記憶ーー」
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