第76話 ーー他の世界へーー
「えいっ!」
僕は神力を使ってホールを作り出す。この先には僕が多分知らない未知の世界が広がっているんだ。
「この先に…」
僕は中に入ろうとするが迷う。
「で、でも…もし帰って来れなくなったら…あーでもぅ…」
好奇心と不安が行き来する。そこである記憶を思い出す。
(そういえばケルトさん達って行きたい世界に行けてたよな。でもみんなローディアに来たいと思って来たわけじゃないだろうし…)
もしかして自由に行きたい世界へと行けるのか?怖いけどケルトさんに聞いてみることにした。
「無理だぞ」
「えー、無理なんですか?」
「あぁ。普通はな」
「普通?」
「お前とご主人様は出来るぞ。四大神の憑き人だからな。俺とトラもご主人様のおこぼれみたいなもんもらって自由に行き来してんだ。まぁでも、1度は行かなきゃ2度はねーけどな」
「なるほど…つまり帰ってこれるってことですね!」
「…?もしかして別の世界行こうとしてんのか?」
「ギクッ!い、いやぁ…」
「気を付けて行ってこいよ。何かあったらすぐ戻ってこい。出た場所から遠くには行くな。ちょっとでも傷が付いたらその傷100倍に広げるからな」
(あれ?止めてこない?いつもなら危ないから行くな!とか言いそうなのに…)
僕は不思議がりながらも部屋に戻った。ホールはまだそのままだ。
「うーん…ちょっと怖いけど、行ってみるか!念の為浮いた状態で行こうっと!」
僕は未知を求めて、ホールの中へと入っていく。
「うーん…眩し…!!うわぁー!」
僕が来た世界は、自然豊かで、人の姿もなく、何より特徴的なのは…
「恐竜さんです!」
そう、恐竜がいるんだ。詳しい種類とかはわからないけど、とにかく大きくてすごい。
「こんな世界があるんですね!この世界に来ちゃう人もいるのかな…能力者とかじゃなかったら怖くて動けなさそう…」
僕はあくまで子供だし好奇心旺盛だから喜んでいたがいきなり来た異世界が恐竜の世界って…僕なら動けないな。
「今の所肉食恐竜さんは居なさそうです!フワフワ浮けるし草食恐竜さんの背中にでも…」
ブワっと大きな風が起こった。空を見上げると翼の生えている恐竜さんがたくさんいる。牙が凄いしもしかしたら肉食かもと思っているとこっちに向かってくる。
「え?こっち来てない…?嘘嘘嘘無理無理無理!」
地面に伏せて何とか避ける。再び上を見上げるけど完全にターゲットにされてる。
「うぇーんどうしよー!」
僕は逃げ回っているが空を飛んでいる相手から逃げれるわけない。そうしていると突然僕の周りが大きな影に包まれる。
「…え?」
再び上を見上げると空の恐竜さんは僕じゃなく上を見ている。太陽の輝きで何の生物か良くわからないが大きい事だけは分かる。羽の音がどんどんと大きくなってきてその姿がはっきりと見えるようになった。
「あ、あれって…もしかして…ドラゴン!?」
「グルルルル…グァァァァァ!!!」
ドラゴンの咆哮が響く。急いで逃げているが追いかけてきてるのが分かる。空の恐竜さんが攻撃してて時間を稼いでるみたい。
「ドラゴンなんて聞いてないよ〜!」
僕はとっさに森の中に入ってしまった。もう僕が来た所は見えない。遠くになってしまった。
「うぇーん!迷ったよー!あ、そうだ、空まで浮けば良いんだ」
やたら大きい木を伝って上に行き状況を確認する。空の恐竜が居ないかくれぐれも注意して。
「あ!あっちが帰り道だ!でもまだドラゴンが居る…うわバレそう!」
周りを確認していたようでチラチラと首を色んな方向に向けていた。その時丁度僕の方にも向いた。咄嗟に森の中に戻って体を隠す。バレては居なかったようだ。赤くて大きなドラゴンだった。
(うーんあんな所にドラゴンが居たら帰れない…戦う?ドラゴンと?無理無理…)
テレポートで何とかって感じだ。出てきた場所は丘みたいになっていて微妙に見えない。一気にテレポートは出来ない。草むらの中で色々迷っているとドスドスと足音が聞こえる。しばらく聞こえたが途中で止まった。意外と近くで聞こえたので少しだけ様子を確認…
(何か居る…?すんごい大きな足音だったけど…)
ちらっと草むらから顔を出す。さっきまでこんな岩あったっけ?と思いながら顔を上げると、目が合った
「こ、こ、これって…もしかして…ティラノサウルス!?!?」
また鬼ごっこが始まった。
「えっほ、えっほ!しつこすぎです!僕なんて食べてもそんなに栄養にならないですー!」
森の中での鬼ごっこ。僕は帰り道に向かって全力で飛んでいる。恐竜は大きいし木が邪魔なので距離が広がらない。
「さっきのドラゴンさんと戦わせればその隙に逃げれるかも!」
作戦通り僕は森から離れる。空の恐竜さんは全員やっつけたのかドラゴンは寝転んで休んでいる。が、ティラノサウルスの足音で目を覚ました様子だ。
「何とかこの2種がぶつかってくれれば…!」
ドラゴンは羽ばたいて何かをしようとしている。
「あれってもしかして…」
口を開いて息を思いっきり吸っている。僕が知っている限りだとああいう場合は…
「絶対炎吐いてくるやつ!僕も一緒にまる焦げだー終わったー………え?」
僕も一緒に燃やされると思ったが炎はティラノサウルスの方に一直線だ。それよりも驚いたのは、
「お、お腹に穴が空いてる…溶けてる…」
圧倒的な火力。マグマでも吐き出してるのかと思うほどだった。でもそんな悠長にしてる余裕はない。だってティラノサウルスが倒されたという事は…
「…!次は僕!?もう…やるしかない!来るなら来い!炎でも歪めて撃ち返してやる!」
「グルルルル…」
ドラゴンは顔を近付けて僕を見ている。神器も取り出して準備は万端だ。だが一向に攻撃してくる気配がない。しばらく見合っていると…
「え?ちょ、どこ行くの?」
バサバサと翼を広げて飛んで行ってしまった。
「え?えーっと…ありがとうごさいました!」
一応助けてもらった?ような物だしお礼を行ってすぐにホールを開いた場所に戻る。気のせいかドラゴンは右手を上げてお礼を受け取ってくれたように見えた。
「はぁはぁ…はぁーー…大変だった…」
僕は自分の部屋に戻れて一安心。あのドキドキはいつまでもわすれないだろう。帰ってきた事を伝えると同時に一部始終をケルトさんに話す。
「・・・それで大変だったんですよ」
「そうか…ドラゴンね〜。あの世界にドラゴンなんていねーぞ」
「え?」
「あの世界は時代が進んでねーみたいなもんで今だに恐竜で溢れてんだ。昔の時代にドラゴンが居たか?」
「いや….いないですけど…」
「んじゃ、別の世界のドラゴンだな。助けてくれるなんて、気前のいいドラゴンじゃねーか」
「そう…なんですかね…」
色んな世界があるんだな〜。ローディアみたいに別の世界の生物が迷い込む事もあるみたいだし、それでも全ての世界が崩壊してないのはすごいと思う。次はどんな世界に行けるかな。
ーーーーーーーーーー次回予告ーーーーーーーーー
「おさらいなのです!」
気付けばもう76話!ただでさえ1話に3000文字近く詰まってるのに最初から見るのは面倒だよ〜と言う人に必見!おさらいを見ればこの物語をここからでも楽しめる!
わーい!長ったらしい文章読むの苦手なので超ありがたいのです!
次回「ーーおさらいーー」
ブックマークやリアクションを貰うと喜びます(*^▽^*)下の評価ボタンから評価を付けていただくと励みになります(´・ω・`)<どっちも欲しいな…




