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第75話 ーー入れ替わり 後編ーー

「んじゃ、質問するぞ」


 前回のあらすじ。僕と偽物はバク、トラさん、ピルス君、シャーガさんの質問に答えて投票される。投票結果としては僕が負けている。最後の質問、ケルトさんからの質問で僕が5人の票を得られれば勝ちの状況だ。


「最後の質問だ。イリウス、お前は能力についてどう思う?」


「どうって…?」


「はいはいはい!能力のおかげでたくさんの人を助けれてすっごくありがたいです!僕みたいな非力な子供でもみんなに良いこと出来て最高です!」

(馬鹿が!こういう質問は先にそれっぽいこと主張すれば勝ちだ!俺の解答で後の解答は霞む!似たような事を言っても俺の勝ち!何よりこのガキは甘ったるいやつって情報がある!人を助けたいんなら能力があった方が良いに決まってる!)


「お前はどうなんだ?おっさん」


「…僕は…能力なんて、無い方が良いと思います」


(勝った!こんな理由に投票するやつなんていない。あの表情は諦めてるな。この身体はありがたくつかわせてもらうぜ!)


「なるほどな。2人とも答えたな。じゃあ投票だ」


 僕は目を閉じた。願ってるわけでも、諦めてるわけでもない。ただただ、信じていた。


「な、何で…何で…何で俺に誰も入れてねーんだよ!」


 結果は僕の5票取り。勝ちだ。


「何でっつってもな。それが俺らの知るイリウスだって話だ」


「ふざけんな!何が能力なんて無い方が良いだ!ありえないだろ!能力があれば人を救う事が出来る!何が違う!お前は人助けが好きなんだろ!」


 偽物は僕の身体で叫ぶ。叫ばないで欲しいが仕方ない。負けた方は死だ。


「その認識が間違えてるっつーの。イリウスは人助けが好きなわけじゃねー。困ってる人を見捨てれねーんだ」


「は、はぁ?どういう意味だよ…」


「お前なぁ。レベルの為ってのが見え見えなんだよ。ローディアはな、能力のせいで死人が絶えねーんだ。それは知ってんだろ?能力者同士の抗争で巻き込まれるやつだっているし、住処を失って困るやつも居る。みんなの幸せを願うなら、自分の能力で解決するよりも、能力自体無くしちまった方が良いだろ」


「ま、イリウス君らしい答えっすよね」


「とは言っても、我はそっちが本物だって分かっていたけどな」


「え?初めから分かってたの!?何でわざわざこんな事…」


 僕が全て言う暇も無くバクは弁解しだす。


「初めからではない。途中からだ。ほら、イリウス…ではなく偽物、何か気付かないか?」


「何かって…俺におかしな点なんてねーよ!」


「気付かんか。イリウスなら絶対にしないんだがな。首輪を外すなんて」


「あ…」


「僕が首輪を外す時なんてお風呂の時くらいです。汗をかいたからって首輪を外して、ましてや人に預けるなんて絶対しません!その首輪は…僕を救ってくれたから!」


 あのトラさんの行動。気が利いてるからいつもの事かと思っていたが、何か意味を持たせれる所流石といった感じだ。


「んま、とりあえず。お前、死ね。って言いたい所だが、イリウスを元に戻さなきゃな。おい、拷問されたくなけりゃあ素直に教えろや。楽に殺してやる」


「…教えねーよ。何よりもこの身体を傷付けんのはそのガキが傷付くのと一緒だぜ?痛みは俺が受ける事になるが、戻った時苦しむのは…グガァ!」


 僕の身体が…腕を折られて悲惨な事に…見てるこっちが痛々しい。


「言い訳はそれで終わりか?傷については安心しろ。イリウスが戻ったら治してやる。言っとくけどあいつ、俺のせいで痛みには強いぞ?」


「自覚あるんなら痛い事しないで欲しいんですが…」


「お、お前ら、、化け物が!」


「おいシャーガ、ピルス!イリウス連れて別の部屋行ってろ。ここから先は見せれねーしな。あ、偽物がその身体戻って逃げようとしたら捕まえろよ?」


「あ、はい」 「はい」


 とりあえず僕と2人は僕の部屋へ。いつも下からの視点だったから少し上になって変な気分。

 少し沈黙が続いた後、


「あの、2人は信じてくれてたんですよね?」


「勿論!」 「当たり前でしょ」


「ピルス君もシャーガさんもあっちの方に入れてた時ありましたけど…」


「バクさんが少しコンタクトをしてね。きっとゲームを楽しみたかったんだと思う。だからあんな問題だしたんだ….ごめんよ…後でケルトさんに殴られる覚悟は出来てる」


「シャーガさん悪く無いじゃん。バクは相変わらずだしそれでピルスくん…は…」


 唐突に訪れた眠気にやられる。多分倒れてしまったのか。目を覚ますと…


「………リウス………イリウス!」


「んにゅ?ケルトさん…?あれ、この声…僕…僕…戻ってる!!!」


 目が覚めるとそこにはケルトさんが居た。どうやら偽物も眠りに落ちていたらしい。


「ケルトさんー!こいつ、多分戻ったと思うんすけど…あれ?その身体は本物っすか?」


「久しぶり、ピルス君!」


「……良かった…」


 ちょっと目の下を赤くしたように見えたが、毛のせいで分かりづらい。とにかく元に戻れて良かった。


「…う…あぁ?あぁ…戻ったのか。全部終わりだな」


「そうですね。これでもう、終わりです」


「最後に良い思い出来たのは良かったぜ」


「……」


 僕は何も言えなかった。


「おいガキ」


「…?」


「人助けにも人は選べよ。いつか、痛い目見るぜ」


「…はい…」


 余計なお世話なんて思わなかった。あの人は、良くも悪くも、頭が良い人だったから。




「みなさん、信じてくれてありがとうございます」


「当然のことぞ!お主が本物だなんてとっくに分かっておったからの〜」


「そういやシャーガ、ピルス。話があるんだが」


「待ってください!シャーガさんは悪くないです!バクがゲームを面白くとかしようと…」


 なぬ!?とバクが小さい声で言っていた。


「あ?いや、別にそれは良い。それよりも、ありがとな。イリウスを連れて来てくれて」


「い、いえ。このくらい当たり前のことです」


「そうっすよ!イリウス君とは立派な友達っすから!」


「2人とも…」


 僕は2人の優しさに感動して心が昂った。


(あの人も、こんな風にしたかったのかな…能力なんて、無ければ良いのに)


 心からそう思う。


ーーーーーーーーーー次回予告ーーーーーーーーー

「うーん…眩し…」


 最近ローディアにも飽きてきたイリウス、別の世界に行ってみようと覚悟を決め行った先は恐竜の世界だった。普通は体験できないようなことを体験するため旅だったイリウスの運命は?

 好きに行ってもらって構わねーけど怪我だけはしてほしくないな。それより俺ら獣人の先祖って何だ?


          次回「ーー他の世界へーー」

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