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第74話 ーー入れ替わり 中編ーー

「今回も始めていきましょう!ドキドキ!どっちが本物のイリウスでしょう!?パチパチパチー」


「ふざけてないで真面目にやってほしいです…」


        前回のあらすじ

 突如として出会った謎の能力者。僕は何も警戒せずに気付いたら…入れ替わってるー!?何故か身体が入れ替わっていた。能力者の能力なのは確定しているが僕にはどうすることも出来なかった。そんな時にピルス君とシャーガさんに出会い、説得して僕の家へと行くことに。ケルトさんを説得しようと試みた所で今回へ移る。


「あのぉ。どこからどう見ても僕が本物じゃないですか?てかそのおっさんが僕を名乗るとかありえないんですけど…」


「この偽物!早く僕の身体を返せ!」


「まぁまぁどっちも落ち着け。我々も困惑しておるのだ」


 今の所ピルス君とシャーガさんは信じてくれてる。問題はバクとトラさんとケルトさんだ。あの3人は簡単には説得出来ない。


「とりあえず、判断基準が必要ですね。どうします?」


「そうよの〜。我としてはイリウスにしか出来ぬ事や知識くらいでしか判断しかねない。知識に関しても、相手の記憶が見れたりしたら怪しい所だしの。」


「なら、何かしらやらせれば良いんじゃないですか?俺らはイリウスのこと誰よりも分かってるんですから」


「そうだな。丁度5人いるし、得点形式にするか」


「待って待ってなんかゲーム始めようとしてないですか?僕超ピンチなんですけど!?」


「うるせーおっさん、かイリウス。判断基準が曖昧な時点でまともに出来るわけねーだろ。まぁ本物なら何の問題もねーよ」


(まずいな。まさか本体が仲間を連れてここに来るとは。ある程度の情報は持ってるがそれでも知らない事もある…これに関しちゃ運ゲーだな)


 ケルトさん達は机を退けて椅子だけ置いている。5人が座って面接みたいな状態になり証明ゲームが始まる。


「我々が質問するからそれにイリウスらしく答えてみろ。どっちが本物のイリウスか、正しいと思った方に一人一人票を入れろ。最終的に票が多かった方の勝ち。少なかった方は偽物だ」


「……分かりました。やってみせます!」(勝ってこの身体は俺のもんだ!)


「絶対に負けません!」(僕の身体を取り戻すんだ!)


 僕の生死がかかった地獄のゲームが始まる。


「では最初は我からだ。イリウス。お主が3番目に得意とする技は何だ?」


(いきなり難問…僕自身でもどれの方が得意なんて考えたこともなかった…って言うかこれじゃどっちがみんなの納得する答えを出せるかのゲームじゃん!)


(確かこの身体の能力はビームと歪みだったか?ビーム系の技だと(おり)が有名だが…歪み系の技は聞いた事がない…俺の選択肢ははなから一つか…)


「では、答えてもらおうぞ」


「囲」 「僕が歪み(トウメイ)!」


「おぉーさっそく別れたな。囲と言えばビームを無茶苦茶な動きで相手を翻弄させつつ閉じ込める技。その後に特大のビームを喰らわせるえげつない技だな。トウメイの方は光の屈折を云々カンヌンで透明化させる技だったな。これは迷っちまうな〜」


(迷っちまわないですよ!囲なんて1番得意に決まってるじゃないですか!3番目ですよ3番目!)


「では、皆のものはどこに入れる?」


 全員が一斉に指を刺す。僕の方に4人、能力者の方に1人だ。


「ピルス君!?」


「あーっと…囲って難しそうだから得意な方じゃないかもなって…」


(うぐぅ…まぁ良い。とりあえず4票は獲得できた。この調子で行けば問題ない)


 僕は5人を信じながら次の質問を待つ。


(まずいまずいまずい!このままじゃ負ける!頼むから俺でも分かる問題出してくれよ!)


「次は俺が出そう。ん?イリウス、汗が凄いぞ?」


「え?えーっと、ちょっと焦っちゃってえへへ〜。本物が負けるなんてありえないですからね!」


「ほらタオルだ。首輪、預かるぞ」


「あ、ありがとうございます〜」


「じゃあ続けるぞ。これは早押しのような形式でいこう。イリウス、お前が神に貰った花は何の色だっ…」


「緑!」


 答えたのは、僕の身体の方だ。


「正解だ。よく覚えていたな。」


(何でそんなの知ってるんだ!?まさかあいつ…)


(そのまさかだよガキが。俺はこの身体にいる時間が長くなれば長くなるほど記憶まで覗けるようになる。今はまだ短いから少ししか見れないが、花の色くらいは予習済みさ!)


「では、投票だな」


(うぅ…終わった…)


 どっちに指が刺されてるかなんて見る前から分かってた。僕は目を瞑っていたが勇気を出して開けてみる。すると、僕の方に1人だけ指を刺してる人がいた。ケルトさんだ。


「ん?ケルトさん、間違えていませんか?」


「間違えてねーぞ。イリウスなら、質問は最後まで聞く。そういうやつなんだ、あいつは」


 ケルトさんの微笑みからは、僕への信頼が感じ取れた。気付いてるんじゃないかと思いながらも、絶対に勝たなきゃという思いで次へ挑む。


「おいピルス、お前が出せ」


「お、俺っすか?あーじゃあ…イリウス君が初めて俺と2人になった時、辞書で調べた言葉は?」


(あれ?何だっけ?問題が微妙すぎるよピルス君!てかこれなら記憶覗けるあいつ有利じゃん!)


(くっそ!後の話すぎて覗けねー!でも確かピルスとイリウスには仲の悪さが垣間見えたはずだ。でも今は仲が良いってのにも関係しそうだ。そういやこのガキ、ピルスが初めての友達だったよな?そこから導くに…)


「では、答えを」


「「友達」」


(被ったー!!やっぱり覗かれてるのか…)


(良かったー!!何とか正解みたいだ!流石俺!頭良い!)


「どっちも正解っすね…」


「判断のしようがない…投票は無しでいいな」


(とりあえず難は逃れた!まだ俺の勝利はある!)


「シャーガ!」


「は、はい!えーっと、では。イリウス君、神様が見えるんだよね?俺の神様は、何の神様?」


「え…」


(教えてもらったことないですよ!!!見えるって言ったって人間みたいな神様とか獣人みたいな神様っていう姿だけであって何の神様かまでは分かりませんよ!)


(ここに来て余裕の質問だ!あのガキと被る可能性もあるが、同点なら最後に賭けられる!)


「じゃあ、答えてみろ」


「う、海の神様」 「波を司りし神様」


「イリウス正解だー!」


 目の前が眩んだ。間違えてしまった。何も聞こえない。何も見えなくなっていく。この場において間違えるなんて…


「では、投票よの」


 負けだ。今は同点、これで5人とも偽物の方を指差すだろう。そうしたらもう勝ち目はない。


「おっしゃー!勝ち確ー…ん?ケ、ケルトさん?何でそっちを指さしてるんですか?」


「え、」


 人生にさよならを決めていたそんな時、ケルトさんだけは、僕を信じている。


「だってよぉ。神の種類なんて忘れるもんだろ。後イリウスは神が見えるだけで種類までは分からねーぞ」


「なるほど…でももう投票してしまったからの〜。決まりは決まりだ。それにシャーガとやらがその問題を出したのならイリウスも知っているはずなのではないかの?」


「た、確か教えたはずです…」


(教えてもらってないです…)


 どちらにせよ次で全員を引かなきゃ負ける。殺される。まだチャンスはある。この質問に全てを賭ける。

             長くなるので続きます

             〜To Be Continued〜

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