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第70話 ーー参加者は全員 前編ーー

 何も無い1日。暇だけど事件は起きて欲しくないと思いながらも暇なのが苦痛に感じる。セミがミンミン鳴いているが風情は感じられない。


「あ、イリウスー。今日煌牙組の集会あるぞ」


「ふにゃ?そうなんですか。何時に家出ますか?」


 のんびり過ごしている中急に予定が出来て興味津々だ。


「それなんだがなぁ…俺ちょっと出かける用事あるから直行しちまう。そんでいつもの場所じゃなくて隣町だから電車で行ってくれ。5時からだから3時半には出てくんだぞ」


「むー…」


「あーもう悪かったから…」


 一緒に行きたかったのにと顔をムッとさせる。ケルトさんも申し訳なさそうに僕の頭をポンポンと撫でる。

 時間は来てケルトさんは出かけてしまった。そのまま3時半となり、


「本当に1人で平気か?ネクス町までなら我が送って行くぞ?」


「平気だよ!僕だって立派な能力者だし、ピルス君とあっちの駅で待ち合わせしてるから!」


「そうか…トラ!駅まで送っていってやってくれ」


「え?平気だよ全然」


「備えあれば憂いなし。早く行かなきゃ電車が出てしまうぞ」


 トラさんはちゃちゃっと靴を履いて行く気満々だ。こうなったら送ってもらう以外無いのでしっかりと送ってもらう。バクに笑顔で行ってきますと言い僕らは外へと出た。周りを見てみてもトラさんといる時とケルトさんといる時では全く違う。


「トラさんって何か…怖いんですね」


「人が寄りつかない事を言ってるのか。仕方あるまい。身長も体格もケルトよりでかく見えるからな。実際はケルトの方が力持ちなんだぞ」


「そうなんですね!トラさんも凄いと思いますけど」


「お前は優しいな。その優しさを潰そうとする輩は絶対に許せんな」


「あはは…あんまり殺しとかはしないで下さいね…」


 2人っきりで話す事が少なかったのもあり、楽しくて時間はすぐに過ぎていった。駅に着いた後、トラさんにも行ってきますを言って駅内に入って行った。


「えっと、ネクス町行きはあっちだね!ってもう出ちゃうじゃん!急がなきゃ!」


 僕は走ってホームに向かった。電車はまだ止まっていてギリギリで乗ることが出来た。


「はぁはぁ…よし!何とか乗れた〜」


 周りをチラチラと見回してみると席が空いていたのでポンと座る。


(疲れちゃったな…ちょっとだけ目瞑ってよ…)


 僕は動いた事による疲れから眠気が来てしまった。でもネクス町まで時間が無いから寝れない。しばらく目を瞑っていると、バタッという音で目を覚ます。


「え?えぇぇ?大丈夫ですか?誰か救急…え?」


 よく見ると、全員倒れている。息はしているが目を覚ます様子はない。


「な、何これ…誰かの能力か!?」


 何が起こってるのか周りを見渡すとある事に気付く。電車の中でも上の方に赤黒い煙が溜まっている。


「何あれ…ガス?いや、様子が変…線で確かめるしかないか」


 目に神力を溜めて線を見るとやはりその煙は能力だった。線は上の方に繋がっている。


「上?外にいるって事?どうやって立ってるんだ…うっ!」


(目眩?何で…って言うか眠い感じだ…まさかこれが能力!?僕が影響を受けなかったのは身長が低いからガスが届かなかったのか…窓…開けなきゃ…)


 僕は今にも瞑ってしまいそうなまぶたを力一杯開けて窓に向かう。


(ダメ…硬すぎて開かない…ごめんなさい…!!!)


 僕は窓ガラスを歪めて破壊する。外の空気を吸うとすぐに眠気がどこかへ行く。


(悪いけど、全部壊す!)


 僕の乗っている車両全ての窓を歪ませて破壊する。他の乗客達は起きる気配がない。


「みんなガスを吸いすぎてるな…でも所詮は能力。その内平気になるはず。それより能力者を探さなきゃ」


 僕は怖がりながらも窓から外に出ようと決意する。電車の速度的にも前に飛びながら出ないと置いてかれる。


「えい!」


 勢いよくジャンプして電車の窓の縁に捕まる。痛かったけど気にしてられない。そこからテレポートで上に登る。空気抵抗が凄すぎて簡単には立ってられない。イモムシみたいになりながらでも前に進む。風のせいで目が開けづらいけどうっすらと人の姿が見えた。


「そこの人!あなたがこのガスの本体ですね!今すぐ辞めてください!」


「?…窓を割ったのは君か。そっか。俺のガスは空気より軽いから身長が低いと効果が薄くなるのか。まぁ良いや。どうせ君1人しか助からないし」


「どういう事ですか!」


「ま、そのうち分かるよ」


 話してる間に神力で壁を作り空気抵抗を減らす。何とか立ち上がってその人を見る。種族的には獣人なのかな?ガスマスクをしていて耳だけ見える。耳からして猫科だ。人獣かもしれないし詳しくは分からないけど敵なのは確かだ。


「良いからガスを止めてください!」


「嫌だね」


「何が目的なんですか!」


 ガスを止める気は無いようだ。自分には関係ないと言ったように答える。僕の問いに少し考えて話し出す。


「そうだねぇ。この電車、能力者がたくさん乗ってるでしょ?もし全員殺せたら…レベルが上がると思えない?」


「あなた…能力者じゃない人だって居るんですよ!それにこんな人数巻き込んだら警察も黙ってないです!」


「大丈夫大丈夫。この量のレベルが入ればすぐ神になれるだろうし。このまま終点までレッツゴーだ」


 流石の無神経さに僕も虫の居所が悪い。


「絶対にさせません!」


 相手が誰だろうと、手加減は出来ない。

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