第65話 ーー適正トリゴンーー
「・・・って感じで、祈ることで自身の神力量を上げることが出来るんだよ」
「なるほど!師匠ってやっぱすげーや!」
暑い夏の日。僕はこの前出会った小学生3人組に指導をしている最中だ。この子達は幼いながら神に選ばれてしまってまさにピンチの状態だ。
「そういえばお母さんはどう?治った?」
「えっへん!母ちゃんの病気、手術したら治ったんだ!犬のおじさんがお金くれたおかげだよ!」
たくみ君は嬉しそうに話してくれた。何とか助かって良かったと一安心だ。
「本当にありがとうございます…」
「俺らからもなんかお礼しなくちゃな!」
りょうや君となかべ君も嬉しそうだ。本当に仲が良いんだな〜
「お礼なんて要らないよ。ケルトさんも好きでやっただけだろうし」
「そんなわけにはいかないよ!母ちゃんを助けてくれたんだ!」
「う〜んそうだな〜」
こういうのはケルトさんに言わず適当に返せば良いが…
「じゃあ、無差別に人を襲うような悪い能力者じゃなくて、みんなを守ってあげれるような能力者になってね」
「ん?それが普通じゃねーの?」
「普通じゃないよ!世の中の能力者はみんなレベルの事しか考えてないの!だから仲間とは思っちゃいけない、いつでも戦える準備をしてなきゃいけないの!五芒星のマークも見せちゃダメ!分かった?」
「「「はーい!」」」
小学生だろうが能力者は能力者。レベルを奪うために殺そうとする輩は絶対に現れる。せめて後悔しないように教えれることは教えてあげたい。
「そういえば師匠!」
「ん?何?」
「能力者ってさ…バランス悪くない?」
「えーっと、どういう意味?」
「えっとねえっとね。例えば、師匠みたいにビームとかビューンって打つ能力と、剣とか振り回す能力ってさ、ビーム打ってた方が強いじゃん!」
「え?ま、まぁ確かに…」
「師匠はさっきバランスが成り立つように設定?されてるとか言ってたけどそれだとダメじゃね?」
「う…」(意外と核心付いてくるなこの子…でも言ってる事は正しい…バランスは成り立ってるはずだけど能力の種類で強さが変わっちゃう…)
神様が嘘を吐いた?とか悩んじゃう僕だが、りょうや君が仮説を立てる。
「それってさ。近距離での攻撃と遠距離での攻撃って事だよね。だとしたら当たり前なんじゃない?」
「ん?全く理解できないぞ?」
「だからさ、拳銃しか扱えない人と剣しか扱えない人、何も無い所で戦ったら拳銃の人が方が強いと思うけど、隠れるところがたくさんある場所だったら剣の人が勝つんじゃないかな?」
「状況によるってことと、師匠の場合だと遠距離は強くても近距離は弱いってことか」
「そゆこと。それだと師匠の言ってたバランスって言うのも成り立つと思うな」
「なるほど…その仮説は正しいかもね。どこかに優れていればどこかで劣っている。それによる能力の差を埋めるのは本人の実力次第…か」
「そう考えると、俺らってちょーバランス良くね?」
「確かに。遠距離の人は僕が封印させれるし」
「俺のロケットでどんな敵もこっぱみじんだしな!」
「それならもうちょっと強くなろうね。特になかべ君。君の能力は使い方によって天と地の差が出る。上手く使えれば君はすぐ最強の能力者になれる」
「まじで!?俺めっちゃがんばる!」
「えー師匠ー俺は俺は?」
「えっと…僕もアドバイス欲しい…」
「はいはい、順番だよ〜」
とりあえずこの後色々話して終わったが、バランスに関してはまだ謎が解けていなかった。
「ケルトさん。能力…と言うか戦いのバランスについて質問があります。良いですか?」
「おう、構わんぞ。何が気になるんだ?」
「僕ら能力者はそれぞれ能力と、人によっては神器を授かります。そのバランスがおかしいんじゃないかって話です。僕の場合だと、ビームが打てるのが遠距離に属する攻撃手段です。基本的に遠距離は近距離に強いはずなんですが…僕の場合は神器が剣なわけです。剣は近距離に属する攻撃手段です。それだと僕って最強の類なんじゃないですか?」
僕の長すぎる話に半分凍結状態のケルトさんが頑張って話し始める。
「ようするに、俺つえーってやつか」
「全然違うんですけど…」
「いきなり入って失礼するが、トリゴンの事ではないか?」
「あートリゴンか!なるほどな。そりゃあ確かに不思議がるのも無理ねーわ!」
「えっと…トリゴンって?」
バクが入ってきてトリゴンとやらを口にするとケルトさんも妙に納得した様子だ。
「つまりはな、能力者は3つの属性に分けれんだよ。
1.能力型 これはそのまんまだな。基本的な戦いが能力かどうかって話だ。イリウスの場合だとこれが1番かもな。
2.身体型 こりゃあ俺が1番だな。能力が身体強化タイプだったりしてもこれに当てはまるな。基本的に神器が無い
3.神器型 これはご主人様が近いな。基本の戦いが神器を使ったものかどうかって事だ。ご主人様はナイフ投げたりしてんだろ?」
「なるほど…でもバクは能力も使ってるよ?」
「そりゃあこれから話すぜ。このトリゴンの使いやすい所はな、1は2に、2は3に、3は1に強く出れるってとこだ」
「つまり僕が苦手なのは神器型?」
「そうだ!だがお前の言った通り一丸にどこの属性か決められない奴もいる。だからまた分担されんだよ。
神器と能力の多用が『神器能力型』
身体と能力の多用が『身体能力型』
身体と神器の多用が『身体神器型』だ。」
「バクは神器能力型ですね!」
「基本的にはこれで終わりだが、一応数値化とかも出来んだぜ。俺の場合だと1-8-1みたいにな。最大を10と考えてだぜ?」
「僕!僕の場合だとどうなりますか?」
「7-1-2とかじゃねーか?まぁこれから変えることも出来るしな。ちなみに1番バランスが良いのはトラで、3-4-3だな」
「なるほど!やっぱりそれなりの判断材料って用意されてるんですね!バクは神器能力型ですけど、神器の方がたくさん使ってるから身体型が苦手ってことなんですよね?」
「そうだ!よく分かったじゃねーか!偉いぞ〜!」
ケルトさんは理解できた僕をめちゃくちゃよしよししてくれた。まだまだ知らないことだらけだな。でも僕は身体型が得意で神器型が苦手って事覚えとこ!あれ…?ケルトさんって身体型だよな?僕手も足も出せてないんだけど…やっぱりケルトさんは異次元だな…




