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第59話 ーー夏といえばーー

「おーいイリウスーって。またそんな潰れてんのか」


 夏の初め。暑さで言えばそこまでだ。布団も変えて、服も変えた、しかし問題があった。


「僕の部屋…日の当たりが強いです…」


 僕の部屋は一階。来た時からカーテンが無かった。冬は暖かくて丁度良いと思っていたが夏になってこんな弊害が来るとは…


「ったく文句ばっか抜かしやがって。皮でも剥げば涼しくなるんじゃねーか。やってやろうか?」


「冗談でも言わないで下さい!カーテン欲しいです〜」


「カーテンか………ん?カーテン無いのか?」


「見れば分かるでしょ〜」


「確かに…初めからか。買ってくるから待ってろよ」


「はい〜」


 とりあえず買い行ってくれるらしい。喉が渇いたからリビングへ向かう。


「ん?トラさん達庭で何やってるんだろう」


 何かしている。竹?を並べている。そういえば見た事がある。流しそうめんと言ったか、竹とかに水を流してそこにそうめんを乗せる。それを掴む遊びながら食べれる物だ。


「バーク。何してんの?」


「ん?イリウスか。流しそうめんの準備だ。夏も本番になると、ケルトとトラが潰れるからな」


「本当はもう少し遅くにやらせてあげたいが…外でやるから暑さに耐え切れなくなるんだ。獣人は毛が多いからな」


「なるほど。でも最近は暑そうじゃないですよ?」


「我慢してるんだ。本当は冬の方が過ごしやすいがな」


 確かにトラさんは冬より元気がない。僕が外行ったら日傘を差してくれたり気が効く所は変わらないが。


「僕も手伝います!」


「助かるの。ではこの竹を持っていてくれないか?くっつけるから」


「うん!」


 僕は神力を使って竹を浮かせる。バクは一瞬戸惑ったが、まぁ良いかとため息を吐きくっつけ始めた。それからしばらく経って


「完成ー!我ながら良く出来ました!」


「あぁ。よく手伝ってくれたな。後でお礼をしよう」


「やったー!トラさんからのお礼だー!」


「ははは。期待しすぎない方が良いぞ。そやつ、少しズレているからな」


「そ、そんなことないでしょう!?この前の置物も…」


 トラさんはぶつぶつと何か言っているが、バクのでも嬉しかったぞと言う言葉で黙る。


「ただいまー!イリウス!買ってきたぜー!お、完成したんですか?」


「あぁ。イリウスも手伝ってくれてな。昼飯はそうめんだな」


 そういう事でお昼までに竹の道を完成させてお昼に流しそうめんを実行だ。


「もう!ケルトさんとトラさん取りすぎです!ちょっとは僕に回してくださいよ!」


「へーだ!じゃんけんに負けたお前が悪いんだよ!」


「少しくらい我慢せい。我も全く食えていないんだ…」


「うぅ…よく考えたら反応速度でこの2人に勝てるわけなかった…」


「そんなに食いたきゃ実力で勝つんだな〜」


 むしゃむしゃと食べながらそう言うケルトさんに腹が立ち、最終手段を取る。


「そうですか、実力ですか。分かりました。こっちも手段を尽くさせていただきます!」


 僕は距離の歪み(テレポート)を使ってケルトさんの少し前と僕の少し前を繋げる。


「おいずりーぞ!」


「ふんっ!実力でーす!」


 純粋な言い合いになっていたが、どんどん発展してちょっとした戦いになった。


「やっと食べれたの…」


 僕とケルトさんに挟まれたバクはある意味不運だったのかもしれない。交互に人を配置すると言うことで何とか解決になった。

 僕が流す番になり、そうめんを流すが空気が違う。


「おい、そりゃあ俺の獲物だぞ?」


「はて。あまりに鈍いから要らないのかと思ったな」


「んだと?」


「争いなんて醜いぞ。実力で黙らせてみろ」


「あぁやってやるよ。早く流せ!」


「え?は、はい」


 ケルトさんとトラさんがまた言い合いになってる。バクは一周回って仏みたいな顔をしている。


「おらぁ!」 「貰った!」


(す、すごい!ケルトさんとトラさんがそうめんを取り合ってる!?そうめんはそこまで硬くないから切れやすい…つまり!2人とも持てる最低限の力で取り合ってると言うこと!どれだけ繊細な力が必要なんだ!?)


「良い加減諦めやがれ猫科なんだからよぉ…」


「猫科かどうかは関係ないだろ犬ッコロがぁ…」


 睨み合いがすごい…こっちまで圧が来る…何でこんなことで争ってるんだ…


「はーいバク流すよ〜」


 バクが何も出来なそうにしてたので僕は続けて流した。それに気付いたバクはスッと取ってツルツル食べている。


「美味いの〜。目を瞑っておけば気にならんものよの〜」


「僕も食べたい!バク流して!」


「ほいほい、たっぷり食べると良い。育ち盛りだしの」


「さっさと離しやがれ雑魚虎がよぉ…」


「こっちのセリフだ雑魚犬がぁ…」


 一つのそうめんの束を取り合ってるケルトさんとトラさんを横目に、僕とバクは流しそうめんを楽しんだ。

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