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第49話 ーー意思ーー

「それで…何でフリスビーなんて持たされてるんですか?」


「ちょっとだけ調査しなきゃいけねーからな。それを投げて使い魔に取ってこさせろ。単純だろ?」


 僕はケルトさんに渡されたフリスビーを眺めてスキューへと目をやる。


「スキュー。これを投げるから、取って来れる?」


「ンゴ!」


「じゃあ行くよ?取ってこーい!」


 僕がフリスビーを勢いよく投げると遠くに飛んでいく。しかし、すぐにスキューがキャッチして戻ってくる。スキューがフリスビーを僕の目の前に差し出して取るのを待ってるみたいだ。また投げて欲しいのかな?


「遊びたいの?」


「ンゴォ!」


「分かった」


 僕が手を差し出すと、そこへ丁寧にフリスビーを置く。そして僕が投げるまで待っている様子だ。


「取ってこーい!」


「ゴォ!」


 ちらっと後ろのケルトさん達の様子を見ると、苦い顔をしている。間も無く僕に話をしにきた。


「イリウス…やっぱそいつ普通じゃねーよ…明らかにおかしいぞ。お前はフリスビーを取ってこいっつったんだ。お前の手の上に乗せろとか、お前が取るまで待つとか、意思がねーと出来ない事してるぜ」


「スキューは特別なんですね!やっぱり僕って凄いんです!」


「どちらかといえば…誰かの能力の可能性も否定出来んのだ。もし、本当に使い魔に意思があるとしたら神が黙っていないだろうしな」


「意思を持っているかの判断がしづらい、とかですかね?」


「それもあるだろうがの…」


 バク達が深く考えている中、スキューはフリスビーを持ってくる。表情は分からないし、目しかないようなものだが、楽しそうなのが伝わってくる。


「まぁ、戦ってみるのが1番手っ取り早いよな?イリウス」


「え、えええ???本気で言ってるんですか!?」


「俺は本気だぜ。そいつに意思があるんなら、想定外の動きをしてくるはずだ。いつもよりは楽しくなりそうだしな」


「うむ、それもありだな。どっちにしろ、イリウスに使い魔を使った戦闘を教えなければいけなかったしな」


「うぇ〜ん僕の休日が〜」


 せっかくのんびり出来る日だと思ったのに結局修行だ。でも僕自身もスキューの正体は気になっていた。仕方がないからやることに、


「んじゃ、行くぜ。スキューって言ったな。そいつに命令しとけ」


「はーい。スキュー、あのケルトさんを狙って!何が出来るのかよく分からないけど…とにかく戦って!」


「ンゴォォォォ!!!!」


 スキューが雄叫びを上げたかと思ったら、急にビームを撃ち始めた。そのビームをケルトさんは楽々とかわす。


「はは!面白いな!そいつ!お前のビームすら使えるのか!」


 かわしていたケルトさんだが、突然曲がるビームに掠ってしまう。


(イリウスの技が身についてんのか。それとも今考えついたのか?どっちにしても危ないやつだな)


 スキュー1人に戦わせるわけにいかないので、僕もビームで応戦する。2人のビームは一斉にケルトさんへ向かうが当たる気がしない。


「やるしかない!(オリ)!」


「ちっ、また受けちまった」


 相手をビームで閉じ込める技、囲を使い何とか一度動きを止めることに成功した。


(う…でも、時間が足りない!威力の高いビームを打つにはもっと時間が無きゃ…)


 途端に囲の下から特大級のビームが舞い上がる。


「ンゴォォ!!」


「え?スキューがやったの?」


「ンゴンゴ」


「ありがとう!そんなことも出来るんだね!じゃあ追撃行くよ!」


「ンゴ!」


 見事に決まった囲。僕が出来なかった必殺技を2人でこなせたのがひたすら嬉しかった。ただ、そう簡単にも行きはしない。


「中々じゃねーか。効いたぜ、あぁ大分効いたぜ。だがな、お前のビームには相手を怯ませる効果はねー。瞬時に移動されちゃあ返り討ちに合うだけなんだ、よ!」


「うわぁ!!………え?」


 気付くと後ろに居たケルトさん。体から煙が出ているし、確かにダメージは入っているが再生の方が上回ったんだろう。そのまま殴られて終わりかと思ったその時、


「ス…キュー?」


 スキューが僕の目の前に来て庇ってくれた。殴られたスキューの身体は土人形のようにポロポロと崩れている。中身は空洞のようだ。


「そんな…!スキュー!」


「ンゴォ…?」


「安心しろよ、使い魔は死なねー。呼び戻せばまた戻るぜ」


「そう言う問題じゃないんです!スキューは…スキューは…」


「んな事より。ご主人様、今こいつイリウスの事守りましたよね?たまたまじゃないですよね?」


「あぁ。これは確実に、『意思』がある」


「なぁ、まだ動けんだろ?やろうぜ、続き」


「ン…ゴ!」


「ダメだよ!動かないでスキュー!命令だよ!動かないで!」


「ン…ゴォ!!!」


「な、何で聞いてくれないの?僕の使い魔なんでしょ?聞いてよ!」


「良い覚悟してやがんな!行くぞ、スキュー!」


 ケルトさんが崩れそうなスキューに突撃しようとした途端、聞いたことのある声がその場を取り仕切った。


「そこまでだ」


「ぐっ!」「ンゴ!?」


 その声が響いた途端。どちらも動きが完全に止まった。スキューの方は身体が戻っていっている。


「その声は…生神様!?」


「久しいな、イリウス。分かってるとは思うが、そこの使い魔についてだ」


「何!?そこに神が居るのか!?」


「うん、居るよ。スキューについてだって」


 やっぱりバク達には見えないんだ。そう思っている内に生神様はスキューの目の前に来た。


(くっそ動けねー!何だこれ、まるで全部の方向から圧力で潰されてるような感じだ!身体が重い、指の一本も動かせねー!こんなの神力でしか出来ねーはずだ!どんだけ神力量が多ければ出来んだ?)


「ン、ンゴ?」


 スキューは動けるようになったのに気づき、手をにぎにぎしている。


「とりあえずその使い魔の動きは制限しない。ケルトは少し危ないからな、しばらくあのままだ」


「可哀想なケルトさん…」


「イリウスには話さなければならないと思ってな。まず、意思の話だが…私が原因ではない」


「どう言うことですか?」


 神様以外なら誰が使い魔に関われるんだ?そう思って首を傾げるが、どう言うことなんだろう。


「私ではなく、私の一つ前…つまり初代である生物を生みし神と言うことだ」


「初代…そっか、生神様は2代目ですもんね。僕で3代目…」


「そうだ。初代である生物を生みし神は、意思のある使い魔の研究をしていたようでな、途中で断念したようだが、そのパーツがそこの使い魔の中に入っているんだ。分かっているだろう?出しなさい」


 生神様はスキューに手で渡せとアピールするが、スキューはプイとどこかを向いてしまう。


「おい貴様!誰が産んでやったと思っているんだ!早く渡せ!」


「ンーゴゴ」


「全く何とも言うことの聞かんやつだ…」


「えっと…多分名前を呼んで欲しいんだと思います。使い魔じゃなくてスキューって」


「そんなわけ!…確かにそうかもな…スキュー、お前の中にある部品を渡しなさい」


「ンゴ!」


 生神様がそう言うと、スキューはお腹に手を入れて(?)ハート型の何かを取り出す。


「これが意思を宿す部品だ。だが未完成でな、今も変わっておらん。何故スキューに意思が宿ったのかも分からんし…考えられるのは、お前、イリウスしかおらん」


「ぼ、僕ー!?!?!?」


「そうだ。詳しい事は初代に聞くしかないが、今こうやって部品を外している時もスキューには意思がある。不思議な事にも程がある」


「う…確かに…じゃあ原因は僕に…?」


「詳しいことはこっちで調べよう。この使い…スキューは使って構わん。お前の能力で生み出せる心強い仲間だ。大事に扱うんだぞ」


「はい!勿論です!」


「ひとまず今日はスキューを持って帰る。残りの神力も少ないしな」


「持って帰っちゃうんですか…」


「部品が足らないとどうなるか分からん。危険な事になったら全て私の責任になるからな」


「分かりました!お仕事頑張って下さい!」


「あぁ。分かり次第報告するよ」


 こうして生神様は帰って行った。バク達にはすぐに説明しないとな。

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