第39話 ーーイリウスの修行ーー
「やっと僕の番なのです!みなさん覚悟してくださいよ!」
「あーはいはい。ま、精々きついの頼むぜー」
「はー…もう終わった気分だな」
「どんな修行か楽しみよのー(棒)」
あまりのやる気の無さに僕はほっぺをむぎゅーと膨らませる。その姿を見たケルトさんは急いでソファから立ち上がり僕の所へ来て慰める。
「期待してねーってわけじゃねーんだぜ?ただなぁ?やっぱりな?そのー何と言うかなー…」
「別に良いのです。みなさんにはとってもきつい修行選んだんで!」
「う…結構怒っちまった…嫌いにはならないでくれよ!絶対だぞ!俺お前に嫌われたら…」
「良いから早くハコニワに来てください!」
僕が強めにそう言うとバク達もやる気が出たのかスラスラと僕のハコニワに入っていく。
「こ、ここはどこ…ぞ?」
僕はハコニワを少し模様替えし、森から砂漠に変えた。
「てか暑くね?」
「そりゃあそうです。砂漠は暑いものですから」
「いや温度の設定は個人で出来るはずなんだが…」
「実践を意識なのです」
僕はより現実に近付けるため、砂漠の温度や太陽の光すら再現した。そして今回の大御所と言っても良いものが、
「あ、来たみたいですね!」
「な、何だ?地面が揺れるぞ?と言うかあっちから砂が巻き上がってるぞ?」
「な、何か来ます!」
その『何か』が僕達の所に到達する間際、ケルトさんは僕を掴んで高く飛ぶ。バクやトラさんも同様に飛んで回避した。
「おいおい何だよあれ!」
「僕が作った巨大生物です!いやー生き物まで作れるなんてハコニワは便利ですね〜」
「普通作れねーよ!お前の神が生物を生みし神だから出来たんだろ!」
「ありゃりゃ?そうなんですか?まぁ好都合です。僕はこのままハコニワから出るので、何とか生き残って下さい」
「は?」
「あ、あの生物物理攻撃一切効かないので頑張って下さいね。砂の上に居る以上どこに居ても場所がバレるのでそれもお気を付けて。では!」
僕はサッとハコニワから出る。
「はーーーーー??????ざっけんな!んな修行やってられっか!」
「待てケルト!諦めるのか?イリウスの修行を?」
「ぐぬぬ…それは…」
「やるしかないと言うわけだな。もし諦めたりなんてしたら…」
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「えー?もう帰ってきちゃったんですか〜?嘘〜。あんなに僕の事守るって言ってた人が死ぬ気でもやらずに諦める〜?ありえな〜い。まぁ流石に厳しかったですかね。ケルトさん達じゃw」
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⚠︎あくまでケルトさんの妄想です。イリウスはこんな子じゃありません
「絶対ダメだーーーーー!!!!絶対成功してやる!」
「とりあえずどうする?このままでは神力も持たん。倒してはいけないとは言われていないが物理攻撃無効となれば…」
「とりあえず一回降りるぞ!」
俺らは意を決して一度地上に着くことに。ついでにその生き物とやらの速度が分かれば良いなんて考えていたが…
「場所が分かんねー。どこにいやがる?」
姿が見えない。さっきまでワサワサ砂嵐立ててたと言うのに。そう思って辺りを見回したりするが一向に見えない。仕方なく耳を澄ませることにした。
「…!!!真下に居る!避けろ!」
真下から大きな口を開けて飛び上がってくる生き物。他の生物に例えるとしたらトカゲだ。エラが付いていたり、足が魚のようだったり、確実に生物ではない見た目だ。
「ち、どうすんだよ!音は耳澄ませねーと聞こえねー!砂巻き上げなきゃ見えねー!どうやって戦えってんだよ!」
「我に聞くな!何かないのか?物理攻撃以外に出来ることは…」
「……神力の攻撃なら、通じるのか?」
こいつは何を言ってるんだと思った。当たり前だろそんなこと。走りながら言うことか?だがこう言う時にトラが変な事を言うとは思えない。何か意味が…
「神力の攻撃…ビームは通じるだろうが…待て、何故あいつは地上に出てこない?」
「と、言いますと?砂の中の方が移動しやすいんでしょう?足が魚のエラになってたし」
「それ以前の問題だ。我々が空中に浮いていた時、あいつは出てこなかった。真下からくれば確実にやられていたのにだ」
「物理攻撃が効かない代わりに他の攻撃に弱いとか?」
「そうだ、イリウスのビームは光を屈折させ集める事で発動する。つまりあいつは光に弱い!」
敵の弱点を瞬時に把握するご主人様には正直感激した。ただ…
「こいつをどうやって地上に出すんですかー!」
この生き物の速さはだいぶ早い。本気で走ってたら疲れるし、ある程度加減しているがそれでも速い。
「と言うか、どんどん速くなっていないか?」
「あぁ?何言ってんだんなわけ…」
トラの言う通りな気がしてきた。最初見た時に比べるとわかりやすいくらい速い。
「イリウスめ…こんな事まで出来るとは…」
「どんな生物なんすかこれー!」
何はともあれ逃げている中1時間が経過。。。
「はぁはぁはぁ。流石に砂漠で歩き回ると喉が…トラ、水持ってなかったか?」
「俺は水なんて持ってないぞ。待ってたのは確か」
「我だ。はぁ…ほれ、確かポケットに…あれ?あれ??」
「え?忘れたとかないですよね?」
「いや、確かに我は入れたはずだが…っは!」
バクはあることを思い出す。
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「バーク!」
「おーイリウス。どうした?急に抱きついて」
「えへへ〜、こうしたいだけ〜」
イリウスは静かにバクのポッケに手を入れる
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「あんのクソガキー!!!!」
「ちょっと!イリウスの事クソガキと同じにしないで下さいよ!」
「我のポッケから取るなんて良い度胸しておるではないか!良いだろう!そんなに我と争いたいなら後ろから不意打ちで・・・」
「んなこと言ってる場合じゃないでしょう!本当に砂漠を再現してるとしたらオアシスくらいあるんじゃないですか?じゃなきゃご主人様から水取る意味がありませんから!」
「来るぞ!全員飛べ!」
獲物を喰らう鯉の如く、砂から現れる生き物はケルトさん達を食べようとする。ある程度の高さまで飛べば平気だから、神力を節約する為にも追いつかれるまでは走ることにしている。
それを続けてしばらく経つと、砂丘を登った先に水のようなものが見えた。
「あれってオアシスじゃないですか?」
俺ははぁはぁと息を切らしながら指を指す。それに2人もはぁはぁ言いながら返事をする。
「確かにの、見たところ蜃気楼でも無さそうだ」
「とりあえず行きましょう…喉が渇いて死にそうです」
オアシスを見つけた俺達だが、そんな簡単に行くものなのか。
テスト期間のため、ちょっと投稿時間がバラバラになります。




