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第23話 ーー新しい世界2ーー

「これが2つ目の世界…!」


 僕が目を輝かして見た先には太陽の光で煌めく海があった。海に沿って大きな街が出来ていて、その景色はまるでおとぎ話の世界みたい。


「おうおう、いつ見てもここは賑やってるな!」


「海の街、この世界『ビュフル』の1番の見どころだな。ここより綺麗な街はどの世界でも見られん」


「磯の香りがするの〜。新鮮な魚でも食べたいところだが」


「今回はあくまで依頼なんですからね。帰りに買っていきますか」


「ケルトさん!ケルトさん!こんな所に森なんてあるんですか?」


「ま、そう思うよな。とりあえず飛行機手配するから、待っとけよ」


 ケルトさんがそういうと携帯を手に取りどこかへ電話をかける。


「今更ですけど、電波とかって全部同じなんですか?どの世界でも同じ携帯持ってますけど」


「電波は違うが、ローディアの携帯技術は凄まじい。どの世界でも対応出来る携帯もあるものだ」


「其方にも買ってやらねばな。我の能力も発動出来るようになるしの」


「バクの能力?あー発動条件の話ね!何なの?」


「それはだなー…」


「3人とも、行きますよ」


 バクが話そうとした時、丁度ケルトさんが電話を終えた。手配が完了したのかどこかへ向かう事になった。バクは後でな、と言って歩き出す。


「うわー!遠くで見た時も綺麗だったけど、近くで見ても超綺麗でーす!」


 街に足を踏み入れて僕は興奮しきっている。家の一つ一つが白くて、綺麗で、輝いている。太陽の光が差さない影でさえ明るく見える。

 しばらく歩いていると人気の居ない路地裏に着く。すぐそこは海だし空港らしき物はないからまた変な所かと思うが。


「ここです。ちょっと待ってて下さいね」


「飛行機はまだなんですか?」


「ここに飛行機があるんだろう。この倉庫も随分とデカいし」


「その通りです。とはいえここは裏社会の飛行機ですからね。目立つわけにはいかないのでこんな所にあるんです」


 確かに随分と大きい倉庫だ。でも飛び立つ時に目立つんじゃ?と僕は思う。


「おっけー、行けますよ。他の客は居ないらしいんでのんびり出来ますよ。ざっと3時間らしいですよ」


「わーい!初めての飛行機です!」


「あんま興奮してパイロットに迷惑かけんなよ?」


「はい!」


 そんなこんなで僕らは飛行機に乗り込んだ。飛行機といってもそんなに大きくなくて、入るとしても2、3組くらいだ。何よりも内装が綺麗だし、VIP席かと思うくらいだ。


「ほら、ちゃんと座ってシートベルト付けろ、出発するぞ」


 飛行機が動き始める。最初から飛ぶわけじゃなくて最初は地面を走るんだ。海側へのシャッターが開いて灯りが差し込む。段々とスピードを付けてきた飛行機はそのまま飛び上がった。


「うわー!凄いです!さっきの街があんな小さくなってます!海がキラキラしてて綺麗です!」


「なるほど、消音と光学迷彩か。この地域ではよく通用しそうな技術よの」


「殺し屋っつーのはバレるだけでだいぶ痛手ですからね」


「とりあえず作戦会議をしておこう」


 ケルトさん達が何やら喋っている。何を喋っているかなんてどうでも良いくらいに外を眺めている。

          10分後


(飽きた…)


純粋に飽きてしまった。街も見えなくなってしまって広がるのは海だけになった。ずっと見ていても面白いものは無かった。ケルトさん達は今も喋っている。

 じっと眺めているとケルトさんの隣に置いてあるフルーツが目に入る。1番上にあるリンゴを取ろうとケルトさんの膝の上に寝転がる。起き上がるのも面倒だと思った僕はそのまま齧りつこうと口にハムッと咥えたら、手の上にはお皿、口には切ってあり皮も剥かれたリンゴがあった。ケルトさんだろう。

少ししてケルトさんが手をポンポンと皿に当てるがリンゴが無い。こっちを向いて僕のほっぺをぷにぷにした。


「あんま食いすぎると酔った時大変だぞ。別に良いが」


 そう言って残りのフルーツを全てカットした。僕は皿をテーブルに置いて嬉しそうに食べる。


「何というか…和むな」


「いつも殺伐とした空気ですからね」


「ま、今回も平気だろ」


 気付いたら僕は寝てしまっていた。ケルトさんの膝の上はあったかいし落ち着く。いつもここに乗ってると寝てしまう。

 僕が起きた時は目的地に着いた時だった。


「イリウスー。イリウスー!着いたぞー!」


「ん…んにゅー?」


 僕は寝ぼけながらもケルトさんに連れられる。外に出るとそこは…


「え、ホール使いました?」


 またまた荒野に逆戻り。綺麗な景色から汚い景色になった。前の西部劇みたいな世界というより、元々あった都市が荒廃したような感じだ。奥にはうっすらだが緑色の森がある。


「とりあえず宿でも取っとくか。そのまま帰るんじゃ辛いだろ?」


「そうよの。飛行機で少し疲れたし、休んでから行くか」


「時間は…まだ12時ですね」


「ご飯食べたいのです!」


「あんだけフルーツ食っといてまだ…子供って恐ろしいな…」


 そんなこんなで宿を取ってご飯を食べることになった。適当に入ったご飯屋さんだったが来た料理は美味しかった。何て名前か知らなかったけどダンゴムシみたいなやつは美味しくなかった。本物の虫じゃない事を祈る。その後は宿に帰って準備をした。


「ふー。腹も膨れたし行くか」


「そうですね!注意を払っておかないとです!」


「トラ、鍵を持っておいてくれないか?」


「はい」


「あ、鍵なら僕が持っておきますよ!ハコニワの中入れれるので!」


「いいや、大丈夫だ。すまんな、信用してないわけじゃないが、自分でやらなきゃ気が済まないタイプなんだ」


「良いからさっさと行こうぜ?」


 そして僕達は、森と荒野の境目に来た。


「これどうなってるんですか…」


「砂漠化現象ってやつだな。森が生えてきたんじゃなくて荒野が広がってきてるんだ」


「ここも元々はもっと発展してたんですね。こんな広い森、迷っちゃわないんですか?」


「迷子にならないよう一応コンパスは持ってきた」


「準備は完了だ。心の準備はどうだ?地獄絵図を見る覚悟は出来たか?」


「う、うん!」


「よし、ならば出発だ!」


 こうして僕らの冒険が一つ、幕を開ける

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