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第22話 ーー新しい世界ーー

「ほら、ホールは作ったぞ。ここに入ればもう別世界だ」


「ちゃんと荷物は…まぁ何も要らねーと思うけど、持ったか?手ぶらに見えるが…」


「はい!最近ハコニワの中に荷物を置ける事に気付いたので荷物は全部そこにあります!」


「はっはっは。賢いな、この子は」


 僕は今日、新しい世界に足を踏み入れる。このローディアもすごく綺麗で素敵な所だけど、他の世界はどんな景色で広がってるんだろう。頭の中で色々な景色を思い浮かべる。ケルトさんが言うには危険な世界らしいけど…


「じゃあ、行くぞ!」


「はい!」



        【職場見学編 始】



 辺りは一面荒野が広がっている。風がビュービューと吹き荒れていて砂が目に入りそうで怖い。岩がゴツゴツしていて歩きづらい。ケルトさんがオンブをしようかと仕草をするが僕は軽く断る。


「この世界は『ウェイスト』って言ってな。見ての通り歩きづらいし、とても栄えてるとは言えない」


「ここで何をするんですか?見る限りほとんど何も無いですし…多分あの奥に見える村?みたいな所に向かってると思うんですが…」


「そうだな。あの村に向かってるぜ。あそこで依頼を受けるんだ。あの村の依頼所は色んな世界から依頼が来るから多種多様なんだぞ」


「そうなんですね!所で……さっきから誰かに見られてる気が…」


 バンッ!と拳銃のような音がしてパッと振り返る。ケルトさんの手の甲があって何も見えなかったけど、何かされそうになったのは分かった。


「ちょいと走るぜ」


「ふぇ?うわぁぁぁ!」


 手の甲をひっくり返し手のひらで僕を掴んだ。そこから急に高速で走り出したせいで驚いてしまう。


「我がやってこよう。お主らは先に向かえ」


「うぃーっす」「はい!」


 2人とも返事をしてバクだけが残される。


「平気なんですか?」


「ご主人様舐めちゃダメだぜ?」


 それだけ言われたが自分が何されたかも分からないから心配にはなる…


「コソコソしないで出てこい。岩陰なんかに隠れていても分かるぞ」


 バクは相手の位置を正確に読み取る。少し経っても現れない"奴ら"に嫌気がさしたのか神器を取り出す。ナイフの他にもう一つ、受話器のような神器もある。


「親分、どうするんすか?あいつやる気満々ですが。打っちまっても良いんじゃ?」


「まぁ待て。あの速さで動くやつらと一緒に居たんだ、今までのやつらと同じではない。隙を突くのが1番だ。どうせあいつは俺らを殺す気だろう。こっちに向かってきて不利になるのはあいつの方だ」


 そんな話をしていた時、親分の携帯に電話がかかってくる。


[おい、誰だこんな時に…]


[のう、我はバクだ。今、お主の後ろにおるぞ]


 親分が後ろを向いた時にはもう遅い。親分の視界では世界がぐるりと回って空だけが映る。


「うわぁぁぁぁ!!!!お前ら!打て!打てー!」


 バンバンと銃声が響く中、バクは華麗な動きでかわしながら一人一人の首をハネていく。最後の1人までかすり傷の一つ付かなかった。


「我々に手を出した時点でお主らはチェックメイトだったな。来世で頑張ると良い。死んでいった奴らにも伝えておけの」


 ナイフ一本で制圧完了。


「えっと…本当に人とか居るんですか?」


 バクを置いてきた一方で先に村に着いた僕らはその依頼所とやらに向かう。


「人は居るぜ。今日は特別少ねーけどな。何かあったわけでもなさそうだし平気だろ」


「怖いのです…」


「ほら、すぐそこだ。あの赤い屋根の場所」


 看板があるが何と書いてあるのか読めない。


「今更と言えば今更ですが、この世界、西部劇ってやつに似てる気がします」


「そうだなー。まぁ色んな世界があるし、この世界の神がこう言うのに憧れてたんじゃねーか?」


「入るから静かにしとけ」


 僕らはいかにも西部劇っぽい扉を開けて中に入る。怖そうな人間さんが何人も居る。獣人さんや人獣さんは居ない。バーみたいな所に見えるけど依頼なんてあるのかな…


「マスター、いつもので頼む。あー後、ジュースとかあるか?」


「了解致しました。今回はどのような依頼をご希望で?」


「いつもと同じ、と言いたい所だが。…安全めなやつで頼む。殺すのは変えなくて良いがな」


「前までみたいな100人近い組織の殺戮は無しだ」


「了解いたしました」


 コトっと僕ら3人の前に飲み物を置いて扉の奥に行く。僕は置かれたオレンジジュースを美味しくいただく。緊張しているのか喉が渇く


「そんな危険なのはやんねーから安心しろな」


「はい…」


 しばらくしてたくさんの紙を持ってマスターさんが出てくる。


「この中からお選び下さい」


「なになにー?組織のボスの殺害?あぶねーならやらねーって。ライバル会社の社長殺害、報酬少ねーな。お、これ良いじゃねーか」


 そう言って一つの紙を手に取った。読んでみると


「森の盗賊殺害依頼…。森に盗賊なんて居るんですね…」


「難易度の割に報酬たけーな。理由あんのか?」


「その依頼、全く請け負ってもらえないんですよ。森の中は戦い辛いですし、何よりも襲撃される可能性の方が高い。いくらかの人は行きましたが帰ってきてないんですよ」


「なるほどな。なら丁度いいじゃないか。俺らがやろう。後これとこれ、それとこれも頼む」


 トラさんは追加で何枚かの紙をポイポイとマスターに渡す。


「そんなに依頼やるんですか…?平気なんですか?」


「これくらいは普通だ。いつもより少ないぞ」


「この盗賊の依頼、こなしたら2000万円も貰えますよ!これだけで良いじゃないですか!」


「お前なー…食費にいくらかかると思ってんだ」


「月100万近くだな」


「あんな高級食材ばっか食べるからですよ…」


 でもこれで分かった。ケルトさん達はこの仕事で数億稼いで帰ってくるんだ。大体一回で一年間くらいは稼げるから仕事をするのは年に一回。だから毎日家に居る。


「すまん、少し遅くなったな」


「バク!無事だったんだね!」


「主、もう依頼は済ませましたよ」


「そうか、どんな依頼だ?」


 トラさんはさっきしていた話をバクに話している。バグも丁度良いと言って手続きを終えた。


「そんじゃ、とりあえずこの世界行くぜ」


「また移動ですか…」


「別世界の依頼だからしょうがねーだろ。それにこの場所じゃ飛行機が必要だな」


「?ホールってどこへでも行けるんじゃないんですか?」


「ホールはあくまで我々のいる座標にしか繋がらん。変な場所でホールを使うと海の上、なんて事もあり得るからな。別の世界での移動も重要だ」


「なるほど…それは僕も注意しないとだね」


「飛行機での移動か…」


「へ!お前酔いやすいからな!」


「な、あんまり言うな!」


 そんな会話をしながらホールに入る。まさか2回も世界を移動する事になるとは思わなかったが、依頼を受けた世界はどんな世界なのか、僕は気になってたまらなくなっていた。

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