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第21話 ーーみんなのお仕事ーー

「あ゛ーーー。やっとイリウスの所属が決まったー。これからやることは山積みだぜ…」


 前回まで僕ことイリウスはヤクザである煌牙組とバクとトラさんが居るグループのどちらかに入ることを強要されていた。様々な観点から僕は煌牙組に入った。ケルトさんもトラさんもバクも頑張ってたから疲れたんだろう。


「本当に山積みだな。金が底を付きそうだ」


「げ、お前太ったのか?」


 トラさんに言われてすぐにツッコむ。そういえば2人がどんな仕事をしてるか知らない。


「食費じゃない!お前が宝石やら何やらを多額で買ってきてたからこうなったんだ!このままじゃ1週間ももたん!早く稼ぎ行くぞ!」


「えーちょっとぐらい良いじゃんよ〜」


「ダメ!」


 ケルトさんとトラさんは相変わらずだ。それよりもお金がないと言う事実に驚いた。


「ちょ、ちょっと待って下さいお二人さん!お金が無いってどう言うことですか!?」


「そりゃあそのままの意味だぞ?」


「は!」


 そういえばと言う風に思い出した。ケルトさんが大きな会社で働いてると嘘を付かれていたんだ。結局ケルトさんは煌牙組で何かを喋っていただけ。だとしたらどうやって稼いでいるんだ?


「えっと…ケルトさんは煌牙組でいくら稼いでらっしゃるんですか…?」


「うーん年に500行けば良いくらいかな?」


「ヤクザさんってそんなもんなんですか?」


 そんなに稼げないものなのだろうか。だとしたらそんな組織作るだけ無駄な気がするが。


「いんや、基本的には組長となれば億行くやつも居るらしいが、まず財源確保がそんなにねー。その上給料は全員で折半してるからな」


「よく分かんないのですね…トラさんとバクは?」


「俺はあのグループに居ても0だぞ。主はまず働かん」


 バクは今外出中だ。何をやってるかは知らない。


「え、じゃあ500万円でやりくりして来たんですか!?」


「んな訳ねーだろ。あと円じゃなくてローな。価値は同じようなもんだがその言い方すると人間界のもんだってバレるからな」


 僕はめんどくさそうに「分かりましたよ」と答えるがケルトさんはトラさんとコソコソ話出して聞いていない。


「それでどうする。イリウスに話すのか?」


「まぁいつか知るだろうしな〜。お、そうだ!職場体験っつーのはどうだ?こいつもいつかやるかも知んねーだろ?」


「お前…名案だな。脳筋馬鹿だと思っていたがしっかり考えれるのか」


「っるせー!」


「お二人で何話してるんですか!」


 ずっとコソコソと話していて怖くなった。聞こえた単語はほとんど無かったがコソコソと話した後は大体嫌な事が起きる。

 何を話していたか聞きたかったがずっとあやされる。そのまま時間が過ぎてバクが帰ってきた。


「ただいま。仲良くやっていたか?」


「おかえりなさい。主、金が底を付きそうなので稼ぎに行こうと思うんですがケルトが名案を思いつきましてね・・・」


 そこからトラさんはさっきケルトさんと話した内容を喋っていた。僕視点何の仕事か分からない以上何も言えないがワクワクはした。


「なるほどの〜。我は反対だ」


「え〜何でですかー?」


「純粋に何故良いと思ったんだ?イリウスを危険な場所に連れて行くなど頑固反対に決まっておる」


 バクの意見は絶対。何故なら間違えることがほぼ無いから。今回もケルトさん達は言うことを聞くと思ったが中々諦めない。


「それは我々が守れば…」


「だ!が!そこは問題にしては浅い。1番の問題はイリウスの精神だ。お主らはイリウスにトラウマを植え付けないように工夫出来るのか?」


「さっきから何の話をしてるんですか!!」


 わーわーと言い合っている中、僕は思わず話の中に入った。置き去りにされる感覚にアワアワしながらいつ行こうかタイミングを見計らっていたが我慢の限界が来た。


「先に俺らの仕事を言ってこいつに決めさせた方が良いかもな」


「そうだな、そうしよう」


「俺らの仕事は

         殺し屋だ         」


「…………へ?」


 まさかの回答に驚きが隠せない。まさかの殺し屋。確かにスーツを着て真面目に作業をしている姿なんて想像できない。


「さ、着いて来たいか否か。答えを聞かせてもらおうじゃねーか」


「え、そんな…急に…て言うかそんな仕事ダメですよ!人を殺すなんて酷いです!だから神様にポイント引かれるんです!」


「あーもう、殺すっつっても問題のあるやつだけだしこの世界の事じゃねーからポイントは引かれねーよ」


「酷いということは否定しないんだな」


「命奪ってんのには代わりないですから」


 僕に人殺しをさせようとしているのか。ケルトさんは悪びれる様子もないし、バクやトラさんも慣れている様子。


「それでイリウス、どうするのだ?もしイリウスが行くと言うのならば我も着いていく。一度行ってみて嫌だと思ったらすぐ帰るでも良い」


「うぅ…でもぉ…でもぉ…」


「男がうじうじ言ってんじゃねー。この世界で能力者になった以上死体なんか山ほど見るんだ。今見るか後で見るかの差だろ?来ちまえよ」


 確かに言ってることはあながち間違えじゃない。実際に何回も襲われてるしその度に人が…相手が死んでいる。けどやはり怖い。10歳には刺激が強すぎる気がする。


「少しだけ…考えさせて下さい…」


 僕は自室に戻って考える。


(どうしよう。着いていくってなるとやっぱり見る羽目にはなるよね…でもケルトさん達がどんな戦い方するのかも気になるし、そう言う仕事の相手がどんな人なのかも気になる。ローディアじゃないとなると別の世界だろうけど能力者みたいな人いるのかな…気になる…)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 1人でずっと悩んでいる中僕は寝てしまった。悩んでるうちに気付いたら夢の中。目の前には見たことがある人物が立っていた。


「メメ?」


「よ!久しぶりだな!」


一つ目妖怪のメメ。僕がローディアに来た時ケルトさん達以外の最初に出会った人物だ。迷子になった僕を帰してくれようとしたんだが、、、あんな事が…


「メイゴ…あ、イリウスって言うんだったか。すげー悩んでるみたいだな」


「うん…僕どうすれば良いか分からなくて…自分の利益や不利益がごちゃごちゃになっちゃって…」


「そう言う時は利益だけを考えるんだ!不利益なんて考えた所で本当にそうなるかなんて分からねーし、大人になっちまえば忘れちまうもんだぞ!」


「そうかな…でも僕のは一生物のトラウマに成らざるを得ないんだけど…」


「…へー…俺のよりもか?」


「え?」


 途端にメメは変化していく。あの時と同じように、黒い霧で包まれて、体が大きくなっていく。霧が晴れた時にはもうメメの原型は残っていない。化け物の姿に戻ってしまった。その姿はあの時よりもっと恐ろしく、全てが溶け始めている。


「メメ!」


「メイゴ…メイゴォォォォォ!!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「は!!はぁ…はぁ…はぁ…」


 僕は慌てて目を覚ます。そこまで時間は経ってないようだ。僕の夢は悪夢だったのか…


「ううん。きっとメメからのメッセージだ。もう2度とあんな事が起きないように、強くならなきゃ!」


 僕は決意を固めてリビングに向かう。案の定全員居たので話すことに。


「ケルトさん!僕行きます!」


「おー!やっと決めたかこの意気地なし!」


「随分と急だな。てっきり断るかと…やる気で満ちている様子だし何かあったか?」


「メメが…あの時の一つ目の妖怪が夢に出てきたんです」


「げ…」


 メメは暴走した後ケルトさんに殺された。実質僕の友達を殺したのはケルトさんだ。でも僕は恨んでない。


「ケルトが殺したあの妖怪か」


「ケルトさん…気にしてないので目を背けないで下さい…それでそのメメが僕にメッセージをくれたんです!」


「うーぬ、考えづらいな。死んだ者がメッセージなんて…お主の記憶が見せただけかもしれないぞ?」


「それでも良いの!あそこでメメが出てきたのは絶対に意味があることだと思うから!」


「まぁとりあえずだな。明日出発だ。しっかりと覚悟決めておけよ?」


「はい!」


 僕はケルトさん達と一緒に異世界へ行く事に決めた。する事は職業見学だが、どんな困難が待ち受けているのか、どんな景色があるのか、胸のドキドキが止まらない。

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