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第19話 ーーある夜のお話ーー

「うぬー。どうしようかな〜」


 夜空が綺麗だ。満月の夜に星がキラキラしている。僕は屋根の上で眩しいほどの明かりに照らされて考え事をする。


「どっちのグループに入れば良いのかな〜。僕に決める権利があるからって任せすぎだよぉ…」


 星空を眺めながら独り言を溢すが考えはまとまらない。そんな時、


「久しいのう。こんな時間に何をしている?」


「あ!世神様!」


 世界を生みし神様が降りてきた。理由は分からないけどとりあえず相談してみることに。


「世神様、ケルトさんがいる煌牙組とバク達がいるグループのどっちかに入らなきゃいけないんです。でもどっちが良いのかよく分からなくて…」


「なるほどのう。我は煌牙組の方が良いと思うぞ」


 この解答は予想外だ。バクに憑いてるからバクの方を優遇すると思っていた。それにしても即答だったな…


「何でですか?」


「煌牙組は強いからな。組員が獣人しかおらんから身体能力も高いし、何より全員の意思が繋がっておる。リーダーがケルトというのもあるが副リーダーとも言えるシャーガと言ったか。あやつも良い」


「そんなに強くなかったです…でも神様が言うにはそうなんですかね」


「強くなかったと?……ほう、なるほどな」


 神様は勝手に納得したかのように頷く。


「煌牙組にした方が良いんですかねー」


「絶対そっちだ、そっちの方が良い」


「神様がそこまで言うんでしたら…逆にバク達のグループはどこがダメなんですか?」


「ダメというわけではないが、お前の経験にならん可能性が高い。良い出会いもありそうだしな」


「分かりました!煌牙組に決めます!」


 下からグッと拳を握る音とよしっ!と言う声が聞こえた気がした。


「…悩みは晴れたし寝るのか?」


「うーん…」


 ちょっとだけ考える。今の時間は22時30分。確かに寝ても良い時間帯だ。


「でも、もうちょっとだけお話ししたいです!」


「おーそうか!ならば付き合ってやろう!」


 神様は目を輝かせながら言う。相当暇なんだろう。


「えーっと、それじゃあ質問があります!僕の神力量って多いんですか?」


「そうだな、とても多いぞ。あの3人の中で1番多いのが我が憑き人バクだが、お主はバクの3倍ほどだ」


「そ、そんなに多いんですか?」


「そうだとも。これから神力を上げる修行もすると思うが、お主の人生全てを含めると今の50倍まで跳ね上がるんじゃないか?」


 50倍も上がったら何でも出来るんじゃないか。そう思ってしまう。


「50倍もあったらとんでもないのですね…」


「お主の能力的にも使う場面が多い。ある程度は修行しておけ」


「えー、分かりました…あ、もう一個質問ですけど、神のレベルってあるじゃないですか?あれってみんな同じなんですか?」


 僕は修行に嫌悪感を抱きながら次の質問へ行く。神様は少し理解出来ていないようだ。


「と言うと?」


「上がり方が同じなのかと言う話です。ケルトさんはざっと100年はこのローディアに居ると聞きます。100年かかって神になれてないなら僕が神になるなんて不可能なのでは?」


「中々に良い質問をするじゃあないか。それについては安心せい。神にだけ見える寿命と言うのがあってだな」


「寿命が見えるって…僕後何年生きれるんですか…」


「お主は後70年生きるくらいかな」


「言っちゃって良いんですか!?って言うかそれなら僕殺されることないってことですか?」


 答えてくれるとも思わず驚いてしまった。そんなに都合がいいのだろうか。


「そこが違うんだ。我々が見えるのはあくまで順調に生きたとしていつ死ぬかなのだ。殺される事や病に侵されることは含まれていない」


「なるほど!」


「そしてその寿命を基準にレベル上げに必要なポイントが決められる。例えば、

寿命が100年のやつが3レベから4レベに上がるのに必要なポイント数が500ならば

寿命が1000年のやつが3レベから4レベに上がるのに必要なポイント数は5000と言うことだ」


「よく分かりました!要するにケルトさん達はすごい長生きって事ですね!」


「いや、そうでもなくてな。あいつらはちと悪さが目立っておってな。レベルを下げられてるんだ」


「悪いことするとレベルが下がるんですね…」


 意外とちゃんとしたルールだった。どれだけ下げられるかも気になったが、僕には縁が無いと思い聞かなかった。


「そうだぞ。だからくれぐれも悪い事はするなよ。ところで少し移動せんか?誰かが話を聞いている気がするんだが…」


「多分ケルトさんとトラさんです。ここから移動は出来ないです。敷地内にケルトさんの気が張ってあるのでそこから出ると怒られます。あ、そういえばもう一つだけ気になったことがあるのです」


「ん?何だ?」


「この前生神様に《人間界の人間に憑く神なんぞ初めてだな》と言われました。バクも最初の神社で似たようなこと言ってましたし…人間界の人間が神に憑かれない理由って何なんですか?」


 神様考える。言葉を選んでいるようだ。


「我は色々な世界に扉を作った。もちろん扉を作っただけでは意味がないさ。だから我は『神力の種』を撒いた。

 神力の種とは、人に宿り人の体の中で神力を蓄える事が出来るようになる。それは子孫にも受け継がれていき、きっかけによりゲートを開く鍵となる。 我は色々な世界にそれをやったが、人間界には扉を作る所までしか出来なかった。種も撒いたが、我が父…人間界の神に全て潰された。よって人間界の人間は神力を蓄えていないんだ。そうなると神が憑こうにも憑けんのだ」


「じゃあどうして僕は…?」


「……我にも分からん。今日はもう寝ろ、もう23時だ」


「ふわぁ〜。そうですね。神様おやすみないです!」


「あぁ。おやすみ」


 神様は空を飛んで消えていく。満点の星空と満月は相変わらず輝いている。


「あ!そういえば神様!あぁ行っちゃった。このCD…神様がくれたんじゃないのかな…」


 僕はこの前、机の上にCDが置いてあるのを発見した。ケルトさん達じゃなさそうだし、とりあえず気になると言うことでケルトさんの目を盗んでこっそりCDプレイヤーで聞いてみたら3つの曲が入っていた。意外と良い曲だったので少しハマってた。神様にお礼を言おうと思ってたが忘れてしまっていた。


「願いは4つで 1つの事だけ

 夢は儚い 言葉として散る

 心は純白 誰も見ないけど

 顔は見えない 見たくないから

 全てが終わったならば いつかの夢見た素顔(かお)で会いましょう

 あぁ全て予想通り あぁ全て言葉通り 

 あぁ全て言う通り あぁ全て名の通り

 エースなんて要らない みんな同じ

 不治の呪いに侵された 輝けない4つ星」


 星空は未だに夜を知らない。月夜に輝くこの街に僕の歌声が響く。


「良い曲じゃねーか。俺は聞いたことねーが」


「居たんですか?」


「あまりの美声にもっと近くで聴きたくなってな」


「もう………」


 僕は照れながらも目を合わせる。眠くなったので自室に行ってぐっすりだ。それにしてもあの歌は何なんだろう。テレビとかでも聞いたことのない歌。

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