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第16話 ーー新しい仲間と能力ーー

〜前回までのあらすじ〜

 イリウスがケルトさんの仕事とやらを拝見したくこっそり後を着いて行った。その結果ケルトさんが怖い人達と居るのを発見。正体はバレていなかったが見つかってしまい命の危機に…何とか抜け出したものの家に帰ってきたケルトさんには全てバレていた。叱られた後日にまた怖い人達に会いに行くことになり、とりあえずの自己紹介を終えた。その後能力の情報を交換し合うことに…


「まずはイリウスからで良いだろ。こいつも明かせば多少は信じられるだろ?コウ」


「うっ…はい…」


「僕の能力は<歪みを操る能力>です!戦いに使うのはビームですが、歪みを使って透明になったり、ワープしたり、色々汎用性がある能力です!」


 僕は実演を交えつつ自分の能力を紹介する。みんなあまり理解出来ていない様子だが納得だ。他の人と比べて明らかに難しい能力だし。


「じゃ、次は俺が。俺は<海水を操る能力>だ。この前の水の壁とか棘とかが良い例かな?」


 海水?海じゃなきゃ使えなさそうだけど。


「俺は、…<弱点を突く能力>。そのまんまだ。どちらかと言うと俺が突いた場所が弱点にかるようなものだがな」


 攻撃したらそこが弱点になるってことかな。


「俺は<透明化する能力>だよ。知っての通り姿が見えなくなる。でも普通の人だと俺についての記憶すら透明になっちゃうから大変だよ」


 記憶が透明になる?忘れちゃうってことかな。


「僕は<内と外を隔てる能力>さ。ドーム状に壁のような物を張って内から外、外から内への干渉をカットする。携帯の電波や君のテレポートも使えないってことさ」


 なんかすごい。でも1人じゃ戦えなさそう。


「お、俺は、能力は…まだ…」


「神の憑き人じゃない人も居るのですね」


「まぁまだ若いし別に良いと思ってるんだけどな」


「そんな!良くないっすよ!ケルトさんの一番弟子として能力ぐらいは持ってないと!」


「だから弟子なんぞ居た覚えはねーって…」


(一通りみんなの能力を聞きましたが、強そうな能力ばかりです…)


 煌牙組の全員と能力の情報を交換したがみんな強そうな能力だった。ケルトさんはピルスさんと言い合いしてるが、ちらっとこっちを見て言った。


「あ、そうそう。誰かイリウスと戦いたい奴いるか?」


「そんな話聞いてないですよ!?」


「言ってなかったか。入団?試験みたいなもんでな。最低自分の強さを示すんだよ」


「だから何で入るって事になってるんですか…」


 今日は謝りに来ただけなのに戦わされることになるとは…。僕は必死に抵抗しようとしたが、ケルトさんの眼差しは戦わせる気満々だ。


「ご主人様のとこにも行くだろうけどこっち選んだ時に入団試験すんのも面倒いだろ?今やっちまった方が早いし」


「………」


「誰も戦いたくなさそうだな。じゃあピルス。お前が行け」


「俺っすか!?」


「下っぱなんだから全員が嫌がる事を積極的にやらなきゃな。とりま耳貸せ」


「そんなぁ、何で俺がぁ…」


 とりあえず入団試験と言うことで戦わなきゃいけなくなった僕。ピルスさんと戦う事になったらしいがケルトさんはピルスさんにコソコソと話している。そんな時不意に聞かれる。


「イリウス、準備良いか?」


「え?はい」


 咄嗟にはいと言ってしまった。


「おっし、じゃあ始め」


 試験は何の前触れもなく始まった。


「どうなっても知らないっすからね!」


 ピルスさんは始まりと同時に走ってくるが遅い。僕はその内に天井が開いてるのを利用して高く飛ぶ。


「あー!ずるいっすよそんな高く!」


 ケルトさんみたいに高速で来たり、空気を踏んで飛び回ったりしない。能力もないただの凡人相手なら立ち回りが完成している。ここまで高く飛べば相手は何も出来ない。後はひたすらビームを打つだけ。


「………意外と避けるのですね」


 思ったよりビームが避けられて長引く。当たらないようだから量を増やして歪みを利用した曲がるビームも使う。


「な、何すかこれ!避けようないじゃないっすか!あつ!」


 ピルスさんは予想通りビームに当たりまくり。威力は最低限にしてあるから火傷もしないくらいだ。そこで呆れたケルトさんが手を叩く。


「はい終了ー。ピルスの負けだ。お前何も出来てねーじゃねーか」


「す、すいませんっす…」


「え?これで終わりですか?」


 僕は確かに面倒だと思っていたがこんな簡単に終わるとは思わなかった。正直期待外れの域だ。とりあえずこれで一通り終わったしゆっくり出来ると思った。ケルトさんがピルスさんを叱り終わりすぐに驚く事を言い出す。


「イリウスも物足りねーだろ。もう一戦だ。シャーガ、やれ」


「分かりました。今のと同じ要領で良いんですよね?」


「そうだ、よく分かってるじゃねーか」


 僕はまさかのもう一戦することになった。何の感情も湧かなかった。ケルトさんの居る所だからどんな強い人達なのかと思ってたけどそんな強くないのかなと思っていたんだ。


「とりあえず、準備は平気?イリウス君」


「え?はい、平気ですよ!」


「じゃあ始めだ」


 始まった瞬間シャーガさんは神器を取り出し地面に叩きつける。神器は船に付いているイカリと同じ形状をしている。地面にはヒビが入り割れている。何で叩きつけたのかと見ていると違和感に気付く。


(割れたところから水が出てきてる!?排水管とかあるのかな…)


 割れている地面から水が出てくる。その量は多くなっていき、僕もじっとしている訳にはいかないと思った。


(何か分からないけどとりあえずビームで抗戦しないと!)


 ビームを打って倒そうとするが水を盾にされて当たらない。


(ビームが光だって理解するの早すぎでしょ!?あんな壁張るられたらあれをするしかない!)


 僕は横からビームが入るように歪みを操り確実にビームを当てる。


「あつ!ってそんな威力はないんだね。それに大丈夫?俺にこんな海水溜めさせて。そろそろこっちからも行くよ!」


 僕は気付いていなかった。水がそんなに溜まってるように見えなかったが溜まっているような発言。よくよく見ると水の壁がどんどん厚くなっていたんだ。随分離れた位置に壁を張ると思ったが、こんな方法で…。

 シャーガさんは壁を解除して水が流れる。水の量は既に僕の膝あたりまで。水が流れてどこかに行くなんて事はなくシャーガさんの所に集まっていく。


「じゃあいくよ!大津波(ビッグウェーブ)!」


 波は建物の中で逃げ道が無くなるくらい大きい。ケルトさん達は避難してる。シャーガさんはイカリをサーフボードのように使っている。そんな軽いのかなあれ…


「やば!でか!」(こんな時のためのあれ!)


 僕はバクの神器を取り出す。そしたらある構えを取って神力を込める。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「良いかイリウス。我の神器を授かったと言うことは我の神器を理解せねばならんと言うことだ」


「うん!」


「そこでだ、汎用性が高くて強力な技を教えてやろう」


「やったー!」


「その名も<逆光斬(ぎゃっこうぎり)>と言ってだな。光すらも反射する斬りだ。」


「どういうこと?」


「つまりはありとあらゆるものを反射出来るのだ。神力の消費が激しいのが欠点だが…」


「何それ最強じゃん!」


「やり方を説明すると、まずこの構えを取る」


「ほうほう」


「そして神力を込める」


「それでそれで?」


「ナイフを三日月のような軌道で振る!」


「これで良いの?」


「おおーよく出来ておるの〜!」


「えへへ〜」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(神力の消費激しいしこんな大きいの返せるか分かんないけどやるしかない!)


 僕はバクから教わった必殺技を思い出す。


(あの構えはまさか…)


 波が目の前まで迫る。


「行け!逆光斬!」


 ピキンと言う音と共に波が反対に押し返される。


「え、ちょ、な、うわぁぁぼぼぼぼ」


 波の動きが不規則になったせいかシャーガさんはバランスを崩して水に落ちる。


「うわー!溺れてます!」


「ちょっと失礼する、ぜ!」


 ケルトさんが出てきて水を殴ると全部霧のように細かくなる。相変わらずこの威力は凄まじい。


「あーあ負けちゃった。イリウス君強いなー!本当に!俺一応この組じゃケルトさんの次に強いんだけどな〜」


「え、そうなんですか!?」


「うんそうだよ!俺は入団認めますよケルトさん!」


「おう、おめでとうだなイリウス」


「はい!」


 もしかしたら世の中の能力者って強い人そんなに居ないのかな?それともケルトさん達に慣れすぎて変な感性付いちゃったのかな…とにかく今日は勝てて嬉しいまま終わった。

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