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第159話 ーー成長ーー

 秋も終わりに近付く。もはや紅葉もなく、あるのは葉が全て散った木だけ。その下で僕は人を待つ。


「あ、師匠!」


「やっと来た、久しぶりだね。たくみ君、なかべ君、りょうや君」


 僕を師匠と呼ぶ子供達。僕を見て成長する、良き能力者達。



 ひとまず他の能力者にバレたら面倒だ。その場を離れて人気のない場所に連れて行く。


「ほんっと久しぶりですね師匠!」

「おれ、すっげー成長したんですよ!」

「ぼ、ぼくも成長したよ…」


 自信満々に語る子達に、僕は優しく声をかける。


「そっかそっか。みんな頑張ってるんだね。僕も負けないように頑張らなきゃ」


「師匠は元々つよいでしょ!」


 そうこうしているうちに丁度良い空き地に着く。ここで話そう。久々だから腕も見たいしね。


「3人とも、どう強くなったの?」


「おれはね! ロケット5発まで打てるようになったよ! そんでそんで、威力も上がってんだぜ!」

「おれもおれも! 神力量が増えて、もっと色んなもん作れるようにったんだぜ!」

「ぼくはね、すぐ反応出来るようになって、攻撃もいっぱい消せるようになったんだよ」


 3人ともしっかり鍛えてるみたいだ。僕の言った課題をこなしてる証かな。特にりょうや君の能力を消す能力。ドンベルさんと似た能力だけど、好きな時に好きな能力を消せるのは大きな利点だ。


「3人とも元気そうで良かったよ。能力者には襲われてない?」


「うーん。何人かには襲われたけど」

「子供だからかゆだんしてて倒しやすかった!」

「倒したらすぐ逃げて行ったよね」


 3人いれば他の能力者にも対抗出来るのか。それなら僕がいる必要もないのでは?


「師匠に色々教わって、俺ら何とか生き残れそうだよ。言われた通り人に星は見せないようにしてるし」


「僕らも神になりたいからね」


 僕は心の底から、あの時止めておいて良かったと思った。こんなに良い子に育つとは。正直少し気が引けるが、


「本当色々強くなったんだね。じゃあ、修行してみよっか」


「「「へ?」」」


 すぐにハコニワを発動させ、みんなを中に入れる。ハコニワは草原。何でも対応出来るノーマルスタイルだ。


「じゃ、始めるよ〜」


「ちょっと師匠!?」


 僕もケルトさんの子と言うことか。強くなった弟子を見ると試したくなった。


「うわ! 師匠マジでやる気じゃん!」

「ど、どうしよう…。やるしかないよね…」

「とりあえず守りに回れ! ビームは熱だから」


 なかべ君は鉄の盾を生み出した。鉄なんて作ったら神力切れちゃうんじゃ?と思いつつ盾に向かって放つが、すぐに工夫に気付く。


「鉄にしては融解温度が低い気が…」


「鉄なんて作ったら神力なくなっちゃうからね! この盾はアルミで作ったんだ!」


 なるほど、アルミなら鉄よりコストが低い。神力を節約しながら熱に強い素材を使う。理想の戦い方だ。


「ろ、ロケランなんて打ったら師匠が死んじゃうよ…」


「僕がその程度で死ぬと思ってんの? 本気で来なよ。大丈夫だから」


 この子達は良くも悪くも子供。純粋な子供だ。僕を気遣ってくれるほどの純粋さ。感動するが今は修行。手加減は無用だ。


「早く来ないとやられるよ!」


「くっそー! くらえー!」


 奥にりょうや君が構えてるのが見える。僕がロケットを別方向に飛ばすのを阻止しようとタイミングを見計らっているんだろう。

 でも甘い。当たる瞬間にずらす必要はない。僕の方に来る前に、別の方へと飛ばす。


「あ、そんな…」


「僕がどのタイミングで使うか。常に能力で確認するのも大事だよ。そのために神力を上げたんだ。前と違って使う場面で多く使うことが大事だよ」


 アドバイスを交える。そこで、3人の表情に違和感を感じた。ニヤニヤしているんだ。何かを見落として…。

 考えだし後ろを見ると、さっき飛ばしたロケット弾が目の前に。急いで歪みを発動させるが、キャンセルされて発動出来ない。そのままロケット弾は爆発した。


「やったー! 大成功!」

「追尾することは言ってなかったからな!」

「ほ、本当に死んでないよね?」


 煙の中、この子達は中が見えない。次第に心配になってきた所で、僕は姿を現す。


「能力のキャンセル。だいぶ便利だし強い技だけど、2つ同時には出来ないの?」


「な、何で師匠が後ろに?」


 当たる瞬間、テレポートで逃げた。キャンセルされると思ったが、歪みとテレポートの同時発動だとキャンセルされなかった。恐らく同時に消せるのは一つまで。これも強くなれそうだ。

 3人とも構え直すが、僕は戦う気はない。


「構えなくて良いよ。ここからはアドバイスタイム」


 この戦いで気付いたこと、直す所、もっと上手く出来る所を教えた。3人とも偉いし賢いから上手く取り込んでくれそうだ。ハコニワから出し、空き地に戻ってきた。


「師匠! 今日はありがとうございました!」

「「ありがとうございました!」」


「ううん。君達が成長出来るならそれで良いよ。絶対に、神になるんたよ」


 初めて出来た弟子。弟みたいに思い、成長を心から喜べる。僕も、成長してるのかな。ケルトさんもこんな気分なのかな。僕は夕日をバックに帰路に着いた。







「へ〜、弟子か。本当にあいつで合ってるのか、にゃ?」


「合ってると思う、ゾ? だんちょーはそう言ってるゾ?」


「ふん。あいつが俺らの星か。信じられないけど、にゃ」


ーーーーーーーーーー次回予告ーーーーーーーーー

「ひとまず休憩回です」


 これまでのイリウスの人生、山あり谷あり色々あり、出てきたキャラも大人数。そろそろキャラについてまとめる時期かもしれない。重要になり得るキャラを紹介しようと思う。

 何も言うことがないのです…。


          次回「ーーキャラ紹介ーー」

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