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第152話 ーー協同作戦 中編ーー

 暗い排水管。僕はビームを循環させて灯りを保つ。水は流れているがそこまで強くない。この大きさじゃ小動物もいないだろうしあんまり身構えなくて良さそうだ。

 急がなきゃいけないのもあり、僕もバクも飛んで向かってる。


「ねーバク。見つかったらどうなると思う?」


 ただ飛んでいるのも退屈だから何か話す。こんな時にする話じゃないかもしれないが、緊張しすぎない方がいい。


「永久追放はもちろんのこと、最悪死ぬのではないか?」


「うげ、結構大変だね」


 そんな会話を続けていると、上に繋がる場所に出る。排水管に繋がっている水道みたいで、時間もないからここから外に出る。


「ぷはー。外の空気は美味しいね〜」


 外に出るとそこには草が大量に生えていた。なんなら木も生えている。改めて辺りを見渡すと、目の前に大きな城がある。周りは草原のようになっていて、空は青く雲まである。…ん?


「ここって鉄で囲まれてるんだよね? なんで空が見えるの?」


「マジックミラーと同じ仕組みではないか?鉄で出来るのかは分からんがの…」


 本物の空か、はたまた映し出しているだけなのか。それは僕には分からない。でも草木があるところから日光は当たっているんだろう。

 時間が来たのか、僕らの身体は元に戻る。ゆっくりしてられない。すぐに木陰に隠れ、ドローンを警戒する。案の定城の周りも警戒だらけだ。こんな時に役に立つのが僕の能力僕が歪み(トウメイ)。光の屈折をなんかこう調節して見えなくする。バクにも付与出来るから便利な力だ。


「城への侵入経路は?」


「正門であろう?」


 いくら透明になってるからってそんな堂々と…。僕は説得して数ある窓から入ることにした。運が良いことに窓が開いていて、ちゃんと入ることが出来た。ここからはコンピュータを探すことが目標だ。

 とはいえ城の中は広い。その上掃除ロボットみたいなのもうじゃうじゃ居る。一筋縄では行けなさそう。とりあえず比較的安全なルートを選び、飛びながら移動する。その時だった。


「いやーやはり敵いませんな」


 声だ。人の声。誰かいる。それに向かってきている。


「王様には全く敵いませんよ。あの街を壊す計画をこんなにも早く進めてしまうとは」


「ほっほっほ。そう褒めるでない。上手く行くかは別問題じゃからな。それに”あいつ”を利用しているが、何を考えているか分からんやつだ。この先どうなるか」


 どっちもおじいさん。恐らく片方が王様だろう。やっぱり僕らの街を壊すつもりなんだ。それにしても、”あいつ”って誰だ?


「とりあえずコンピュータがある場所に急ごう」


 僕らは急いで探す。外で待ってる公安の人達のためにも。

 城の中はまるで人がいない。さっきの2人以外誰1人として見かけていない。いるのはロボットばかりだ。これで50年に1回しか出ないって…。

 僕はある場所で止まった。明らかに怪しい扉。妙に配置された警備ロボット。あそこで間違いない気がする。壊して警報でも鳴ったら厄介だ。ビームの光やバクのナイフの音を使って上手くおびき寄せる。作戦は上手くいき、扉の中に入ることに成功する。


「ふぅー。何とか着いたね。でっかい機械があるし、多分これでしょ」


「そうだの。というか、幽霊がおるんだからそやつに頼めば良かったのではないか?壁通り抜けれるし…」


 そういえばそうだった。ついつい忘れちゃうことってあるよね。


「それで、これを…ここに差す!」


 タイチさんから貰ったメモリを差すと、ピピピとメモリから音が鳴る。多分情報を集めているんだろう。ちゃんと送れてると良いけど。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「お、来たぞ!」


 あの2人、成功したのか! すぐにパソコンを開き、もう一つのUSBメモリ(出)をセットする。どんどん機密情報が入ってくるぜ。これでばっち…


「これはやばいな。今すぐ止めねーと! サイス、2人にコンタクトだ!」


         作戦開始まで

          〈2時間〉


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ん?腰の方からブンブンと…」


 何やらポケットからバイブが鳴っている。手を突っ込むと携帯じゃない、丸い玉が出てきた。使い方は分からないがとりあえずタッチしてみる。


〔あ、2人とも?逃げる準備って出来てる?〕


〔急になんですか?慌てている様子ですが…〕


〔実は大変なことが発覚してね。門を開けて突撃するから、逃げれるんだったらその時に逃げて欲しいんだ〕


 と、突撃!?どんなことが発覚したんだ…。それは置いといて、逃げなきゃいけないなら急がないと。

 パソコンをカタカタやってるバクも聞こえているはずだから話しかける。


「バク、逃げなきゃいけないみたいだよ」


「…イリウス。これ」


 僕に来いと手招きしたバク。パソコンの画面を見せられた。画面に映っていたのは、ガスマスクをした男。そしてその写真が入っていたのは、


「城内…?」


 他は都や旅人などと分けられているが、そのリストの名前は城内だった。そこにさっき見た2人がいるとこから、ここで間違いない。

       あいつはここにいる


「どうする?逃げるか?」


 僕は悩む。私利私欲のために公安の人達に迷惑をかけるのか?いいや、あいつが居るなら全滅しかねない。幸いバクも居るんだ。僕らで止めなきゃ。


「…ううん。あいつを探す。探し出して捕まえる」


「分かった。だとしたら急ぐぞ。連絡もしておけ」


 僕はさっきの玉を取り出して色々触ってみる。繋がったみたいで、全部を話した。「え、ちょま…」とだけ聞こえたがすぐに切った。悪いけど少しだけ迷惑をかける。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「くそっ! 何をやってるんだ2人とも!」


 隊長怒ってる…。それも仕方ない。残るとか言い出してたんだもん。


「話は聞いてたでしょ? ガスマスクの男を捕まえるって…」


「分かってる。俺らに任せられないほど強いやつなのか、俺らがそんなに頼りないのか。どっちにしても情けないんだ!」


 隊長も背負うものが大きい。目指す所も、守りたいものも膨大だ。肘を着いてどうするかを悩んでいる。


「…突撃の準備だ。ロボット以外は生け取り、何かする前に必ず俺らの元に連れてくること。隠れている全員に指示してこい!」


「「は、はい!」」

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