表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
152/251

第151話 ーー協同作戦 前編ーー

「あなた方には、重要な役割を果たして欲しいんです」


 僕らは公安の人達に出会い、この都が企んでいることを暴くことになった。詳しい内容はこれからだ。


「重要?何故我々がそこまで重要な役割を?」


「本当は我々で行きたい所なのですが…作戦よりも能力が上手く行かず、我々じゃ行けないんです…」


「どういうことだ?能力とはなんぞ?」


「私の能力は『人を小さくする能力』。文字通り、大きさを小さくできると言うものです。あの城には小さい排水管が流れていて、そこからしか侵入が出来ません。なので、私の能力を使い、侵入する作戦を立てていたんですが…。私の能力に制限がありまして、成人男性ほどの大きさだと小さくしても通れないことが分かりました。なので、身体の小さいお二方に協力を申し出ました」


 なるほど。確かにどこまでも小さく出来ちゃったら強すぎるし、ある程度の制限はあるのか。

 それよりも、何で暴走族をやってたのかが気になるんだけど…


「それについては、監視の目を少なくするためです。常に暴れていれば、作戦の時に暴れても違和感がなくなるでしょう?」


 思ったより変な理由だった。相手ロボットだから関係ないと思うけど…。まぁとりあえず侵入出来るんだったらそれで良い。エアスを探す手間も省けるし。


「分かった、協力するよ。それで、入った後どうすれば良いの?コンピュータとかよく分かんない…」


「入るのが成功したら中にあるコンピュータのどれかにこれを差してくれ」


 変なUSBメモリを貰った。差すってどうやるんだろ?バクなら分かるかな。


「これは俺の能力『プログラム』だ。具体的な内容は分からんが、思った通りのプログラムを実行してくれるやつだ」


「よく分かんないけど強そうです」


「これを差し込めば、あっちの情報は全てこっちに来る。もし良からぬことを企んでいるようなら…」


 何か言おうとしたところ、隊長さんから腕で突かれる。バクは公安の人達から色々聞いていて、外に出た時には夜だった。僕は作戦しか聞いてないからほとんどバク頼みだ。

 ホテルに着いたらベッドに横になる。明日が作戦の決行日だ。鉄の門前集合。


「ねーバク。何を話してたの?」


「うーん?主にあやつらが知っている全ての情報だ。中の様子や構造、その他諸々知ってることは全て話させた。そうだ、小さくする能力は時間制限型だから急いだ方が良いらしい。排水管はだいぶ長いらしいからの」


 初めてじゃない。こんな危ないことを任されるのは。でも、でももし、これでエアスの情報が無かったら…


「ねーバク…やるしか…ないんだよね」


「あぁ。嫌なら我1人で行くぞ」


「そんなのダメだよ。僕がはいそうですかって行かせないって分かってるでしょ」


 僕だって怖い。でも、こうでもしなきゃ殺人鬼は捕まえられない。今日はそのまま眠りについた。

 次の日、作戦決行日だ。時間通り朝に門の前へと行く。


「来たか」


「それで、どこから入るのだ?」


 上からドローンの音が聞こえる。追跡されているのかと身構えるがそうではないよう。


「鉄の門に何かを入れてる?」


「あれは運んでるんだ。必要な資材、食料などなど。あそこから入れるとは思わないでくれ。構造上死ぬのが先だ」


 箱を持ったドローンが門前に行くとパカッと小さい隙間が開く。そこから箱が中に入っているようだ。追跡ドローンじゃないから心配は要らなそう。

 公安の人達に着いて行き、着いた場所は路地裏。ゴミ箱を退かすと、そこにはマンホールより小さい蓋があった。それを退かすと水が流れている管が見える。


「ここから入ってくれ。我々で慎重に管を切ったんだ。ここ以外にもあるだろうが、恐らく家の下や道路の下といった開けられない場所にあるのだろう」


「うげー臭いです」


 排水管と言うだけあり臭い。水も泥みたいだし廃業物が混ざってそうだ。僕はタイチさんに貰ったメモリを握りしめ、覚悟を決める。


「準備おっけーです!」


「分かった。ならやるぞ。…はっ!」


 身体が見る見る内に縮んで行き、排水管を歩いていけるほどの大きさに。


「時間制限がある。早く行ってくれ」


 僕らはそう言われて、排水管を進んで行く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ