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第150話 ーー噂ーー

「ホテルは取ったぞ。これからどうする?」


 バクと一緒にホテルへチェックイン。荷物を置いてこれからどうするかを考える。とりあえずケルトさんへの連絡はしておいた。やはり問題解決に1番早いのはあの鉄壁を越えること。きっとあの奥に住民の情報があるはずだ。

 考えていても始まらない。僕らは一緒に門の前へと向かう。観光客が多いのは勿論だが、それと同じくらい警備ロボットがいる。触るのは自由だが不審な動きがあったら動き出すようだ。

 こんな大きな門、人力で開けられるのかが気になる所だ。ケルトさんとトラさんが居ればどうにかなりそうだが僕らじゃ絶対に無理だ。


「どうするつもりだ?侵入するつもりじゃなかろうな」


「うーん。考えたけど無理そう。50年に一度しか開かないんでしょ?この門以外の道は無さそうだし…」


 突如視線を感じた。あの物陰からだ。僕は急いで追いかけるが正体は分からず逃してしまった。その様子に不信感を感じたのか警備ロボットが話しかけに来たので一応説明しておいた。

 結局何も掴めずに周りを散策。ここは住人の住処のように見える。比較的ロボットが少なく店もない。あるのは家だけだ。早速探すのに丁度良いと思った所でケルトさんから電話だ。


〔どうかしましたか?〕


〔おう、噂の件だけど良い話が聞けたぜ〕


 こんなに早く…?とはいえありがたいことだから聞いておく。


〔そこの王が都の拡大を目論んでるらしいんだ。それだけならまだ良いんだがな、俺らの住んでる場所を邪魔がってる。それで、そこに大量にあるロボットを使って俺らの街をぶっ壊そうとしてる。これが噂の正体だ。詳しい内容とかは知らねー〕


 確かに反対側の山はやけに大きい。取り壊すにしては無理がある。だとしてもこっちに侵略を企ててるとは…。信じ難いがケルトさんが言うことだからきっと合ってるんだろう。

 もしそうだとしたらエアスどころの騒ぎじゃないのかも。中への侵入が成功したらそれも阻止しなきゃ。

 そんなことを考えているとまた視線だ。今度は思ったより開けている。何より警備ロボットの目が少ない。


「そこ!(おり)!」


「うわ!あっつ!」


 囲を使って閉じ込める。触ると火傷するから大抵は対処できない。そのままその人に近付くと、


「あれ?さっきの暴走族の1人?」


 この人はさっき暴走していた3人のうちの1人だ。どうしてここに?それより暴走は?


「とりあえずここから出せ。話はそこからだ」


 随分と態度がでかいな…そう思いながらも話は聞きたいから出してあげる。というか能力に驚かないんだなこの人。


「着いてこい。全員で話したほうが早い。こっちも話したいことがあるしな」


「僕はその必要はないです。要件があるんだったら先に…」


「やはりな。少し不思議に思っていたんだ。着いてくぞ」


「え?ちょ、バク!」


 バクは何やら理解したように着いていく。僕はその様子を見てついて行かざるを得なく…。そういえばナビとペグが全く喋らないな。


「俺は物だ…」

「監視されてるんだから独り言言ってたらマークされるわよ」


 結構ちゃんとした理由で何も考えていなかった僕の方が恥ずかしくなる。今更だが上にあるドローンは僕らを監視してるのか。

 しばらく人気のない場所へ歩いていくとマンホールのような場所に入る。抵抗があったが入るしかない。入ってみたが意外と臭くなかった。


「帰ってきたか、タイチ…連れて来たのか?」


「バレちまったからな。それに確定しやしたぜ、隊長」


「じゃ、子供さん2人。話があるんだが…」


「まずは自己紹介だ。名乗れ、愚か者」


 バクは年下扱いされると怒る。その圧に何かを察したのか、隊長さんは深々と頭を下げて自己紹介を始める。


「失礼しました。私、公安のミツバと申します。こいつは同じくサイス。そっちはタイチです」


「なるほどの。我はバクだ。こっちはイリウス。こう見えて兄弟だからの。それと、我はそなたらよりよっぽど生きておる。愚弄するでない」


 公安?警察みたいなやつ?何でそんな人が暴走族なんて…。いよいよ展開が読めなくなって来た…


「今回は捜査に協力して頂きたく、ここにお呼びした所存です」


「断る。帰るぞ、イリウス」


「待ってください!そのガスマスクの男とやら、もしかしたら今回の件も関係があるかもしれません」


 足を止める。何故ガスマスクの男について話してたことがバレてる?そして何故関係あると言えるんだ?謎は深まるだけじゃ解決しない。いっそのこと話を聞いてみることに。


「お前…あんた達、さっき噂について話してただろ。あの噂について、本当のことを教えてやるよ」


「あいつら、王が考えてることは…」


           ゴクリ…


「催眠ガスを使った街の侵略だ」


「催眠…ガス?つまりは?」


「催眠ガスを使い、街の住人を眠らせる。その内に取り壊す。と言うことです。そのガスマスクの男とやら、ガスに関係した能力者なのでは?」


 それなら確かに…。探しても居ないし関わっている可能性はある。でも何で分かったんだ?僕らの通話も筒抜けなはずない。どうやって会話を?


「それは俺の能力です。ほら、これ」


 僕の肩から丸い玉みたいなのを取る。迷彩のように化てて気付かなかった。いつの間に…


「これはいわゆる盗聴器。電話や通信といった内容もこっちから丸聞こえになります」


「なるほどの。だとしたら話が早い。我々は何をすれば良い?」


ーーーーーーーーーー次回予告ーーーーーーーーー

「やるしか、ないんだよね」


 機械都市メカトリスにて出会った公安の者。どうやらイリウス達に協力を申し出ているようだ。この都の王が狙ってること。それにエアスは関わっているのか?

 イリウス…主…俺は心配です…特に主、くれぐれも愚か者とか言って問題を起こさないでください…


           次回「ーー協同作戦ーー」

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