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第149話 ーー機械都市メカトリスーー

 僕とバクは2人でメカトリスに向かう。ケルトさん達も途中までは来てくれたが星町までだ。南の山を超えた先だからクリブ区を通ることになる。クリブ区はよくテレビに出ていて、主にグルメ系だ。美味しそうなケーキがいっぱいある…。それらを無視して山を越える。ケルトさんと一緒じゃないからか、襲われることはなかった。


 山を登った先、頂上から見えるあの都が。


「機械都市メカトリス…」


 煙が高く上り、それでも美しい。白を基準としていて丸く大きな壁が立ちはだかる。真ん中には確かに城ほど大きな黒い鉄の塊がある。ハエのように小さく見えるあれは全てドローンだろうか。


「正門以外から入れば警備ロボットの餌食だ。正門から顔認証で登録し、やっとロボット達の対象にならなくなる」


「すっごい並んでる…観光スポットなんだね」


「俺らは入れんのか?こいつは幽霊だから行けると思うけど」


「持ち物検査はされるが、危険物や爆発物じゃなければ基本取られん」


 念の為入る条件を満たしているか確認し並ぶ。相当並んでるとはいえ列は早く進む。そんなに時間が経たないうちに僕らの番だ。


「こちらに、お座り下さい」


「全部ロボットがやるんですね。人件費削減ですか」


 分かりやすいロボットの形状に音声。それに従って椅子に座らされるとレーザーみたいなのが僕を読み込む。これで分かるのだろうか。


「完了です。良い旅を」


 特に問題なく通過した。長い通路が続いておりまだ外が見えない。バクも同じタイミングに終わって合流して歩く。

 奥にあった光がすぐそばに…僕はメカトリスに足を踏み入れる。


「うわー!!!すごいです!!」


 そこら中にドローンが飛んでいる。周りにはロボットだらけ。人もたくさんでロボットの種類もたくさんだ。こんなに近未来的な場所初めてだからドキドキが止まらない。

 目を輝かせながら歩いているとロボットがこっちに来る。


「地図をどうぞ」


「あ、ありがとうございます!」


「何か質問があればお答えします」


「えっと…じゃあこの都について、色々教えてくれる?」


「はい。機械都市メカトリスは、300年前に作られたプログラムから始まりました。プログラムについては機密事項なので申し上げられませんが、主に我々ロボットについてのものです。周辺の山が鉄鉱脈だったこともあり、順調に都市開発が進められてきました。今はまだ、完成段階にありません。王の命令で、メカトリスはもっと大きくなります」


 AIってやつだ。僕の質問に的確に答えてくれる。気になったことと言えばもっと大きくなると言う所だ。


「その王ってあの鉄の門の奥にいるの?」


「はい。王はあそこの中で長い時間を過ごします。地上に顔を出すことは滅多にありませんが、それは王自身の防衛によるものです」


「他にあそこに隠してるものは?」


「お答え出来ません」


 質問への回答、内容は限られているんだろう。主にあの中については。これ以上言及して目をつけられたら厄介だ。ここは引いて…


        ブンブンブーン!

          ウーウー!


 突然鳴り響くバイクのような音とサイレン。何があったのかと周りを見渡す。すると、後ろの方からバイクに乗った3人組が向かってきている。


「危ない!」


 バクが僕の手を引いて避ける。バイクも僕が避けないとは思わずにブレーキを踏んだようだ。


「あぶねーぞクソガキ!」


「いてて…何ですかいきなり!こんな所で暴走なんてありえないですよ!」


「止まれ!止まれ!」


 僕と番長みたいな人が言い合ってる時、バイクを追ってきた警備ロボットが来る。それを見て番長みたいな人は舌打ちをして去っていった。


「何なんですかあれ…」


「この都で暴走とは良い度胸をしておる」


 暴走族に呆れつつ、僕らは中を探索する。料理も飲み物も遊びも、全部ロボットがやっているようだ。この都に住人は居ないのか? そう思ってしまった。色々遊んでしまった僕らはカフェのテーブルと椅子に座り休む。


「本当にすごい所よの。是非ともみなで来たかったが」


「しょうがないよ。てか目的それじゃないし…気になるものとかあった?」


「いいや何も。というかこの都に住人はいるのか?あやつはこの都の住人なのか?もし旅行しにきただけとかだったら意味ないぞ」


 それもそうだ。見ただけであってここに住んでるとは限らない。また来るとも考えづらいし…

 でも一つ思い出した。確かここに入るにはマスクや顔を隠した状態だとダメだった気がする。つまり観光にしても出来ないんじゃないか?丁度案内ロボットが来たので聞いてみた。


「この都の住人はざっと200人です。働かなくて良い環境なため、ほとんどは外へ行ったり、歩いていたりします。ご入場の際は、マスクなどの顔を隠す行為はおやめください」


「じゃあさ、ガスマスクをした人ってこの都に住んでたりする?」


「個人情報はお渡し出来ません」


 そこら辺もしっかりしてるのか。ロボットとは言えちゃんと設定してあるようだ。それよりも、ガスマスクをしていたら入場出来ないらしい。あいつが外したと言う可能性もあるが、そこまでして観光をしたがるか?この都の住人である可能性が高まった。


「ほんとに、悪い噂が立ってるとは思えんほど平和な都よの〜」


ーーーーーーーーーー次回予告ーーーーーーーーー

「催眠ガス…?」


 機械都市メカトリスに潜入した2人。待っていたのは予想以上に平和な都市だった。悪い噂の正体とはなんなんだ?ガスマスクの男は本当にいるのか?

 とりあえずは何泊かする予定だ。イリウスが満足するまで、我は付き合うぞ。


              次回「ーー噂ーー」

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