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第145話 ーー頂上決戦(仮) 前編ーー

「ケルトさんの勝利です!」


「「「うおー!」」」


 いくらライさんとはいえケルトさんに敵うはず無かった。とりあえず煌牙組の一勝だ。問題は次だ。


「次は…シャーガさんとトラさんです!」


「うげぇ…もう俺か…」


「ふん、精々楽しませてくれよ」


 トラさんは自信満々な様子。シャーガさんは…何かとやる気が湧いていない。負け試合みたいなものだから仕方ない。僕的にはシャーガさんに頑張ってもらいたいけど。


「シャーガ!負けたら許さねーからな!」


「そ、そんなぁ…」


「始め!」


 バクの合図と共に始まる。シャーガさんは神器を取り出し地面に刺す。するとその地面から水が湧き出てくる。これがシャーガさんの基本だ。


(強さは組長…ケルトさんと同じくらいと聞いてる。戦い方までは知らないけど、強いのは確か。肩を借りるつもりでやるか…)


 ある程度水が溜まるとシャーガさんから仕掛ける。水の刃を飛ばし攻撃する。だがトラさんもハンマーで水を弾く。無駄な消費なんじゃ…と思ったが、そうではなかった。弾いた水がトラさんの足に絡みつき動きを制限する。


津波(ウェーブ)


 水の量が少ないからかいつもの大津波は発生出来てない。この津波でも十分なのだろうか。


「丁度良いハンデだな。水なんて、弾けば良いだけだ」


 ハンマーを構え振り下ろす。津波に大きな穴が空き、トラさんには当たらない。問題はその先だった。空いた穴から先を見たトラさんは驚いた。


大津波(ビッグウェーブ)!」


 今度はさっきの倍以上ある津波が押し寄せてきてた。トラさんのハンマーは水を弾いた時に絡みついて動きづらくなっていた。このままじゃ波に飲み込まれる。


「仕方ない。あまりイリウスの前でやりたくなかったんだがな」


 足に絡まってる地面ごと飛んだかと思えば神器をしまう。再び取り出した神器はいつものやつとは少し違う。大きさが2倍くらい変わっている。


「ふんっ!!」


 大きなハンマーから出される打撃はいつもより強い。たとえ大津波だって、水飛沫になってしまうほど。津波の上で神器に乗っていたシャーガさんはバランスを崩し、そこをトラさんに狙い撃ちされる。


「終了!トラの勝ち!」


「「「うおー!」」」


「ちっ、シャーガの野郎。油断しやがって」


 試合は終わった。トラさんの圧勝だ。でもシャーガさんはいつの間にあんな量の水を?トラさんの神器は?


「それは俺が解説するぜ!シャーガの海水についてだが、あれは純粋に再生量が増えただけだ。技が成長するのと同じであいつのあれも成長する。そんでトラのやつだが、あいつは元々神器を複数所有している」


「複数?バクと同じ感じですか?」


「いや、ご主人様とはちょっとちげーな。あいつの場合は全部同じ神器と言うより少しづつ使い方が違う神器なんだよ」


「使い方が違うハンマー…?」


 全部見てみたいというキラキラした目でトラさんを見つめる。


「あーもうだから見せたくなかったんだ!好奇心旺盛なイリウスがどうなるか知ってたから…」


「…ダメ…ですか?」


 首を傾げてキラキラした目で見つめる。トラさんも居心地が悪くなってきたのか、


「後でだ後で!俺の部屋に来い!」


 そう言って見せてもらえることになった。それよりトラさんが勝ったからバクのグループの一勝だ。今は引き分け、ここからどうなっていくのかが見ものだ。


「次は…カゲさん対メーデさんです!」


「任せてくれ」


「お手柔らかめに」


 どっちも特殊な能力者だ。カゲさんは『透明化する能力』。使い勝手は良さそうだがカゲさんの存在自体が透明化する可能性があるから使いづらいとかなんとか。メーデさんは『ヘビと共有する能力』。毒や感覚、見ているものまで全て共有出来る。これがどう役に立っていくのか…


「始め!」


 バクの合図と共にカゲさんは透明に。メーデさんはヘビを出した。カゲさんの姿は僕も分からない。解説出来ない!


「いや神力見ろよ…」


「あ、、、」


 カゲさんもメーデさんもお互いに牽制している。カゲさんも下手に攻めればヘビの餌食だ。メーデさんも同じ。下手に警戒を解けばカゲさんにやられる。


「これは…地味ですね」


「こういう戦いもある。覚えておれ」


 お互いに牽制し合ってるだけ。すごく地味だ。そろそろ仕掛けるかな、と思っても仕掛けない。メーデさんは分かるけどカ…カ?


「!?」


 あ、カゲさんが透明化を解除した。そうか、今のが透明化のデメリット。僕の記憶の中のカゲさんですら透明になっちゃう。全部忘れちゃうところだった。カゲさんが透明化を解除した途端、周りに散らばりまくったヘビが襲いかかる。噛みはしないが身体を使って動けないようにしている。これでは透明になっても離してもらえない。


「終わりだ!メーデの勝ち!」


「イリウス君!忘れてない?」


 ヘビがどこかへ行った途端カゲさんが僕のそばまで来る。慌てている。


「大丈夫です。ギリギリ…」


「良かった。本当は、ダメなんだけどね。忘れられたくないからさ」


「カゲさんは本来、1人でいる方が強いんじゃ?」


「そうだな。カゲは誰1人仲間なんていない方が強い。ってかそれなら普通に最強クラスだ」


「1人は嫌いなものでね。どんなに能力が強かろうと孤独は嫌なんだよ」


 カゲさんの弱点は極めて人間らしい。意外と寂しがり屋なのかもな。そしてこれでバクグループの2勝。このままだと煌牙組が負けてしまう。


「次はハンスさん対シュウさんです!」


 この2人は特殊も特殊だ。どっちも攻撃系の能力じゃないんだから。決着なんて着くのかな?

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