表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
137/251

第136話 ーー機密情報ーー

ピーンポーン

 チャイムの音が響く。


「はーい!今出ます〜。ドンベルさん?」


「こんにちは、イリウス君。君に話があって来たんだ」


 ドアを開けると制服姿のドンベルさんが立っていた。後ろにはもう1人、警察らしき人が。とりあえず上がって話を聞くことに。ケルトさんは嫌な顔をしていたが、同伴オーケーと言うことで話して良いとなった。


「そんで、イリウスに話って何だ?忙しいから手短にな」


「僕は暇なのでゆっくりで平気ですよ」


「おま…」


 あんまり急かすのは好きじゃないからはっきり言う。ケルトさんは嫌だろうけど僕は別に嫌じゃない。丁度話に行こうと思ってた所だし。


「まずは、この書類を見てほしい」


「わー!僕の写真が貼ってあります!なんか刑務所入った時に貼られるような写真ですけど…」


「おいおいマジかよ。何でこいつが重要危険人物に指定されなきゃならないんだ?」


「じゅうよう…?」


 僕の写真が貼ってある資料。よく分からない文字が連なっている。年齢とか身長までバレてて何か嫌…。


「『重要危険人物』、意味はそのままだ。ただ、これが付く人物がちょっと特殊でね…。例えば、ケルトは付いているが、バクさんとトラさんには付いていない」


「何の違いがあるんですか?人に迷惑かけてる量ならどっちも…」


「すごく単純に言うと、目立っているか目立っていないかだ。今回は、少し目立ちすぎだと警告しに来たんだ」


「そんなに目立ってましたっけ?」


「テレビに映り、電車を止め、特大のビームをみんなが見えるように打ちまくってるのに?」


 コーギーの獣人さんは痛い所を突いてくる。確かにそう考えると十分目立っているのか。


「まぁそれは置いときまして、その重要何とかに当てはまっちゃうとどうなるんですか?」


「刑務所…には入れられないから、時々監視員が君を監視しに来るかも。あと、能力の制限とかかな。一定値を超える能力を使用した場合、逮捕…は出来ないけど、罰則があったり」


「それを俺の前で言うのか?法律なんて守んなくて良いんだぞ? なんなら今すぐ上層部のやつら…」


「ケルトさん!」


 ドンベルさんはケルトさんに傷付けられている。これ以上はドンベルさんが可哀想だ。


「つまるところ、目立たなければ良いんですね。わかりました。今度から気を付けます」


「そうしてもらうとありがたい。最近は上層部も妙に騒がしいんだ。ケルトについても、逮捕を再開とか言い出してるしな。現場にいる俺らの事を考えてほしい所だ…」


 警察の業界も大変なんだなと悟る。そして次は僕の番だ。


「ドンベルさん。質問があります」


「良いとも。何でもこた…」


「目取りの殺人鬼について、知ってる事があれば教えて下さい」


「………どうして君がそれを?」


「色々あるんです。僕にも」


 ドンベルさんの顔色が変わった。さっきまで呆けていたのが、真面目で少し怒っている顔になった。


「それなら話せないな。機密情報だ」


「だからドンベルさんに頼んでるんです。もし、無理だと言うのなら…」


「俺とやり合うつもりか?やめておけ」


「いえ、勝てるとは思いません。なので、本部への侵入も躊躇しませんよ」


「なっ!馬鹿なのか!本部への侵入は殺されても文句言えないんだぞ!」


「それほどの覚悟があるんです」


 本当はやりたくない。自分を大切に思っている人に、自分の命を人質にすることは。でも呑気な事は言ってられない。どうにか導き出せれば…


「目取りの殺人鬼、身長1.7m。顔は不明、体重も年齢も不明。俺らが持ってる唯一の分かることは、あいつがこの世界に来る周期のみだ」


「!?」


 周期が分かれば一気に捕まえやすくなる。場所は分からないけど、全部の探せば良いだけだ。


「おい、何勝手なこと…」


「でもタダでこの情報をあげると思ってるの?これは取引だ、ケルト」


「は?俺?」


「お前にしか出来ないことだ。簡単に言うと挟み撃ち。お前らは裏から、俺らは表から捕まえる作戦だ。最近麻薬の売買が多くてね、俺らだけじゃ手が回らないんだ」


 何故か取引はケルトさんに。絶対欲しい情報だけどケルトさんが警察と協力とか絶対無理だ。僕は輝かしい瞳でケルトさんを見つめる。


「別に俺は取引しなくても困らねーんだよな〜。てかイリウスが危ないことに巻き込まれない方が優先だし?この情報は別に…ん?」


 僕はひたすら輝かしい瞳で見る。


「……ちぇ。組員のやつらに言っといてやる。見つけたら捕まえろってな」


「ご協力ありがとーございまーす!あ、周期の話だけど、ドンベル。イリウス君に写真撮って送ってあげてね」


「あ、あぁ…時間がかかるかもしれないが」


「じゃあ今日はそういうことで、失礼致しました〜」


 2人は嵐のように来て、嵐のように去っていった。それにしてもあの人の交渉術は凄まじい。まるでこっちのことが全て分かってるかのようだった。少し呆気に取られてしまったが、完璧な情報を手に入れられた。


「おいロヂ。どういうつもりだ?」


「どういうって何が?」


「どうして教えた。機密事項だぞ?それにあの取引はなんだ」


「機密情報って言ったって、教えなくても知りに来てたんじゃない?それであの子殺しちゃってケルトに全壊されんの嫌だし。取引はちゃんとしたものだよ」


「この前のやつか。協力って」


「そ。あの子は要だ。この世界を平和にするための要。殺人鬼の件についても任せちゃおっか。占いでも、俺らの誰も殺人鬼は捕まえられない」


ーーーーーーーーーー次回予告ーーーーーーーーー「うわぁ!何で襲ってくるんですかこの人ー!」


 いつもの日常に戻ったイリウス。今日も狙われる。でも少しだけ違った。謎の人物達は能力者でもなく、目的もイリウスの命ではなかった。一体なんだ?そして明かされるトラとケルトの真実とは

 よく分かんないです…ローディアって変な人いっぱい居ます…


             次回「ーーペアーー」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ