完成された神聖
曇天の裂け目に
完成された神聖があることを
知っているひとは
僕と
あと
だれだろうか
切れ長の目を
その裂け目に向けている
あなたには
あの神聖が
みえているのだろうか
暗黒のなかに悲しみしかないと
想っていないひとだけにみえるあれは
天国と地獄と同じ構図の物語
目覚まし時計で
ようやく起きられる朝
いつかの元気そうな僕を
雑草みたいに嫌われていたみたいな僕を
それでもめげずに
性能と才能を信じていられたみたいな僕を
鼻歌まじりで羨望する
こころを守るために
曇天の裂け目に
完成された神聖がみえると
これも鼻歌まじりで云い放つ
生きているかぎり
100年の孤独の物語の
そのほんのひとときを
演じているだけみたいな