第06話 世界②
「ポップコーン、探検家は皆セナの様な特殊な能力が使えるのか?」
「あ、もう見せてもらったんだね」
「吹き飛ばされた」
「ごしゅうしょうさまです……」
ポップコーンはデスクの本棚を少し探って、たたまれた紙を取り出した。ポップコーンがそれを広げると、それは地図であることがわかった。
「これはこの大陸オラシオンの地図なの。ここの赤い点わかる?」
ロアがデスクの方に身を寄せて覗き込むと、地図中のあらゆるところに赤い点が書き込まれていることが分かった。ロアはそれに触れる。
「全部『極地』がある場所なの。極地っていうのは、正式名称を『生存困難極限特殊領域』っていうんだけど──」
ポップコーンは噛まずに言えて少し胸を張った。
「それは大断裂以降に世界中にぽこぽこ現れた遺跡なの。めっちゃ危ないの! 住んでる生き物とか──人を食べるんだよ!──おっかないし、そもそも環境がれつあくっ!」
ポップコーンは大きく諸手を挙げて危険度を表現した。
「生身の人間が入ったら間違いなく命を失ってしまう。でもそこには旧文明の研究に重要なものがたっくさんあるの。探検家は、自分の命を守るためにアーツを使うのです」
真面目な顔をしてポップコーンが言うと、セナが言っていたことが分かった気がした。セナの炎を出すアーツは扱いが難しい。だからそれで身を守るには心もとないのだ。ロアは、役に立てるのならいいと思ったが、その原理もいずれ明かさなければと思った。
「まとめっ! 世界は『大断裂』で昔の文明を失ったよ! 黎明旅団は探検家集団で、特殊な力アーツを使って『極地』を探検して研究をするよ! そして──」
ポップコーンは両手を広げてにっこり笑った。
「わたしは、きみを歓迎するよっ!」
くるくる椅子の上に立って不安定ながらも胸を張るポップコーン。椅子に乗ってもロアより小さい。けれど、ポップコーンの言葉がロアは嬉しかった。
「きみが心配すべき患者さんだからっていうのもあるんだけれど……」
ポップコーンは優しく笑う。
「きみはきっとセナちゃんを助けてあげられるし、セナちゃんもきみを助けてあげられると思うんだっ。探検家になるのなら、その道を照らしてあげるっ」
「僕にもできるだろうか」
「できるよ! きっと!」
根拠はないけれど、その言葉は元気をくれた。
ロアは頷く。
「わかった、やるだけやってみる」
ポップコーンはそこから背伸びしてロアの頭を撫でた。
「あ、でも28歳はほんとだよっ」
「うそつけ」
「ほんとだもんっ!」
頬を膨らませるとポップコーンはぽかぽかロアをなぐった。威力は豆粒である。
殴られながら、改めてロアはこれからの道筋について考えた。
自分がなるべきもの、なりたいもの。考えて、考えて。結局答えは出なかった。
でも、これから考えていけばいいとロアは思った。
ふたりの旅は、まだ始まったばかりなのだから。
「ちょっと面白そう」と思っていただけましたら……!
──下にある☆☆☆☆☆からご評価頂けますと嬉しいです(*^-^*)
ご意見・ご感想も大歓迎です! → 原動力になります!
毎日投稿もしていますので、ブックマークでの応援がとても励みになります!