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少女、皇帝になる  作者: 中城セイ
第1章 統治開始と大粛清
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第11話 戴冠式②

 戴冠式には国中の貴族の当主が集まっている。やむを得ない事情がない限り当主が来るのが慣例なので、およそ200の公爵から騎士爵まで全ての貴族がいる。もちろん、アイランド子爵になったリー姉ちゃんもいる。

 席次も大変だった。もっとも上座には王、続いて王太子、その下も宰相や外務卿クラスになる。国内も、現在我が国に宰相も摂政もいないし、皇族も私以外に直系はいないのでモルストア公爵が最上位になる。この家は「国のことは兄貴に任せて俺は田舎でのんびり領地経営するぜ、ひゃっほう(意訳)」と言って田舎に引きこもり政治から離れ、私の兄が皇位継承したら侯爵になる予定だった。だが、現在私の次に血脈が近くなってしまったので私の子供が複数人産まれないと公爵位を返上できなくなってしまってこういうところに引っ張り出されてしまっている不幸な家だ。その次の席次には内務卿のフィリップス侯爵なんだけど、宰相代わりに使っているので、代理でエミリ姉さんが立っている。ただ、その隣に子爵のリー姉ちゃんがいるのは、本来あり得ないんだけどリー姉ちゃんの当主としての社交デビューが今日の戴冠式だったので配慮した結果だ。後見人のフィリップス卿の近くにと頼んだらこうなった。そしてその次にネウケライ侯爵家である。

ちなみに、立太子の儀は行わない。継承権1位・2位の二人も私に子ができれば継承権が下がる。あくまでも暫定的な継承順なのに立太子の儀までやってしまうと後がややこしくなるからだ。




「これより、戴冠式を行う。皇帝陛下が御入場される。」


 進行役のフィリップス卿の声にみんな頭を下げ楽団による演奏の中、私は玉座に向かって歩いていく。玉座に座ると、音楽が止まる。


「面を上げてください。」


 フィリップス卿が声を上げると同時にみんな頭を上げた。


「これより戴冠式を始めます。」


 フィリップス卿の言葉が終わると、楽団による荘厳なファンファーレが流れた。


「まず最初に、国家斉唱を行います。」


 楽団の伴奏に合わせ、他国からのご来賓以外の参列者が国家を歌う。


「続きまして、帝冠の入場です。」


 楽団の演奏に合わせ、帝冠は侍女見習いのアリスの手により運ばれてくる。7歳の少女が運んでくるのは絵になるからという理由だけでの抜擢だ。彼女が運ぶ帝冠が会場の中央を進んでくる。そして、私の隣に置かれたテーブルの上に置かれ、アリスは大役を果たし、袖にはけた。


「これより、皇帝フリージア・アメジスト・フォン・フィリア=ベジリアス陛下への戴冠を行います。皇帝陛下へ帝冠をかぶせる役目は、リリーシャ=アイランド子爵に務めてもらう。アイランド子爵、前へ。」


 そう言われ、慌てて前に出るリー姉ちゃん。そりゃ自分がそんなことするなんて想像してなかっただろうし、今まで黙っていたからね。じゃないと、式典の序盤から緊張してどうなるかわからなかったからね。本来なら継承権のない帝家の縁類に任せるんだけど、私の母方の家系って、亡命してきた別の国の王家だったもんだから無理なんだよね。次善の策としては信用できる臣下に任せるんだけど、私の場合急に帝位が転がってきたもんだからそんなものはいない。なら信用できる人物になると……侍従長、フィリップス卿、アリス、そしてリー姉ちゃんしかいないので、他に選択肢がなかったんだ。


「リリーシャちゃん、リラックスして。普通にポンっと陛下にかぶせるだけだから。」


 リー姉ちゃんにフィリップス卿が声をかける。そのとおり、ポンと載っけるだけでいいからね。

 楽団の演奏の中、緊張したまま帝冠を持ち上げるリー姉ちゃん。そのままゆっくり私の頭にかぶせる。そして、会場中から拍手が起こる。


「これから、陛下よりお言葉を賜ります。」


 フィリップス卿の進行にしたがい、私は立ち上がり声を上げた。


「皇帝フリージア・アメジスト・フォン・フィリア=ベジリアスです。先帝の不幸により帝位を継ぐことになりました。若輩者ですが、帝国をさらに発展させるために努力しますので、協力をよろしく頼みます。」

「皇帝陛下よりお言葉を賜りました。この後、パレードを行い、その後再びこの大広間で戴冠祝賀パーティーを行います。それでは皇帝陛下が退席されます。」


 拍手と共に私は退席をした。さあ、大急ぎでパレード用のドレスに着替えなきゃ。


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