出発、西の森へ
パカパカパカパカ
がたんごとんがたんごとん
パカパカパカパカ
西の森へ行く馬車の中で
「あの, ブリー? 俺考えてみたんだけど」
「あなたが何かを考えて良いことがないようですが…」
「俺さ、回復の魔法はけっこ上手じゃん?」
「聞かないんですか?」
「考えてみたら俺さ?回復はたくさんさせてみたけど、いざ俺の体はどうやって守るべきかわからないのよ~」
「その腕では短剣も使え無さそうですからね」
「聖女様は保護されるべき立場ですぅっ!」
「ちょうど外に出たし、何か最低でも自分の体だけは守れるようになりたいな~とさ」
「針でも使います?」
「俺、こう見えても前は男だったし 今も見てみ? だんだん男らしくなってない?」
「本当に もう~ 聖女さんはレディーだからそんなこと考えなくてもいいのに~」
「だから考えたんだよ 治癒ができればその反対も可能なんじゃないかと」
「治癒の魔法で相手を傷付けようとするのですか? 聖女の力で?わぁ…あなたの頭が…」
「戦う男性の後ろから守られながら男性の方を応援するのもレディーの役目なんですよ~」
「だから今、練習しているんだ~」
「ははん~?昨日の夜に内緒で花瓶に何かやっていましたね~?」
「聖女様は本当に可愛いし美しいですからきっと多くの男性が聖女様のために~」
「まあ全部失敗したけどな?」
「だろうね」
「ああ~うらやましいです~ 私のための騎士様はどこに~」
「あのブリー…そろそろ…きつい」
「はい…私もです」
「キャアァァァァ~ラメ~私のためにそんな~」
「..そろそろシリウスの頭が心配だけど…」
「マリアンヌ様に言ってみます」
「キャアァアァ~私のために戦えないで」
「それでケイ様? さっきの話に戻りますけど」
「うんうん」
「治癒魔法で攻撃なんですって?」
「ああ」
「やっぱりそれは無理があると思うんです」
「まあまぁ、必ずしも治癒魔法じゃなくてもなんとか自己防衛ができれば」
「ケイ様が使える武器があるかしら」
「銃でもあればいいのにさ」
「何ですか、それは?」
「小さな鉄の塊を火薬でパンパンと撃つ物だけど」
「小さな鉄の塊って…それが何か意味がありますか?」
「ブリララリラリの鎧3つくらいは簡単に貫通するぞ?」
「ほ?」
「人の体に当たったら体の中でバラバラになりながら筋肉をギザギザにつっておく」
「ええ…きも」
「つまり鎧を貫通して体の中をギザギザにして、体の後ろに人の頭ほどの穴を開ける、遠ぉぉぉぉぉぉい場所で」
「……そんなに強いんですか?」
「あちらの世界ではたくさん使うZE」
「それでですね? 普段は単なる仲間にすぎないと思っていた人が、いつの間にか男に見えてきて~」
「ブリー..」
「はぁ…」
「シリウス。外に出て自力でついてきなさい」
とドアを開けてシリウスを馬車の外に蹴るブリー
あれはひどい
休時間になって馬車の外に出た時、馬車にぶら下がって涙を流すシリウスを見つけた
休時間が終わって馬車の中、アルが馬車の中に入った
「だからケイ、君は基本私と一緒に行動する、これは分かるよな?」
「OKDK」
「え?」
「分かった」
「…まあ 私から離れないことも重要だが、安全だと判断される範囲内であれば、適当に動きながら負傷した人を治癒するんだ」
「WKTR」
「……」
「知ってる」
「ケイ…お前ちょっと不真面目じゃね?」
「うっせ、我慢出来なくなるZE」
「…トイレかな?」」
「.....................おかすぞ?」
「ハ ハ ハ 私には男色の好みはないぞ」
「はは…俺もだ」
「それと、さっき聞いた話だけど、君の世界の武器だと? 興味深かったぞ?」
「あんたに言った?」
「いや、マリに言うのを横から聞いた」
「……そういえばお前さ、何年もマリアンヌ様には手を出さないんだって?」
「おい…それはプライベートな話か?」
「俺があなたとお酒を飲んで一緒に寝たことでマリアンヌ様にめっちゃくっちゃ刺さっているんだZE」
「そうか…」
「だからなんで?俺がこんなこと言うのはあれだけどマリアンヌ様すごく寂しがっているよ?」
「……エ-を産む時、マリがあまりにも苦しがった」
「……それはそうだろう」 エ― …?
「ドアの外にまでマリーの悲鳴が聞こえたし」
「うんうん」
「エーを生んだばかりのマリは気絶した状態で死ぬ直前だったそうだ」
「ああ…確かに子どもを産んで死ぬ人結構いるからね」 で、 エ― なの?
「マリは小さい時から体が弱い方だったからな、私がまた彼女を妊娠させたら次は本当に私のそばを離れるのではないか…と」
「だから怖いんだね」
「でも、マリがそれで寂しがっていたなんて…」
「今日夜にでも、2人で話してみたら? どうせ西の森まで7日はかかるんだよね?」
「そうだな、今夜話してみようか」
「でかさ何でマリアンヌ様も遠征にいくの?」
「彼女は魔法のエキスパートだからな、本来、魔法師団の師団長はマリだった」
「え?!」
「マリが私と結婚して席を移し、副師団長が師団長になり、ニートだったマリーの兄が副師団長になった」
「ニートだった!?」
「ニートだった」
「…一見インテリだったのに」
「自宅の部屋に引きこもり毎日読書とチェスだけに没頭した、らしい」
「そんな人間が副師団長か…天下りかよ」
「天下り?」
「能力のない人が人脈だけで高い地位に就職すること?」
「今の師団長やマリよりもはるかに有能だぞ?」
「え?」
「彼は本物だ、魔法もこの国の第一で、他の能力も優れている、彼が副師団長である理由は、師団長はあちこちに顔を出さなければならない場合が多くて面倒だから弟に押し付けたのだ」
「……どうしてそんな人がニートだったんだ…」
「面倒だからな、彼は怠けのエキスパートだからな」
「…近いうちにお伺いしてみよか…」
「彼はいろいろな意味ですごい人だ…正直私も魔法で勝つ自信がないし」
「ほう…」
「力でも彼に勝てるとは言えないんだ、5:5くらいかな?」
「……え?嘘だ」
「本当だ、彼の力は私と似ている」
「…必ず教えを受けなければ…」
「それとケイ?」
「なに?」
「……いつまでそんなにぴったりくっついているつもりだ?」
「……うわっ!?いつから!?」
アルの腕に俺の体をぴったりくっついて…
「……お前さ…これ、マリが見たら私もお前も殺されるんだぞ? 知ってる?」
「あらあら、何言ってるんですかアルフォンス王子殿下~お~ほほほほ」
「分かったらいい加減に離れて…私も命は大切だ」
…西の森まであと7日
俺とアルの命を保ったまま森までたどり着くことができるのか?
…西の森まであと7日
俺とアルは今馬車のドアを開けて笑顔で入ってくるあの女を避けて逃げることができるだろうか
「ケイ…少し話が…うん?あなた?」
「………」
「………」
「あなた、妙齢の女性と2人きりでいるのは良くないですよ?」
「彼は男だけど?」 ←アル
「俺男ですよ?」 ←俺
「私もいますよ~?」 ←シリウス
「使え無い物付いているだけですよね~」 ←ブリー
…ブリ、お前…
「立つてるし! 昨日立ってるし! 今日も立ってるし!」
「女性の前に立つとは…セクハラですね~ セクハラは切り捨てなければ~」
腰の短剣に手を伸ばすブリー
「レ·レ·レ·レ·レイレディがそんな卑猥なこと言うんじゃないですよ!」
顔を赤く染めて慌てるシリウス、お前いたんだ?
「おい、アル、シリウスはどう思う?」
「……よくわかなん 完全に少女のように見えるけど元々男だったんじゃない?」
「最近ね?好きな人ができたような気がするんだ、たぶん男」
「……う、うむ……」
「彼女に関しては私がどうにかします、男性はちょっと出ていてください…」
ちなみにここで男性は
「わかった」
「それでは俺も出てみます」
「ケイ、うるさいです、時間を無駄にする暇があればこれでも読んでみてください」
小冊子を渡すマリ様、 そしてその後彼女は窓の外をずっと見た
「なるほど…」
マリアンヌ様がくださった本は回復魔法の使い方だった
…つまり一生懸命ヒーラーしろということですね? 了解致しました
「これで夜に眠れるそうですね…」
とブリ―の小さい声が聞こえった




