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最強のキョウダイ  作者: ジータ
第二章
96/309

第95話 イルとフブキ

近日中に新しい短編を投稿するつもりです。もし良かったら読んでください。


誤字脱字がありましたら教えてくれると嬉しいです。

 偶然フブキに再会したハルトはせっかくだからということで一緒に行動することになった。フブキとわかれたのはそれほど前というわけでもないのだが、ハルトはフブキと会うのを酷く懐かしく感じていた。


「そっか今日は学校休みなんだ」

「ん、そう。本格的に始まるのは明日かららしいから、その前に必要なものを色々と買っておこうと思って。ハルト達は?」

「ボク達はパールさん……あぁパールさんはあの綺麗な青髪の人だよ。彼女に王都の案内してもらってるんだ」

「……他の二人は?」

「イルさんとリオンって言って、今一緒に神殿でお世話になってる人だよ」

「ふーん……」


 パール、リオン、そしてイルと視線を移していったフブキはその目をイルの所で止め、ジッとイルのことを見つめる。その感情の読みづらい瞳に見つめられたイルは少したじろぐ。


「な、なんだよ」

「イル……だっけ。あなた、どこかで会ったことある気がする」

「は、はぁ? し、知らねぇよ。会ったことあるわけないだろ」


 思いっきり目が泳ぐイル。イルとしてフブキと会ったことは無い。しかし、男であった頃。ガイル・マースキンであった頃には会ったことがある。それを知られるわけにはいかないのだ。

 あからさまに不審なイルの挙動にフブキが胡乱気な顔をする。それを見かねたハルトが慌てて二人の間に入る。


「気のせいじゃないかな。ボクとイルさんだってここに来ることになった時に初めて会ったんだし、フブキと会ったことはないと思うよ。ね、イルさん」

「お、おう。それにオ……わ、私はずっと王都暮らしだからな。会ったことなんてあるはずねぇ」

「ふーん。ま、そうだよね。気のせいか」


 さすがにフブキの前でに『オレ』というのはまずいと思ったのか、一人称を変えるイル。もともとそれほど深く疑っていたわけでもないので、ハルトの言葉もあってあっさり納得する。


「して主様よ。この女子は誰なのじゃ?」

「あ、そっか。この子はフブキって言ってね。ボクの幼なじみなんだ」

「初めまして。フブキです。あなたは確か……リオンだっけ」

「うむ、そうじゃ。妾の名はリオン。主様の契約者なのじゃ!」

「? 主様ってハルトのこと? それに契約者ってどういう……」

「あー! フブキ。今はそれはいいんじゃないかな。それよりも買い物があるんでしょ。ボク達も買い物があるからさ。早く済ませちゃおうよ」

「でも——」

「ごめん、この子のことはまたいつか詳しく説明するから。今はね」

「……わかった。ハルトがそう言うなら。でも……これはまたユナが知ったら大変なことになりそう」

「ユナが? どうして?」

「それは私が言うことじゃない。わからないならわからないでいい」

「? まぁフブキがそう言うならそれでいいけど。それじゃあとにかく買い物を終わらせよっか」





□■□■□■□■□■□■□■□■□


「ん、とりあえず私の買うものはこれで全部かな」

「私も必要なものは一通り買い終わりました」

「そっか。それじゃあ今度はリオンの番だね」

「それを待っておったのじゃ!」

「何か食べたいんだっけ。どんなのがいいの?」

「どんなのと聞かれてものぅ。そなた達のおススメは何なのじゃ?」

「最近有名なケーキのお店があるんですよ。そこがいいのではないかと」

「それって『キャットアイ』のこと?」

「そうです。フブキさんは知ってらっしゃるんですね」

「クラスメイトが噂してるのを聞いた。獣人の人たちがやってる珍しいお店だって」

「へぇ、そんなお店があるんだ。イルさんは知ってた?」

「知ってるわけないだろ。甘い物なんて興味ねーし」

「ボクも。こういうのってやっぱり女の子の方が詳しいよね」

「……今はオレも女なんだがな。」

「あ、ご、ごめん。そういうつもりで言ったわけじゃ……」

「ぷっ、冗談だよ。別に気にしてねぇからそんなに焦んなって」

「……ハルトとイルは仲がいいんだね」


 ハルトとイルの話しているのを見たフブキが何気なく言う。


「な、ば、そんなことねぇよ!」

「あなたがどう思ってたとしても、外から見たらそう見えるものよ。それに、別にハルトのことが嫌いなわけじゃないんでしょう?」

「まぁそりゃ別に……嫌いじゃねーけどよ」

「あなた、素直じゃないのね。まるでユナを見てるみたい」

「ユナって誰だよ」

「あ、ユナって言うのはボクのもう一人の幼なじみだよ」

「ん、あー。あの女か」

「あの女? ユナのこと知ってるの?」

「あっ! ま、前にハルトが話してた女のことかってことだよ。な、ハルト」

「そうそう。前にちょっとだけ話したから」

「そうだったんだ。またユナもそのうちこっちに遊びに来るって言ってたから。その時にもしかしたら会えるかもしれない」

「いや、別に会いたいわけじゃ……と、とにかく。そのなんとかって店に行くんだろ。早く行こうぜ」

「そうじゃそうじゃ。妾は早くそのケーキとやらが食べてみたいぞ」

「また走っちゃダメですよ。ここからそう遠い場所じゃありませんから。焦らずゆっくり行きましょう」

「む、わかっておるのじゃ」

「私も『キャットアイ』に行くのは初めてだから、少し楽しみ」


 こうしてハルト達はケーキ屋『キャットアイ』へと向かうことになるのだった。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

ブックマーク&コメントしていただけると私の励みになります!

それではまた次回もよろしくお願いします!


次回投稿は6月18日21時を予定しています。次回は登場人物紹介です。たぶん。

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