第1話 始まりの記憶
今日から連載始めます!
これから全力で頑張っていきますので、どうかよろしくお願いします!
感想とかいただけると作者はすごく嬉しかったりします。
「姉道その一! 姉たるもの、いつ何時も弟妹の味方であれ!」
「しどー?」
夕暮れの公園、滑り台の上で彼の姉は夕日に向かってそう叫んだ。
まだ幼かった少年には姉の言うことはほとんど理解できていなかったが、姉が優しく少年のことを見ていたということだけはよく覚えていた。
「あぁ。姉として生きる道。そのための心得のようなものだ」
「よくわかんない」
「わからなくてもいい。だが一つだけ覚えておけ。私は、姉はいつ何時も弟であるお前のことを想っているということをな」
「んー?」
「ふふ、お前にはまだ難しかったか」
首を傾げる少年。
それを見て少年の姉は苦笑する。
それから彼女は少年の傍まで行き、その手を握る。
「さぁ帰ろう。早く帰らないとお母さんが怒るからな」
「うん!」
少年にとって姉である彼女は憧れだった。カッコよくて凛としていて、他の子どもたちが仮面ライダーに憧れるように少年は姉に憧れていた。
「お前は将来何になりたいんだ?」
「ボク? ボクはね、お姉ちゃんになりたい!」
「私に? ……ふふふ、あははははは! そうか。私になりたいのか。しかしそれは無理だな。お前は男だからな」
「おとこだとお姉ちゃんになれないの?」
「ん、そうだな……」
なれない、と一言で切って捨てるのは簡単だったが、可愛い弟に悲し気な目で見つめられた彼女は少しだけ考えて続きを話す。
「今のままなら無理だが……その夢を忘れなければ、いつか叶う日がくるかもしれないな」
「ホントに!」
「あぁ、だがそのためにもちゃんと良い子にならないとな」
「なる! ボク良い子になるよ!」
「じゃあ今日の夜ご飯にピーマンが出ても食べれるな」
「うっ……」
「ふふ、まずはそこからだな」
「は~い……」
この時、少年も彼女も知らなかった。
本来ならば叶うはずのない荒唐無稽な少年の夢が叶う日がやってくるということを。
王道的なファンタジーが書いてみたい。そう思って書き始めた作品です。
不慣れな部分も多いのですが、これから勉強していきたいと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ブックマーク&コメントをしていただけると私の励みになります!
それではまた次回もよろしくお願いします!
次回投稿は1月27日21時を予定しています。