おまけ
めっちゃ少ないです。
「ん〜!」
兄さんを助けないと。私は縄で縛られた腕を揺さぶり足掻いている。
ビクともしないが。
と、暗闇に包まれていた部屋に一寸の光が伸びてきた。
「どしたの?」
「んぅ!」
私は必死に助けてと懇願する。
しばらくして、恵梨さんの力を借りて脱出することに成功した。
そして、私はいま置かれている状況について恵梨さんに説明した。
「え?!恵が?なんで」
「私と兄さんに嫉妬をしたんですよ」
「なんでよ!なんで、恵が嫉妬しないといけないのよ!」
この人本当に愉快だな。まあそれは置いておいて、私は考えていた。
昨日、私は恵さんに揺さぶりをかけに攻撃をした。が、それは裏目に出たようだ。恵さんがここまでできる人とは思わなかったのだ。
恵さんの目的は?そんなの決まってる。私を兄さんから引き剥がすことだ。つまり、今日なにかアクションを起こすはず。
じゃあ、いつ?それも決まっている。学校、それも放課後で、だ。そうしないと、私を引き剥がした意味がない。
「?!恵梨さん!今何時ですか?」
「え?…………え〜と。3時くらい、いや4時か」
な?!
「はやくしないと!」
「え?何が?」
どんだけ愚図なんだこの人。私は大まかな説明を省いて、それを言っていた。
「それは、はやく行かないと!」
「じゃあ―――――」
「ちょっと待って!」
私の言葉をかき消すように恵梨さんは言った。
そして、スマホを取り出してなにかのアプリを起動する。それを見て、頷いた恵梨さんは私の方に向き直り。
「やっぱり学校だ」
え?
「恵梨さん…………まさか」
「なんのこと?」
ふと見えたスマホ画面にはマップと、赤く光る点が写っていた。
「いえ、なんでもありません」
今はそんなことどうでもいいです。いち早く兄さんのところに行かないと。
だが、脳の片隅でこんなことも考えていた。
私もしよっかな、と。




