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 おじさんは剣を構えた。


 戦闘が始まり、仲間達が戦場に集う。


 ズルリとおじさんの背後から現れたのは巨大な影と、ほっそりとした影だ。


 おじさんはあまりにも変わり果てた仲間の姿に呆然としていた。


「ところで……これはいったい」


『……さぁ? 猛烈に何か食べたんだろうなぁ』


 スライムはボコボコと泡立ち、透き通った巨体がどっしりと重量感抜群に震える。


 いつものプヨンポヨンと飛び跳ねるスライムの姿はどこにもない。


 スライムの巨体は、まったくドラゴンに負けてはいなかった。


 そしてもう一体。


 ただでさえホラーな顔だったスケルトンが更に濃厚で邪悪な気配を纏っていた。


 おじさんもその姿に、不気味さを感じているようだった。


「なにか……禍々しいオーラを感じますな」


『俺もそう思った』


 見た目は王冠がついたくらいしか変わっていないはずなのに、何か見える気がする。


 しかしどう変化していたって、これがあいつら本人だということに変わりはない。


 俺は好奇心を必死に振り払うと、目の前の事に集中する。


『やめとこう! みんな無茶な橋を渡りきっただけさ!』


「……ん! 感謝しますとも! では参りましょうか!」


 どう考えても一体一ではどうにもならないと思っていたが、これならどうにかなるかもしれない。


 しかし迫って来る相手の迫力も尋常ではなかった。


 その場に伏しているドラゴンが少し動くだけで、その異常な大きさが際立っている。


 果たして、スライムとスケルトンでどう戦うか、それが一番の問題だ。


 大切なのは、あのドラゴンをいかに足止めしておくか。


 無謀としか思えないが、彼らに任せるより他に選択肢はない。


『さぁ、レベルアップしたなら見せてくれるよな?』


 俺は仲間達に呼びかける。


 返事が返ってこないことなんてわかっていたが、心は伝わっていると信じていた。


 スケルトンが後ろを振り返る。そして彼は親指を立ててコカリと笑ってみせた。


「愚問だな我が主よ……我が軍勢の前に跪かせてくれようぞ!」


『「喋った!!」』


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