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 ダメで元々と挑戦してみると、なんだか意外にすんなりと出来てしまった。


 モンスターにもバッチリ俺は見えているらしい。


 囮役というのもなかなか難しいもので、死角から入って、至近距離を抜けるのがポイントである。


 夏場に耳元を掠める蚊の様にうっとおしく、しつこく飛び回るのが俺の編み出した戦法だった。


『うわあああああ! そらいくぞ!』


 必死で逃げているとなんだか楽しくなってきて、すっかり堪能してしまっている俺がいた。


「ぷぎいいいい!」


 罠の場所まで誘導し、穴に足を取られたモンスターが絶叫を上げる。


 どうやら今回も俺の大活躍で、無事トラップは発動したようだった。


 シミュレーションに近いゲームだったはずが、アクションになってしまったわけだが、それはまぁいいとしておこう。


 能率が上がった事が何より大事だ。


 おじさんが落とし穴の周辺に身を顰め、ロープで突然相手を躓かせる効果で、落とし穴へのダイブ率は飛躍的に向上していた。だいたい顔面からいくので、踏ん張れるものではない。


 おかげでうちのスライムはかなり大きくなってきていて、栄養過多である。


 デカくなったことで消化のパワーが上がったのか、落とし穴が溶かされ、だんだん深くなってきていたが、中でプルンと震えるスライムは一向に満足する気配はなかった。


『……こいつ、どこまで大きくなるかな?』


「さぁ……試してみたい気もしますが、維持も大変そうですがね」


 怖くなってきて、おじさんに聞いてみたが、さっと目を逸らされた。


 このまま大きくなり過ぎたら、スライムの王様にでもなるのかな?っとそんな考えが頭をよぎったが、そんな事も無いみたいだ。


『……維持とかやっぱり栄養必要なのかな?』


「そうなんでしょうな。きっと蓄えた養分を使い切ったら大きさも元に戻るのでしょう、結構大きさは変わっているではないですか」


『ふーむ、そういえばそうだ。見た目も宇宙生命体みたいなのに、仕様も宇宙生物みたいな奴だな』


 これは使えるかもしれない、心の片隅にでもメモっておくとしよう。


 バトルと言うよりも狩りに近い一連の作業は、中々練度が増してきていた。


「ダメかと思っていましたが、やってみるとこの落とし穴はなかなかいいですな」


『ダメって思ってたんですか? まぁいいですけど。順調に素材のアイテムも堪ってきた事だし、そろそろ引き上げて換金してもよさそうだ。次で最後にしよう』


 俺もアイテムボックスとしての役割を順調に果たしていた。


 最初素材アイテムを吐き出すのが苦手だったスライムもだんだんとコツを覚えて来て、これならかなりの金額を持ちかえることが出来そうだった。


 ただ……思えばこの時すっぱりやめていれば面倒事が少なかっただろうにと、そう後悔したのはそんなに後のことでもなかったのだ。


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