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画面に勝利を示す表示が輝き、ゲームは終了する。


フィールドが消失すると野球帽をかぶった小柄なプレイヤーは我慢出来ずに、会話用の端末を取り出して話しかけた。


もちろん手に持ったカード型の端末には、相棒の姿が映し出されていた。


「お疲れ様! いい試合だったね!」


『ああ、当然だろ? 負けるわけにはいかねぇよ。何せ俺達には最高の相棒がついてるんだからな!』


「そっかそっか!」


彼らにねぎらいの言葉をかけるプレイヤーの声色は心底誇らしげで。勝利に満足している様子が現れている。


ただ若干不満そうに言ったのはキャラクターの方だった。


『だが、今一つ手ごたえが足らねぇ。次はもうチョイ歯ごたえを期待してぇな』


そこだけが不満だぜと言わんばかりのボディランゲージに、プレイヤーは苦笑いする。


だけどとても彼らしい答えであった。


今回の相手は、ランキングのトップランカーというには手ごたえがなかったらしい。だけどプレイヤーにはすでに彼が喜ぶ当てがあった。


「なら……次の相手は申し分ないかもしれないよ? プレイヤーなのにあだ名がついた、面白い人だから」


それは完全に予定外の相手だ。しかし前回のたった一試合で批難と称賛をほしいままにするプレイスタイルは、きっと普通じゃないのだろう。


 その言葉にすかさずキャラクターは反応する。


『お? もう決まったのか?』


「うん。次の僕達の相手は『邪神』だってさ。なんだかすごく強そうでしょ? 」


『へぇ……そいつは面白そうな相手だね、腕が鳴る』


 心の底から楽しんでそう言う彼に、プレイヤーもやる気に満ち溢れた純真な瞳で頷いた。


 プレイヤーは相手の名前を思い出す。


 『ヤシロ』


 この名前はプレイヤーにとっても必ず倒さなければいけない相手だった。


「次は負けられないから、頑張ろうね! ゴトウ!」


『ああ。次の勝利もユウに捧げる。任せておきな!』


 力強く請け負う。彼らの言葉には実力に裏打ちされたすごみがあった。


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