花嫁衣装と仕立て屋兄妹
花嫁衣装のお話です。
はじめて伯爵がタイトルに入ってないなぁ……と、いま気づきました。遅いです。
あんまり花嫁衣装出てこないかもしれません。
短編『伯爵令嬢のお相手は。』でおなじみのベラ姉さんがちょびっと出てきます。
今日も拙い作品ですが、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
「急なことだよねー。閣下が結婚するなんてさー」
呑気な声でいいつつ、青年はカリカリと音を立て、鉛筆をノートに走らせる。青年の呑気な声を拾い、隣にいる女性はうんうんと頷いた。
「だねー。あ、手袋に釦とかどう思う? いまはそういうのが流行ってるよねー」
「そうだねー。じゃ、ここに釦いれよっかー」
「ねー」
緩い感じに花嫁衣装の下書きが済まされていくのを、イリスはお茶を啜りつつ観察していた。
花嫁衣装というのは、大事なものである。婚儀が終われば、手直しをして夜会に着ていくこともありえる。
そんな大事なものをこの人達に任せて本当に大丈夫なのかしら……と思うのは、無理もないだろう。
「あー、安心してくださいねー、イリス様ー。下書き中はこんな緩い感じですけど、仕事はバッチリこなしますからぁー」
「いまだけですよー、いまだけ」
瞬時に心を読み取られ、イリスは思わずティーカップを取り落としそうになった。青年はにまにまと笑い、また鉛筆を紙に走らせる。
この二人は、伯爵家御用達の仕立て屋である。
二人とも赤茶色の髪をしており、目鼻立ちも何処となく似ている。聞けば、二人は兄妹なのだという。確か、兄のほうがトバイアス。妹の方がケイティだったか……。
彼らの家は街で大規模な仕立て屋を開いているらしく、伯爵とは仕事の関係で出会ったらしい。それ以来、伯爵の衣服は彼らが仕立てているのだとか。
なんていうか……会った当初から緩い感じがするなぁとは思っていたが、まさか仕事のときまでこの調子だとは。未来の伯爵夫人に敬意を表すどころか友人のように接してくる。
イリスはそういったことにはとやかく言う性分ではなく、このままで構わないのだが、気になったのは、伯爵にもこの態度なのだろうかということである。
想像してみる。この兄弟がイリスのように緩い感じで伯爵に話しかけ、意匠の相談を……。
考えただけで少し笑えてきて、イリスはゴホンと咳払いをした。そのとき丁度、下書きが出来あがったようで、トバイアスがニコニコしながらノートを差し出した。
「出来ました。いかがでしょう?」
ちゃんとした言葉遣いになったことに少々、面食らいつつ、差し出されたノートを受け取り、目を落とす。
「……。……えーと、これは……」
しばしの沈黙の後、イリスはその言葉を口にした。
思わずいつまでもノートを見つめていると、仕立て屋兄妹は不安そうな顔を作る。
「もしかして、お気に召しませんでした?」
「いえ、とても素敵です。少し、気がかりなことがあって」
「というのは?」
イリスは言うか言うまいか躊躇した。しかし、着た後でガッカリされるくらいなら……と思い、口を開いた。
「その、このドレスは、肩を……露出しているでしょう? 襟ぐりも大きく開いておりますし、だから……」
核心に迫るにつれ、言葉に詰まっていくイリスに、兄妹は思わず顔を見合わせた。
「これぐらい、普通だよねー?」
「うんうん、普通だよねー。……ですから、恥ずかしがることはありませんよ、イリス様。みんなこんな感じですからー」
「いえ、はい。普通なのはわかっているのですが」
イリスは少し自信なさげに蜂蜜色の瞳を翳らせて小さく溜息を吐いた。
「……私は胸元が乏しいので。お客様に見苦しいものをお見せするわけにはいきません」
言ってしまうと、またほうと溜息をつく。なんだか情けなくなってきた。自分で自分に言うには構わないが、他人に言うとなると勇気がいる。
女性らしさを強調する胸は、貴族の令嬢にとってはそれなりに大事だ。胸が乏しいというだけで、見苦しいと嘲笑されることもありえる。そして悲しいことに、イリスの胸は他の令嬢のものと比べて、一回は小さい。
少人数で行う建前だけの結婚でも伯爵に恥をかかせるのは申し訳ない。イリスが、「自分の花嫁姿が見られたものではない」といったのも、胸の乏しさあってのことである。
しかし、イリスの心配をよそに、兄妹はキョトンとして顔をあわせる。
「全然問題ないよねー?」
「そうそう。イリス様は首筋と肩の線が魅力的でいらっしゃるから。こういうのが一番似合うよねー」
「ねー」
「………」
キラキラした目で同意を求めてくる兄妹に居たたまれないものを感じて、イリスは少なからず動揺した。
こんな風に自分の容姿を褒められたことがないため、返答に困ったのである。それがたとえ、商売をしやすくするためのお世辞であったとしてもだ。
なんと言葉を返そうかと悩んでいると、断りもなく扉が開いた。
「採寸は済んだのかね?」
「あ、閣下だー」
「閣下ー、お久しぶりですー」
「………」
伯爵にもこの調子なんだ。
機嫌を損ねるのではと少し不安だったが、伯爵は慣れているようで、眉一つ動かさず部屋に入ってくる。
その背後には、彼の秘書である女性が続いていた。彼女はイリスに気付くと、ニコリと笑う。
「昨日ぶりだね。なんでも、弟と結婚してくれるんだって?」
「どうやらそのようです。………は? 弟、ですか?」
彼女の言う〝弟〟とは恐らく、伯爵のことだろう。イリスにも兄と妹と弟がいるように、伯爵に姉がいてもなんら不思議はないのだが、昨晩、彼の口から家族の話をされた覚えはない。全くの初耳に驚きを隠せなかった。
わけがわからず困惑していると、彼女は椅子にゆったりと腰掛ける伯爵に目をやった。
「彼女に説明は?」
「してない」
「してないってお前……いや、いい」
彼女は呆れた調子でなにか続けようとしていたが、いっても無駄だと思ったらしく、咄嗟に浮かび上がった文句を振り払って、イリスに視線を移した。
「まずは自己紹介からだな。私はイザベラ。この男の姉だ。といっても、血縁上は従姉にあたるのだがね。いまは、愚弟の秘書紛いのことをしている。……ああ、自己紹介はいい。君のことはよく知っているからね、イリス」
立ち上がろうと浮かした腰を制するように、付け足すイザベラ。イリスはちょっと驚いた様子を見せたが、工場を買収するときに家族のことも把握していたのなら、無理もないと思い、彼女の言葉に従って、再度、腰を椅子に落ち着けた。
その様子を見て、イザベラは口元だけで微笑んだ。なんというか……女性的というよりも、男性的な色気のある笑みだ。
よく見れば彼女の恰好も男性的だ。ドレスやスカートではなく、シャツにベスト、ズボンといった動きやすい服装。そして長靴をはいている。女性にしては背が高く、体格もしっかりしていて、足が長い、とても羨ましい体形だった。
赤銅色の髪は伯爵の黒髪とは違っていたけれど、癖があるところはよく似ていて、血の繋がりを感じさせた。
銀縁の丸眼鏡の奥で輝く灰色の瞳は生き生きとして、常に興味なさげな伯爵の深緑の目とは雰囲気からして違う。何も知らない人に姉弟だといっても、安易には信じてもらえないだろう。なるほど、血縁上従姉だというのなら、頷ける。
「愚弟の説明が遅れてすまない。長い話になるのだがね」
「はい」
「私はこう見えても家庭を持っていてね。息子が一人いる。息子はいまが大事な時期で教育の件もあって、これからしばらく立て込む。これ以上、この男の秘書を務めるのには少々、無理があってね」
「はい」
「それで、君に白羽の矢が立ったわけなんだが……」
「はい」
「秘書の経験は?」
「ありません」
「では、職歴は? 学生のとき、街で働いていたそうだね。昨日残って説明したとき、お父上に話を伺った。詳しくはいえないと言われたんだが」
「ええと……」
イリスは少し困惑したように瞳を揺らす。この件においては、父の判断は的確といえよう。
いうかいうまいか迷ったが、イザベラの熱視線にイリスは負けた。
「……高級娼館のお世話を少々」
「世話……具体的に言うと?」
声が心なしか潜められ、イリスは少し怯んだ。
男貴族にとって娼館は夢のような場所だが、女にとっては汚らわしい場以外の、何者でも無い。そんなところで働いていたとなると、当然白い目で見られる。
しかし、娼婦たちはイリスが想像していたような人柄ではなく、いい人ばかりだった。躊躇った理由は、彼女たちを中傷するような言葉を聞きたくなかったからだ。
そのことを心配していたのだが、驚くことに、イザベラはそんなことを気にするような性分ではないらしかった。逆に、好奇心一杯の目を向けられ、続きを促されている。
そのことを少し奇妙に思いながら、思いついたものをあげていく。
「昼間、外に出るときは付き人をしたり……受付、経理、お茶汲み、お客様の接待から、予約制ですので、娼婦たちの予定の管理に、帳簿付け……色々していましたね」
一つ一つ指を折って数えながら、イリスは懐かしそうに過去を振り返る。娼館で働いていたときは、ほとんど経営補佐のようなことをしていた。
大学は、学費は出すが寮費は出してくれなかったので、実家の仕送りが望めないイリスは何かしらして働かなくてはいけなかった。
あまり目立つところで働くと、今度は大学で冷たい目で見られる。そのことも考慮した結果、イリスが選んだのは高級娼館の受付という職業だった。女遊びを自粛せざるを得ない大学生が通える場所ではない。よっぽどの金持ちではないと通えない場所だったのだ。
「付き人、受付、経理、お茶汲み、接待、予定の管理、帳簿付け……ふむ」
いつの間にか出した手帳に万年筆で文字を書き綴るイザベラは、ふと顔を上げて手帳越しにイリスと目を合わせた。
「労働基準を軽くこえているんじゃないのか? いくらなんでも多すぎるぞ」
「最初は受付だけだったんですけど……私が働いていたところは予約制の娼館でしたので、ほとんど暇で。給金が高かったので、お金の分しっかり働こうと思って。わたしが好きでやっていたことです。労働時間は夕方からせいぜい夜中の十二時までで、夕方の早いうちは本を読んだり論文を書く暇もありました。夢のような職場でしたね」
「……随分と、仕事熱心なのだね」
いままで黙っていた伯爵が溜息交じりに口を挟む。褒めているような言葉なのに、声の調子は皮肉めいていたため、全然褒められた気がしなかった。恐らく彼は、『器用貧乏』といいたいのだろう。
親が親なら子も子。そういいたいのかもしれない。
「あのー、すみませんー」
控えめな声が聞こえ、イリスはそちらに顔を向ける。
大切な話だと悟って彼らも口を慎んでいたのだろうが、あまりにも静かなのでトバイアスとケイティの存在を忘れていた。
「イリス様。意匠の件ですけど、どうなさいます? 変更しますかー?」
「変更?」
下書きをじっくりと見た伯爵が、怪訝そうに眉を上げる。やはり、仕立て屋の兄妹が言うとおり、肩を露出させる意匠がいまの流行りの型なのだろう。
説明を求めた伯爵に、ケイティが相変わらずの緩い声で解説した。
「なんかー、胸元が乏しいのが気になるってー。でも、イリス様にはこれが一番だと思うんですー」
「……フン」
胸元を一瞥した瞬間、鼻で笑われた。
けれど、無理もないと思った。貴族社会において胸の大きさや、腰あたりのくびれという女性らしい体格は重要視されるのだ。社交界の花形である女性は皆総じて、女性らしい丸みを帯びた、色気のある体つきをしている。
膨らみはあるものの、イリスの胸は豊満とはとてもいいがたいし、ほとんど寸胴に見える気がする。下半身をふくらませるなどして腰の細さを強調すれば少しは女らしく見えるのかもしれないが、何も変わらないような気がしたのでしていなかった。
イリスに魅力は一切ない。あるとすれば学歴と今まで培ってきた知性のみだ。
ますます、伯爵がイリスを娶ると言い出した意味がわからなくなってきた。秘書としてそばにおきたいのなら、いちいち結婚しなくてもいいはずだ。給金を支払うのが嫌だという理由で娶るのならまだわかるが、彼はちゃんと給金は払うのだという。
考えれば考えるほどわからなくなっていく。
難しい顔で考え込んでいると、伯爵がふいに、椅子から少し身を乗り出してイリスに手を伸ばした。
なんだろうと少し身構えると、彼の大きな手はイリスの方に伸びた。
綺麗な手だと、状況も忘れて見入ってしまう。筋張ってはいたが、それは男ならば納得の要素だ。彼の手は白く滑らかで、あまりにも神秘的に見えてしまい、俗世から離れているように感じられた。触れば冷たそうだ。
まるで時が止まったかのような錯覚に陥る。
パチパチと瞬きをしながら凝視していると、その手は胸元の僅かなふくらみに触れるか触れないかの位置で――イリスのものではない女の手により叩き落された。
「……おい。調子に乗るなよ、アホ」
冷ややかな視線と声は、イザベラのものだった。
伯爵は少しの間黙って姉と目を合わせていたが、そのうち彼女の冷ややかな視線に負けて手を引っ込め、これみよがしに肩を竦めた。
知らん振りを決め込む弟にまたしばらくの間、見張るように冷ややかな視線を送っていたイザベラだったが、気を取り直して下書きを手に取った。
「……ふむ。いま流行の意匠だな。胸元が気になるというが、君。一般に花嫁衣装とは、こういうものじゃないのか? 気にすることはないよ。わたしもこういうものを着たし。誰も気にしないさ」
イザベラの体験談を――失礼だが――心中で少し意外に思った。彼女のいまの恰好はまるで男のようで、彼女にドレスは無縁のものに思えたのだ。だが、彼女は既婚者だと自分でいっていたし、子供だっている。彼女ほどの高貴な家柄の女性が結婚すれば、花嫁衣装を纏わないわけにはいかないだろう。
イザベラは賛成してくれたが、イリスはかなりの間、躊躇した。その間に、気の短い伯爵は苛立った声で言った。
「人の目など気にしなければいい。これから先、伯爵夫人となれば嫌というほど夜会に呼ばれ、そのうち人の目を気にする余裕などなくなる」
「閣下に醜聞が立つのは困ります。主人に醜聞が立たないように手配するのも秘書のお役目でしょう?」
地位と権力、財力を持つ彼には商売の上でも敵が多い。若造に先を越された年長者たちの妬み嫉みははかりしれないだろう。一般に、貴族たちは過小評価しか出来ない種族である。イリスが少しへまをおかしただけで、容赦なく追求してくる。
実を言うと心配しているのは伯爵の体面ではなく、あとで責め苦が自分に向かうことだったのだが、そのことは言わないでおこう。
ウェンデルはしばらくの間、藻色の瞳にイリスをうつした後、皮肉めいた苦笑いを浮かべた。
「殊勝なことだ。だが、醜聞など聞き飽きているよ。珍しくもない。……胸元がそんなに気になるなら、布でも林檎でもなんでもいいから詰めておきたまえ。私は一向に気にしない」
失礼だなあ。
イリスは特に傷つくこともなくそう思っていたのだが、
「ウェンデル!」
伯爵の女性に対して失礼な言葉に、怒鳴りつけたのはイリスではなくイザベラだった。しかし、伯爵は意に介さずツンとそっぽを向いて聞こうともしない。その姿はまるで、高貴な黒猫のようだった。
結局、イザベラの熱弁に負け、花嫁衣装の下書きに修整が加えられることはなく、イリスは不安を覚えつつも伯爵に命ぜられるがまま、花嫁衣装の契約書に署名をした。
万年筆が契約書から離れると、トバイアスとケイティの顔が緩む。
「毎度ありがとうございます。素敵な花嫁衣装をお仕立てすることをお約束いたしますのでー」
すごく嬉しそう……。契約を取れてはしゃぐ兄妹に気圧され、イリスは苦笑しか出来なかった。
もうどうとでもなれ。伯爵に文句を言われても、言い返せばいいのだ。「あなたが構わないと仰ったんでしょう」と。
鞄に鉛筆や下書きの紙束などを詰め込み、嬉々として帰る準備をするトバイアスとケイティを、「待ちたまえ」と伯爵が呼び止めた。
「十二月の上旬に視察の予定がある。品のよい外出着を一着。帽子と手袋、防寒具も」
「かしこまりました。ドレスの意匠はどのように? 何かご希望はありますか?」
「ちょ、ちょっと待ってください」
本人は無視して勝手に話だけが進み、イリスは慌てた。いま、とんでもないことを耳にした。
「わたしも視察に行くんですか!?」
「いい機会だから、市長に伯爵夫人の紹介をする」
初耳なんですが。
開いた口が塞がらない。きっとこういうことなのだと、二十年生きてきてやっと理解できた気がした。
絶句するイリスに、伯爵は面倒くさそうにして言った。
「婚儀のあと、他の領主たちがやるようにいちいち市長を晩餐会に呼んで挨拶するのは嫌いなのだよ、私は。見世物にはなりたくない。ただでさえ、この顔で苦労しているというのに……」
それはさり気ない自慢ですか?
言いたいのをグッと堪える。いまはこの状況をなんとかしなくては。
「で、でもですね」
「なにか都合が?」
「いえ、あの……そういうわけでは……」
本当は、行きたくない。大勢の人に見られるのは苦手なのだ。どうも、自分に焦点を当てられるのが好きになれない。
煮え切らない態度のイリスにイライラしたのか、伯爵はムッとした表情をつくる。
「だったらいちいち文句を付けて私を煩わせないことだね」
「あ……ううっ」
畳み掛けられ、二の句がつげなくなってしまった。もうこれ以上、言い訳は出来ない。
伯爵はしてやったりという、極悪としかいいようがない、暗い愉悦を唇に滲ませた。怪しい笑みを浮べていればただの変質者かアブない人にしか見えないというのに、彼の場合は何処までも品がよく美しく見えるのがムカついた。
強引に丸め込まれたイリスがもたもたしている間に、伯爵は仕立て屋兄妹と商談を進める。
「視察は冬だから、あまり肩を冷やさないものを。先程の花嫁衣装のようなものは論外。首に巻くものやショール、それから上着も。流行に左右されにくい、とにかく品のよいものを揃えろ。ドレス以外は既製品でも構わん」
「相変わらず無茶なことを仰られる……はい。かしこまりましたー」
文句を言いつつも、トバイアスは嬉しそうだ。伯爵に頼まれた仕事は、彼らにとってやりがいがあるものなのだろう。
イリスをそっちのけで、仕立て屋兄妹と商談を纏めた伯爵は、次はイリスではなく自分で雑に契約書に署名をして立ち上がった。
「では、私は仕事に戻る。ベラ、イリスに引継ぎを」
「わかった」
「それと、イリス」
「はい?」
「明日は靴屋を呼ぶ。明後日には宝石商を呼ぶから、婚儀のために適当な石を選ぶといい。その次は……」
「………」
イリスは女の幸せと呼ばれる結婚式が、骨の髄まで嫌いになった気がした。
なんか今日はいつも以上に雑な文で申し訳なかったです……。
仕立て屋兄妹トバイアス&ケイティのキャラが地味に好きです。あの語尾を延ばす感じが新鮮でした。これからもちょくちょく出してあげたいです(笑)
次は伯爵の愛人のあの人の登場を予定しております。楽しみにして下さったら嬉しいです(^ω^)
あと二、三回ほどでⅡが終わる予定です。Ⅲは過去から現代へと戻る予定でございます。ややこしくてすみません(´・ω・`)
出来れば今月いっぱいでⅡを完結させたいです。
それでは、今日もお付き合いありがとうございました!!