夢想
こんな未熟者の駄文を読んでくださってありがとうございます。
私は目を覚ました。
息は荒々しく、涙が流れていた。
胸を押さえて、息を整えた。
またあの夢だ。
彼が人形になった時の、彼の心が砕けた時の、夢をまた見てしまった。
私はあの時、無力だった。
何もできなかった。
彼の心にとどめを指したのは私ではないのかと、今でも思う。
あの時、私が彼に触れなければ彼は壊れなかったかもしれない。
その前に早く助けていれれば良かったのかもしれない。
あの女に彼が呼ばれた時に助けれれば良かったのかもしれない。
今、後悔しても仕方がない。
だが、後悔してしまう。
あの時、彼は全てを拒絶した。
私も含めた、彼はこの世界にある全てを拒絶した。
もう彼に届くものはないのかもしれない。
この世界の全てを拒絶したのだから…。
何かないのだろうか?
彼が拒絶しきれなかったものがないのだろうか?
もしあるとすれば…。
たぶん親だろう…。
彼の親は彼が中学生の時に死んでいる。
不幸な事件だった。
私も葬式に出席した。
一番の理由は彼が心配だったからだ。
だが、その考えは杞憂に終わった。
親を亡くしたというのに泣かなかった。
いや、私が見ていないところではの話だが…。
彼は私に笑顔を見せたのだ。
その時から彼は美しかったから、その笑顔は私に効いた。
彼は笑顔を見せた後、すぐに親戚の人に呼ばれて行った。
彼は親戚の人に家に来るか?などと聞かれていた。
その時、私は彼のことを諦めかけた。
しかし、彼はその申し出を断った。
その好意だけ受け取っておきます。一人でも大丈夫です。
と力強く言った。
この時、私は彼がすごく大きく見えた。
私よりも背が低いのに、その背中はすごく大きかった。
私はまた彼に惚れた。
感想などお待ちしております。