温情
六話目です!
サブタイトルはあまり気にしないでください。
作者の「こんなタイトルでいんじゃね?」っていう感じで決まってますから…。
しかし、二字熟語を考えるのが難しい…。
今日の授業が終わり、放課後になった。
また先生に手伝ってもらって、学校から出る。
帰る途中に彼としっかり話をする。
おかげで独り言が得意になってしまった。
遠回りをして、景色を見る。
それについての感想を私が言う。
そして彼は変わらない顔で虚空を見つめる。
彼の目に映るものはなんなのだろうか?
彼の耳に聞こえる音はなんなのだろうか?
彼の心に響くものはなんなのだろうか?
それが分かれば、彼は治るのだろうか?
治って欲しいと願いながら帰路に着く。
途中に鋭い視線を感じた。
私を見てる視線。
彼ではなく私を…。
これも嫉妬だろうか?
いや、何か禍々しい感じがする。
…彼を奪う気だろうか?
そんなことは絶対させない。
絶対守ってみせる。
家に着き、彼を車椅子から普通の椅子に座らせる。
それから私は向かいの席にすわり、彼を見つめる。
いつもと変わらない顔立ちだ。
やはり、美しい。
夕食を作り、食べる。
それが終われば今度はお風呂だ。
またあの女が彼に付けたものを見るのかと少し憂鬱になる。
しかし、彼のためだと自分に言い聞かせる。
一緒にお風呂に入り、彼の体を見る。
傷やおびただしい数のキスマークや注射痕がなかったとしたら、女の子も羨むような体だろう。
やはり美しい。
お風呂から上がり、パジャマを着せる。
そして布団に寝かせる。
私は机に座り、勉強をする。
彼が治った時には私が勉強を教えるためだ。
時々、彼を見ながら、教科書やノート、参考書に目を向ける。
私は彼に敵わないにしても、それなりに頭がいいことを自負している。
勉強を終え、彼と共に寝る。
彼が温めてくれた布団はとても暖かい。
私は彼を抱きしめ、彼の開いている目を閉ざさせ、すぐに闇の中に意識を投げた。
これが私と彼の一日だ。
まだまだ頑張ります!
感想などお待ちしております。