希望
五話目です。
こういう前書きって邪魔ですか?
キーンコーンカーンコーン
学校の鐘で我に帰る。
どうやら、彼の顔に見惚れていたようだ。
先生が教室に入ってくる。
仕方なく私は自分の席に戻る。
彼と私の席は離れているのだ。
一度抗議したのだが、さすがにそこまで特別視できないとのことだった。
どうせ、彼女だけ彼を独占するのは許さないなどがあったのだろう。
やはり、私は嫉妬されているらしい。
遠い席から彼を見つめる。
まだ、後ろの席で良かったかもしれない。
前の席であれば彼を見ることができないからな。
まだ良かった方だ。
できれば隣が良かったが…。
まぁ、仕方ない仕方ない。
「じゃあ今日も一日頑張りましょう。」
見つめている間に話が終わっていた。
何を話したのだろうか?
別にどうでもいいか。
HRが終わり、彼の元に行く。
というよりクラスメイトの全員が彼の周りに集まる。
皆、彼が治る瞬間を見たいのだ。
それ以外にも彼の顔を見たいという人間がいる。
少し嫌だが、仕方ないことだ。
何度も言ってるが彼は美しいのだ。
だから仕方ない。
キーンコーンカーンコーン
鐘が鳴り、全員席に戻る。
そしていつも通り授業を受ける。
昼休みになって、先生に手伝ってもらい、屋上に行く。
そして鍵をする。
これで誰も入れない。
少し寒いが、彼に屋上の景色を見せるためだから仕方ない。
ここで昼食を食べる。
食べるところは見られて欲しくないから、鍵をかけたのだ。
屋上で秋の風にあたりながら食事をする。
食事が終わったら、また先生に手伝ってもらい、教室に戻る。
戻ったら、彼を見つめる。
よく考えるとこの生活が始まってからもう半年は経った。
彼があの女に拉致・監禁されたのが彼が一年の秋だから、それから半年そのままで、助けられて私との生活が始まったの半年前。
あの事件からは一年が経っているのだな。
時が経つのは早いものだ。
彼がいない半年間はとてもつまらなかった。
そのせいで学校生活が億劫になっていた。
今はまぁ、贅沢を言えば、またあんな風に笑いあいたいものだ。
感想などお待ちしております。
って言ってもまだ五話目ですから感想とかないですよね…。