強欲
四話目です!
今日は嬉しいことがありました!
一日中踊りたいです。
……冗談です。一日中踊るなんてできません…。
着替えも終えて、登校する。
学校に行く理由はある。
第一に学校という場所を認識すれば治るかもしれないということ。
第二に彼を一人にしないためだ。
私もとりあえず学生だ。
学校に行かなければならない。
だが、彼を一人にする訳にはいかないので、一緒に連れていく。
カラカラと車椅子を押しながら、周りの景色を見る。
今の時期は秋だ。
「今日は紅葉が綺麗だな。そう思わないかい?」
「………。」
やはり、返事はない。
彼にはやはり何も見えないし、聞こえないのだろう。
治ったら必ず沢山話そう。
彼は今、砕けた心のピースを集めているのだ。
そのピースが揃えば、彼はきっと治ってくれる。
そう私は信じてる。
学校に着く。
「あぁ、来た来た。おーい。」
先生が私を呼ぶ。
男の先生だ。
いい忘れていたが、私たちは高校二年生だ。
つまり、階段を一つ上がらなければならない。
私一人では車椅子ごと彼を持ち上げることはできないので先生に頼み、私は彼を、先生は車椅子を、という形で了承してもらった。
彼を抱える役をやりたいと言う先生方が多数いたので、車椅子持ちを選ぶのも大変だった。
大体、私以外に彼に触れさせるものか。
実際、車椅子も持たせたくはないのだ。
だが、仕方なくだ。
まぁ、この先生はまだ信頼できるからいいだろう。
階段を上がり、先生にお礼を言ってから、教室に入る。
入った瞬間、私は沢山の視線を浴びる。
いや、最初は彼を見てから、私を見る。
私に嫉妬しているのだろう。
それはそうだ。
彼は美しいからな。
彼の世話をするというのは羨ましいだろう。
仕方ない。
中には彼を視姦するものもいるから、こちらはどうにかしなければと思う。
彼を彼の席に連れていき、私は前の席に座り、彼を見る。
あぁ、なんて綺麗なんだろうか。
白い肌、澄んだ瞳、水気を含んだ唇。
どれをとっても美しく、そして可愛らしい。
首筋にあるあのマークが見えなければ、もっといいのに…。
やはり、あの女は憎い。
次回も投稿できるよう頑張ります!
たぶん明日…。
いや明日に投稿します!