悪戯
固まった彼をまたもお姫様だっこで抱える。
お姫様だっこをしたことによって彼は正気に戻った。
「あっ、今日学校行くのはちょっと…。」
「どうした?調子が悪いのか?」
また苛めたくなってきた。
「は、はい。体調が悪いので今日は休みたいです。」
「そうか。病院に行かなければならないな。」
助け船を出したと思わせて…。
「そ、そうです。病院行きましょう。病院。」
「私服に着替えなければな…。」
突き落とす。
「へっ?あっ、いや、きゅ、急に元気になってきました。」
「そうか。では学校に行こう。」
「あぅ。うぅぅ。」
私の楽しみは逃さないよ。
ふふふ。
彼は諦めたような顔をして、腕を私の首に回して、顔を隠した。
少し震えている。
「えっ、えっと、や、優しくしてください。」
何か違う気がする…。
しかし、その恥じらいがいい…。
やはり、可愛い…。
「任せておけ。」
私は脱衣所に直行した。
「あの…。」
着替えの最中に彼がはなしかけてきた。
「僕の体にあるこの赤いマークみたいなのはなんですか?」
「…それは。…気にするな。」
今、一番聞かれたくなかった…。
「は、はぁ。」
彼はやはり気になるみたいだ。
手で触ってみている。
つまんだりはできないから、刺激することはない。
だから、そこは安心できる。
着替えが終わり、私は彼をまたお姫様だっこをして、車椅子に乗せ、家を出た。
いってきますと彼は律儀に言った。